9600 | |
日本で初めて大量生産された貨物用機関車。1D(コンソリデーション)を採用し、1913年から25年にかけて、686両が製造された。高出力で軸重が比較的軽いなど汎用性が高かったため、戦時中は250両以上が軍に供出され中国などに渡っている。国内でも後継機より長く使用され、1976年のSL最後の日まで現役であった。静態保存機は40両以上あり、このうち1両は圧搾空気で動くようになっている。 | |
○9608 1958年に廃車となるが、鉄道90周年事業として1962年に整備された青梅鉄道公園の保存車となった。デフレクターの無いシンプルなスタイルである。この時は野天だったが、その後上屋がついたようである。 ○9628 富山城址公園で保存されていたもので、富山駅高架化事業を終えた2021年に、富山駅近くの牛島公園へ移設されている。 |
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1998.3 9608:青梅鉄道公園 | 2023.10 9628:富山市牛島公園 |
○9633 1972年に車籍を残したまま梅小路蒸気機関車館(現在の京都鉄道博物館)の保存車の1つとなったもの。1979年3月までは9600で唯一車籍を残していたが、現在は静態保存となっている。 |
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2022.10 9633:京都鉄道博物館 | |
○9687 1969年の廃車後、西川口駅から徒歩10分ほどの青木町公園で保存されている。上屋があって写真が撮りにくい。 ○19633 1973年の廃車後、白山一丁目公園で保存されていたもので、後に若松駅前の若松操車場跡に移設されている。しかし痛みが激しく、2019年に譲渡先を探すことが発表されており、今後の動向が気になる車両である。 |
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2016.5 9687:川口市青木町公園 | 2020.1 19633:若松駅前 |
○19671 1975年の廃車後、帯広市の緑ヶ丘公園で保存されていたもので、広尾線廃止後に愛国駅跡に移設されている。 |
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2015.9 19671:広尾線愛国駅跡 | |
○39685 1971年の廃車後、与野市役所(現在のさいたま市中央区役所)前で保存されている。ただ、訪問から2か月後の2016年8月に解体されてしまったようである。 ○49616 1976年の廃車後、千頭駅の近くの千頭南小学校で保存されていたもので、現在は千頭駅構内に移設されている。 |
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2016.6 39685:さいたま市中央区役所前 | 2003.11 49616:大井川鉄道千頭駅 |
○49627 1968年の廃車後、貝塚駅のすぐ近くの貝塚公園で保存されている。門デフを装備しているが、これは現役時代のものではない。後ろには20系客車がある。 ○49643 1970年の廃車後、網走市資料館で保存されていたもので、湧網線廃止後に卯原内駅跡に移設されている。北海道の9600はデフレクターが小型のものが多い。 |
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2016.6 49627:貝塚公園 | 1993.9 49643:湧網線卯原内駅跡 |
○49671 1976年から真岡市の井頭公園で保存されていたもので、2013年にSLキューロク館に移設され、圧搾空気で走行できるようになっている。。 |
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2023.10 49671:SLキューロク館 | |
○59601 1972年の廃車後、名寄公園で保存されている。「キマロキ」と呼ばれる、9600、マックレー、ロータリ、D51という堂々たる除雪列車が再現されている。 ○59609 1976年の廃車後、三笠市の運動公園で保存されていたもので、三笠鉄道村に移設され室内保管されている。 |
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2015.9 59601:名寄公園 | 2016.7 59609:三笠鉄道村 |
○59634 1974年の廃車後、粕屋町の中央公民館で保存されていたもので、2003年に九州鉄道記念館に移設され展示されている。 ○59672 1975年の廃車後、新得町の新内駅跡で「狩勝高原SLホテル」として利用されている。ホームが残っていて、後ろには20系客車を連結しているので、現役時代の雰囲気が感じられる。 |
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2016.8 59634:九州鉄道記念館 | 2011.7 59672:根室本線新内駅跡 |
○69644 1975年の廃車後、紋別市の南ヶ丘公園に保存されていたもので、2003年に渚滑駅跡に移設されている。 ○79615 1974年の廃車後、倶知安町の文化福祉センターで保存されている。2つ目キューロクと呼ばれる独特なライトが特徴的。 |
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2015.9 69644:名寄線渚滑駅跡 | 2011.7 79615:倶知安町文化福祉センター |
