筑前国は現在の福岡県西部で、志摩、怡土、早良、那珂、席田、御笠、糟屋、宗像、遠賀、鞍手、穂波、嘉麻、夜須、下座、上座の15郡。室町時代前半は少弐氏、後半は大内氏がおもに守護となる。戦国時代は大友、竜造寺、島津氏らの激突の舞台となり、秀吉の平定後は小早川氏が入り、関ヶ原後は黒田氏の福岡藩50万2千石が成立した。
特別史跡
 大宰府跡 
 663年大宰府が造営された、古代九州の政治の中心であるが、現在は都府楼跡に礎石が残るのみである。
 
1994.9 都府楼跡 
 大野城跡  
 大和朝廷が、白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れた後の665年、本土防衛のために築いた古代山城。水城や基肄城と連携して大宰府政庁を守ろうとしたと考えられている。レンタカーで訪れたが、城のエリアに入っても城跡の雰囲気はまったく無い。現存する石垣や礎石は山の中に点在していて、まるで登山のようだった。
2019.6 主城原の礎石 2019.6 小石垣
2019.6 百關ホ垣
2019.6 大宰府口城門 2019.6 尾花礎石群
 水城跡
 王塚古墳
史跡
 福岡城(日本百名城)
 古くから港町として栄えた商業都市だが、関ヶ原後に黒田長政が福岡城を築き、江戸時代を通じて50万石の城下町となった。福岡城跡は今も市の中心部に残り、本丸、二の丸周辺は石垣がよく残って雰囲気があるが、平和台球場跡などは無残な姿である。大濠公園は外堀の一部を利用したもので、水鳥も多く息抜きにちょうどいい。
2008.3 石垣 2008.3 南丸多聞櫓(重文)
2007.12 大濠公園 2012.10 福岡城と大濠公園
 元寇防塁
  鎌倉時代、元の来襲を防ぐためにつくられた防塁は、今も何ヵ所か残っている。写真は下山門の駅の近くで、今も海岸にあるのでイメージが湧きやすい。
2012.10 元寇防塁
重要伝統的建造物群保存地区
 甘木市秋月 
 古くから地域の豪族秋月氏の拠点であり、江戸時代に入ると城は破却されたが黒田氏の支藩として秋月陣屋がおかれた。街の中にも雰囲気のある建物が残されていた。
1994.9 秋月城城門 1994.9
その他
 岩屋城
 大野城と同じ四王寺山の中腹にある山城。1586年、ここで高橋紹運700名が、島津軍5万を迎え撃ち、全軍玉砕したところである。本丸跡は想像以上に狭いところだった。
2019.6 本丸跡
 宮地嶽神社
 全国にある宮地嶽神社の総本山。海へと真っ直ぐのびる参道が、CMで光の道として紹介され有名になった。拝殿の注連縄も、日本一と言われている。
2019.6 拝殿と大注連縄

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