北海道の私鉄はほとんどが炭鉱輸送を目的としていたが、ここは珍しく十勝平野の開発を目的として建設された路線。旅客よりも木材や資材などの輸送が中心だったが、輸送量が少なく厳しい経営が続いた。1965年に木材輸送が無くなり、間もなく廃止となった。

  1928.12.15 新得〜鹿追間開業
  1931.11.15 新得〜上士幌間全通
  1949.9.1   東瓜幕〜上士幌間廃止
  1965.12.20 瓜幕〜東瓜幕間休止(67.10.1廃止)
  1968.2.10  屈足〜瓜幕間休止
  1968.8.10  全線廃止 
  1941 1949 1955 1960 1965 1970
 輸送人員(千人/日) 0.4 0.4 0.6 0.6 0.7 0.6
 輸送密度(千人/日) 0.1 0.1 0.2 0.2 0.3 0.3
 貨物輸送量(万t/年) 7.2 9.9 8.5 8.4 8.6 7.5
 営業係数 115 104 107 106 116 203
廃線跡
 新得〜上士幌53.9km 
 残念ながら鉄道の面影はほとんど残っていない。鹿追駅の近くに保存されているSLと、戦後長らく終点であった東瓜幕駅跡の碑が、鉄道があったことを証明しているようである。 
2011.7 鹿追駅跡@ 2011.7 鹿追駅付近 保存されているSL@
2011.7 東瓜幕駅跡A
 
車両
 北海道拓殖鉄道は、運転本数が少なかったため、在籍した車両も少ない。SLは延べ4両で、このうち2両は短期間の使用にとどまる。DCは、1932年に早くもガソリンカーを導入したが、戦後の新造車は無かった。 
種類 番号 両数 特徴  登場 消滅 備考
SL 8621-8622 2 1Cテンダ 1928 1968?
5704 1 2Bテンダ 1931 1940 もと国鉄
8722 1 2Cテンダ 1953 1956 もと国鉄
DL DR202CL 1 C形ロータリー車 1960 1968
DD4501 1 B-B凸形 1963 1968 もと豊羽鉱山
DC キハ101-102 2 6720mmガソリンカー 1932・33 1960?
キハ111-112 2 11720mm 1956・57 1968 もと佐久鉄道
キハ301 1 19700m 1963 1968 客車改造
PC ホロハ1-2 2 1928 1963
 8620形
 北海道拓殖鉄道の開業時に導入したもので、国鉄8620形と同タイプの新造車。民間向けに製造された8620形はこの2両だけである。8622が鹿追駅跡で保存されている。 
2011.7 8622:鹿追駅付近
 8700形
 国鉄の本線向けの国産SLとしては、初期のものの1つ。1953年に北海道拓殖鉄道に譲渡され、さらに雄別炭鉱鉄道に移って1970年まで使用された。釧路市内の釧路製作所前で保存されている。 
2016.7 8722:釧路製作所

北海道拓殖鉄道