愛知県北東部の開発と木材輸送などを目的として、御料林を所有する宮内省と豊川鉄道・鳳来寺鉄道(現飯田線)などが出資して建設した路線。終点の三河田口駅は、旅客輸送よりも木材輸送を優先して集落から遠く離れた場所に設置されている。のちに名鉄の系列に入るが、1956年の合併先は名鉄本体ではなく系列の豊橋鉄道となった。森林輸送が減り経営が厳しくなる中、1965年の台風で大きな被害を受ける。廃止3日前にも台風の被害を受け、北半分は不通のまま廃止となってしまった。
  1929.5.22  田口鉄道本長篠〜三河海老間開業
  1930.12.10 三河海老〜清崎間開業
  1932.12.22 清崎〜三河田口間開業
  1956.10.1  合併により豊橋鉄道田口線となる
  1965.9.18  災害により清崎〜三河田口間不通(66.9.20休止)
  1968.8.29  災害により田峰〜清崎間不通
  1968.9.1   全線廃止   
   1941 1949 1955
 輸送人員(千人/日) 1.5 3.3 3.2
 輸送密度(千人/日) 0.7 1.0 1.2
 貨物輸送量(万t/年) 6.1 7.6 3.7
 営業係数 80 99 104
廃線跡
 田口線(本長篠〜三河田口22.6km)
 本長篠を出ると、すぐに廃線跡は山の中に消えるが、三河大草の前後は路盤やホーム、トンネルがよく残っている。その後再び見失うが、鳳来寺からはサイクリングロードになった。  
2014.4 本長篠駅@
停車している車両の左が旧田口線ホーム
2014.4 本長篠〜三河大草間A
大井川橋梁
2014.4 三河大草駅跡B
奥は大草トンネル
2014.4 三河大草〜鳳来寺間B
奥は大草トンネル
2014.4 鳳来寺駅跡C 2014.4 鳳来寺〜玖老瀬間D
 三河大石〜三河海老間は、廃線跡が狭い舗装道路になっている。トンネルは鉄道時代のままのようである。三河海老は整地されて鉄道の名残はなく、その先は拡幅されてしまった。  
2014.4 三河大石〜三河海老間E
双瀬トンネル
2014.4 三河大石〜三河海老間E
宮裏トンネル
2014.4 三河海老駅跡F 2014.4 滝上〜田峰間G
稲目トンネル
 田口線最大の見所は、清崎を過ぎてからである。まず鉄道の雰囲気を残す第三寒狭川橋梁を渡ると、いくつものトンネルが連続。そして高度を上げた所で第四寒狭川橋梁に出る。何とか斜面を下って川岸まで行くと、今にも列車が走ってきそうな風景が見られた。  
2014.4 清崎〜三河田口間H
第三寒狭川橋梁
2014.4 清崎〜三河田口間I
第四寒狭川橋梁
 終点の三河田口は、駅があったとは思えないほど周りに何もない。田口の集落まで行くと、当時の車両が保存されていた。  
2014.4 三河田口駅跡J 2014.4 奥三河郷土資料館に保存される車両K
 

豊橋鉄道田口線