添田線は、もとは小倉鉄道として開業したもので、国有化後は日田線(現在の日田彦山線)の一部となった。しかしメインルートが田川経由に変わった後は、典型的なローカル線となった。存廃の基準となった輸送密度は212人と九州で2番目に少なく、盲腸線以外では唯一第1次特定地方交通線として廃止されている。

  1915.4.1 小倉鉄道小倉〜上添田(現添田)間開業
  1943.5.1 買収、添田線となる
  1956.3.15 日田線と改称
  1960.4.1 香春〜添田間が日田線から分離し添田線となる
  1981.9.18 第1次特定地方交通線として廃止承認
  1985.4.1 全線廃止  
  1960 1965 1970 1973 1977 1980 1983
 輸送人員(千人/日) 1.7 1.9 0.8 0.6 0.6 0.4 0.4
 輸送密度(千人/日) 0.9 1.1 0.4 0.2 0.2 0.2 0.2
 貨物輸送量(万t/年) 24.4 25.9 1.7
廃線跡
 香春〜添田12.1km 
 大任駅跡は、交通公園が整備されている。この時は上山田線探訪が目的だったので、ここしか見ていない。 
2003.3 大任駅跡C
 添田線のほとんどの区間は道路に変わっているので、2回目は道路以外の痕跡を探した。添田駅では、日田彦山線から分岐するレールが少しだけ残っている。また、上伊田の北側に少しだけ路盤がそのまま残っており、背後の香春岳とともに、石炭で栄えた時代を偲ぶ風景となっている。 
2009.2 添田駅E
手前の行き止まりの線路が添田線跡
2009.2 香春-上伊田間@
 3度目の訪問は、まだ見ていない中間駅を探す。今任は交通公園があるのですぐわかるが、上伊田と伊原は立派な道路になっていて、駅があったことを示すものは何もない。
2016.6 上伊田駅跡A 2016.6 今任駅跡B
2016.6 伊原駅跡D
未成線
 油須原線 
 豊前川崎〜大任〜油須原を結ぶ短絡線で、路盤は完成して開業を待つのみとなっていたが、開業しても収益が見込めないことから一度も営業することなく終わった路線である。大任の西側に残された高架橋をみても、未完成の路線とは思えない。大任〜油須原間の一部はトロッコ列車の運行に使用されているはずだが、場所が分からないまま終わった。  
2009.2 豊前川崎-大任間F 2009.2 油須原駅付近G

添田線・柚須原線