D50(旧形式:9900) | |
9600より強力な大型機として開発されたもの。1D1(ミカド)を採用し、1923年から31年にかけて380両が製造された。戦後、78両がD60に改造されている。最後まで使用されたのは筑豊地区で、1971年に営業を終えている。静態保存機は2両のみである。 | |
○D50-140 筑豊地区における最後のD50で、1972年に車籍を残したまま梅小路蒸気機関車館(現在の京都鉄道博物館)の保存車の1つとなった。1979年3月に車籍を抹消したが、静態保存されている。 |
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2022.10 D50-140:京都鉄道博物館 | |
D51 | |
D50の改良型で、基本的な設計はD50を踏襲しつつ、全長をやや短縮して汎用性を高めている。1936年から45年にかけて1115両が製造され、国鉄機関車の最大両数となっている。全国各地で貨物列車牽引に使用され、1976年の夕張線における国鉄最後のSL貨物列車牽引もD51が務めた。2両が動態保存されているほか、静態保存機は170両以上ある。 | |
○D51-200 1972年に梅小路に転属し、動態保存機となったもの。京都鉄道博物館のSLスチーム号に使用されている。2017年以降、本線走行に復帰することが予定されている。 ○D51-498 1972年の廃車後、後閑駅前で保存されていたもの。JR東日本の発足直後にスタートしたSL復活プロジェクトの対象機となり、1988年から復元整備が始まる。1988年12月のオリエント急行で復活し、翌年から高崎エリアを中心に営業運転を行っている。 |
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2017.6 D51-200:京都鉄道博物館 | 2017.6 D51-498:水上駅 |
○D51-1 1972年に車籍を残したまま梅小路蒸気機関車館(現在の京都鉄道博物館)の保存車の1つとなったもの。1986年5月までは車籍を残していたが、現在は静態保存となっている。 ○D51-14 1973年の廃車後、流山セントラルパーク駅から徒歩10分ほどの総合運動公園で保存されている。柵に囲われているが、手前にスペースがあるので写真は撮りやすい。 |
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2022.10 D51-1:京都鉄道博物館 | 2016.6 D51-14:流山市総合運動公園 |
○D51-51 1971年の廃車後、枚方市の樟葉モールで保存されていたもので、2004年にトロッコ嵯峨駅前に移設された。初期のD51は、煙突の後ろに給水暖め器の覆いがつながっているのが特徴で、「ナメクジ」と呼ばれている。 ○D51-96 1976年の廃車後、長瀞SLホテルとなっていたもので、2000年に碓氷峠鉄道文化むらに移設されている。 |
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2016.5 D51-51:トロッコ嵯峨駅前 | 2016.5 D51-96:碓氷峠鉄道文化むら |
○D51-146 静岡市の城北公園で保存されていたもので、2015年に真岡のSLキューロク館へ移設された。圧搾空気で走行できるようになっている。 |
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2023.10 D51-146:SLキューロク館 | |
○D51-170 1972年の廃車後、矢岳駅前の矢岳鉄道館で保存されている。以前は隣に58654も展示されていたが、動態復元されたため2両分の機関庫にD51-170だけがいる。 ○D51-187 1971年の廃車後、大宮車両センターで保存されている。鉄道博物館の開館と同時期に上屋が設置されている。 |
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2011.9 D51-170:矢岳駅前 | 2016.6 D51-187:大宮車両センター |
○D51-222 1973年の廃車後、那覇市の与儀公園で保存されている。沖縄県にある唯一の国鉄SLである。 ○D51-296 1972年の廃車後、府中市の健康センターで保存されている。上屋の柱があって全体が見にくい。 |
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2016.3 D51-222:那覇市与儀公園 | 2016.11 D51-296:府中市健康センター |
○D51-312 1973年の廃車後、深川市の桜山公園で保存されている。野天だが状態はとても美しい。ここにはC58もあるが、少し離れている。 ○D51-398 1973年の廃車後、名寄公園で保存されている。9600や除雪車とともに、「キマロキ」と呼ばれる除雪列車が再現されている。 |
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2016.9 D51-312:深川市桜山公園 | 2015.9 D51-398:名寄公園 |
○D51-408 1970年の廃車後、川崎市の青少年科学館で保存されている。同じ広場内にはスハ42もある。 ○D51-452 1972年の廃車後、青梅鉄道公園で保存されている。 |
