7世紀に登場した最初のイスラム王朝、ウマイヤ朝は急速に拡大し、8世紀にはイベリア半島の大半を支配する。ウマイヤ朝滅亡後は、王族の1人がイベリア半島に逃れて後ウマイヤ朝を成立させた。しかしキリスト勢力の反撃と内部対立により1031年に後ウマイヤ朝は崩壊、小王国(タイファ)に分裂する。モロッコのムラービト朝、ムワッヒド朝も介入するが、1492年にグラナダが陥落しイベリア半島のイスラム勢力は一掃された。

 711年 ウマイヤ朝がイベリア半島侵入、西ゴート王国を滅ぼす
 756年 コルドバに後ウマイヤ朝成立
 1031年 後ウマイヤ朝滅亡、小王国分立
 1085年 トレド陥落
 1091年 ムラービト朝がセビーリャ・コルドバなどを支配
 1118年 サラゴサ陥落
 1232年 ナスル朝グラナダ王国建国
 1236年 コルドバ陥落
 1492年 イベリア半島最後のイスラム王朝、グラナダ王国滅亡

アンダルシア州
 グラナダ(世界遺産)
 グラナダにはローマ以前から街があったとみられるが、発展するのはイスラム時代である。とくに1236年のコルドバ陥落後、イベリア半島における最後のイスラム王朝、ナスル朝の都であったため、イスラム文化が結集することになった。今でもイスラムの雰囲気が残る不思議な街である。
 マドリッドから夜行列車で到着し、まずはアルハンブラ宮殿へ。もとは要塞があった所で、13〜14世紀に宮殿として拡張されていった。宮殿の中は複雑で、イスラムらしく中庭があちこちに配置されている。ライオンの中庭は繊細な美しさを感じる。
1994.2 アルハンブラ宮殿 1994.2 アルカサバ
1994.2 ライオンの中庭 1994.2 カルロス5世宮殿
 アルハンブラ宮殿からは、白い壁が連なるアルバイシン地区や、壮大なカテドラルなど周辺の眺めもよかった。
1994.2 アルバイシン地区 1994.2 カテドラル
 ヘネラリフェは、アルハンブラ宮殿から少し離れた場所にある。ナスル朝の夏の別荘だったところで、水を使った庭が気持ちいい。宮殿を出たあとは、外から全景を見ようとアルバイシン地区の坂を登っていった。
1994.2 ヘネラリフェ 1994.2 アルバイシン地区より
アルハンブラ宮殿
 ☆世界遺産「グラナダのアルハンブラ、ヘネラリフェ、アルバイシン」 1984年登録
 コルドバ(世界遺産)
 コルドバは、ローマ時代に属州の州都として栄えた。8世紀にイベリア半島に侵入したイスラム勢力も、コルドバを首都とした後ウマイヤ王朝を建国して、東のコンスタンチノーブルと並ぶ大都市となっている。午前中にセビーリャを見た後移動したので、15時前に到着。
 イスラム時代を代表する建物は、メスキータと呼ばれるモスクである。784年に建設が始まり、メッカに次ぐ規模といわれる。レコンキスタ後はキリスト教の聖堂に転用されている。円柱の森は面白い部屋だった。
1994.2 メスキータ内部 円柱の森 1994.2 メスキータ内部 ミフラーブ
1994.2 メスキータ 1994.2 花の小路
 世界遺産「コルドバ歴史地区」 1984年登録

後ウマイヤ朝