山形交通には、高畠線、三山線、尾花沢線の3路線があったが、それぞれ位置も歴史もばらばらである。戦時中の合併で山形交通が誕生したが、4年の間に3路線とも廃止している。
廃線跡
 高畠線(糠ノ目-二井宿10.6km)  
 現在の高畠駅はかつて糠ノ目駅という名で、そこから高畠の市街地へ向かう私鉄があった。高畠鉄道として開業し、1943年に合併して山形交通の1路線となったが、1966年に高畠-二井宿間が水害で休止、その8年後に残る区間も廃止した。

  1922.3.16 高畠鉄道糠ノ目〜高畠間開業
  1924.8.31 高畠〜二井宿間開業
  1943.10.1 合併により山形交通高畠線となる
  1966.8.15 水害により高畠〜二井宿間休止(68.10.1廃止)
  1974.11.18 全線廃止  
1941 1949 1955 1960 1965 1970 1973
 輸送人員(千人/日) 0.9 2.0 1.9 2.4 3.1 2.0 1.2
 輸送密度(千人/日) 0.4 0.9 0.9 1.1 1.4 1.6 1.0
 貨物輸送量(万t/年) 3.9 3.1 2.7 2.7 8.2 8.0 4.1
 高畠の先まではサイクリングロードなどになっており、駅跡もきれいに整備されている所が多いようである。車だったので一部しか見ていないが、ローカル私鉄とは思えない高畠駅の堂々とした駅舎は印象的だった。
2004.7 高畠駅跡A 2004.7 高畠駅跡A
2004.7 竹ノ森付近@
 三山線(羽前高松-間沢11.4km)  
 1922年に全通した国鉄左沢線から分岐する路線で、銅山の鉱物輸送をおもな目的としていた。山形県内で最初の電気鉄道である。合併後も山形交通の中で最も利用者数が多かったが、1970年代には利用者が急減し、高畠線とともに廃止している。

  1926.12.23 三山電気鉄道羽前高松〜海味間開業
  1928.9.17  海味〜間沢間延伸
  1943.3.3   山形交通と改称
  1974.11.18 全線廃止  
1941 1949 1955 1960 1965 1970 1973
 輸送人員(千人/日) 1.3 2.9 3.2 4.2 5.1 3.3 1.9
 輸送密度(千人/日) 0.5 1.4 1.5 1.9 2.4 1.6 0.9
 貨物輸送量(万t/年) 3.0 2.7 2.2 3.6 2.8 1.7 1.1
 白岩〜上野間は、廃線跡が道路に転用されているが、あまり大きな道ではないので鉄道の雰囲気を感じられる。この時は、この後バスで間沢まで行く作戦だったのだが、バス停の場所を間違えて乗り損ねるという大失敗をしてしまった。
2016.11 白岩駅付近@ 2016.11 白岩〜上野間A
 失敗を取り戻すべく、僅か3ヶ月後に再訪。しかし、何と廃線跡は雪で埋まっていて、歩くことができなかった。三山線とは、かなり相性が悪いようである。
2017.2 海味〜西海味間B

山形交通