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2016.4 D51-408:川崎市青少年科学館 | 2017.6 D51-452:青梅鉄道公園 |
○D51-469 1971年の廃車後、浜寺公園で保存されている。 ○D51-513 1972年の廃車後、蓮根駅から5分ほどの城北交通公園で保存されている。 |
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2018.6 D51-469:浜寺公園 | 2016.11 D51-513:板橋区城北交通公園 |
○D51-565 1976年の廃車後、函館市の本通公園で保存されていたもので、湧網線の廃止後に佐呂間駅跡に移設されている。 ○D51-688 1973年の廃車後、岡崎市の岡崎南公園で保存されている。 |
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2015.9 D51-565:湧網線佐呂間駅跡 | 2018.6 D51-688:岡崎南公園 |
○D51-745 1970年の廃車後も高崎管理局で保存され、上越新幹線開業後は上毛高原駅前に移っていた。2011年に、再度水上駅前に移されている。 |
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1996.7 D51-745:上毛高原駅前 | 2017.6 D51-745:水上駅前 |
○D51-774 1975年に廃車となったもので、旧大社線の大社駅跡で保存されている。大社駅は神社のような重厚な駅舎で知られていて、ホームも含めてすべて現役時代のまま保存されているところである。 ○D51-853 1972年の廃車後、王子駅の近くにある飛鳥山公園で保存されている。 |
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2007.1 D51-774:大社線大社駅跡 | 2016.8 D51-853:飛鳥山公園 |
○D51-1085 1976年の廃車後、藤並駅前で保存されていたもので、有田鉄道金屋口駅跡の有田川鉄道公園に移設されている。 ○D51-1108 1972年の廃車後、仙台市民SL公園で保存されていたもの。1994年に利府町の新幹線総合車両センターに移されている。車両基地公開イベントの際に見ることができるが、かなり荒廃しており近づくことはできない。 |
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2016.10 D51-1085:有田川鉄道公園 | 2017.10 D51-1108:新幹線総合車両センター |
D52 | |
戦時中における輸送力確保のために登場した、戦時設計の機関車。D51をベースに、ボイラーを大型化して国内最大の出力としている。1943年から45年にかけて285両が製造された。戦時の粗悪品が使われたことから、55両は戦後まもなく廃車となり、また49両はC62、20両はD62に改造されている。残りは、ボイラーを交換するなどして御殿場線や函館・室蘭本線などで使用された。最終運行は1972年12月で、7両が静態保存されている。 | |
○D52-1 1966年の廃車後、広島車両所で保存されている。JR貨物の公開イベントの時にしか見ることができない。 ○D52-468 1972年に車籍を残したまま梅小路蒸気機関車館(現在の京都鉄道博物館)の保存車の1つとなったもの。1979年3月までは車籍を残していたが、現在は静態保存となっている。 |
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2016.10 D52-1:JR貨物広島車両所 | 2022.10 D52-468:京都鉄道博物館 |
D60 | |
D50を1D2(バークシャー)に改造して軸重を軽減し、地方線区でも使用できるようにしたもの。1951年から56年にかけて78両が改造された。筑豊地区や東北地方などで活躍し、1974年に消滅している。4両が静態保存されている。 | |
○D60-61 1974年の廃車後、芦屋町の高浜児童公園で保存されている。かつての国鉄芦屋線の終点に近いところである。特徴的なデフレクターがついている。 |
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2016.6 D60-61:芦屋町高浜児童公園 | |
D61 | |
D50をD60に改造したのと同じように、D51を1D2(バークシャー)に改造したもの。1959年から61年にかけて、6両のみ改造されている。おもに留萌地区で使用され、1両が静態保存されている。 | |
○D61-3 1974年の廃車後、留萌市の見晴公園で保存されている。現存する唯一のD61である。 |
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2016.9 D61-3:留萌市見晴公園 | |
D62 | |
戦時設計のD52を改善する際に、1D2(バークシャー)に改造したもの。1950年から51年にかけて20両が改造された。D60・D61と似ているが、D62は地方線区への転用が目的ではなく、東海道・山陽本線などで使用されている。1966年までにすべて廃車となっており、保存車は無い。 | |
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D62 |
蒸気機関車-貨物用テンダー機