チャビンに続く起元前後の時代、アンデスの海岸部はナスカ、山岳部はティワナクが最も栄えた。とくにティワナクは、紀元前200年頃から紀元後1200年頃までの1400年にわたって存続し、アンデス地域で最も長く栄えた文化の1つであった。

ボリビア
 ティワナク(世界遺産) 
 ティワナク文化の中心となった遺跡は、チチカカ湖に近い標高3900mの高地にある。ラパスの空港からは1時間ほどで到着した。
 遺跡に入ると、まずアカパナのピラミッドが見える。ピラミッドと言っても単なる小山のようだが、基壇の一部と思われるものも発掘されていた。上に登ると、なんと頂上に大きな貯水池があって、ピラミッドのイメージが狂ってしまう。上からは遺跡全体が見渡せて眺めがよかった。
2016.5 遺跡入口より アカパナ 2016.5 アカパナの基壇の一部
2016.5 アカパナ頂上と貯水池(左) 2016.5 アカパナより カラササーヤ
 アカパナの裏側、遺跡の東の端に、カンタタイータと呼ばれる神殿跡がある。神殿と言っても石がいくつか転がっているだけだが、まるで模型のような謎の石も無造作に置かれていた。
2016.5 カンタタイータ 2016.5 カンタタイータにある謎の石
 遺跡の中心に戻ってくると、カラササーヤの東隣に半地下神殿がある。大きさはそれほど大きくないが、壁に人の頭が並んでいて異様な雰囲気だった。ここから、カラササーヤの門とその奥のモノリート(石像)が一直線上に見えて絵になるが、モノリートは元々ここにあったわけではないようである。
2016.5 半地下神殿 2016.5 半地下神殿とカラササーヤの門
 ティワナクで最も大きい建造物、カラササーヤは、約130m四方のほぼ正方形である。土台のように1段高くなっていて、ピラミッドのいちばん下の段という感じだが、その上には何もない。広大な場所に、2体のモノリートがぽつんと立っている。
 
2016.5 カラササーヤの壁  2016.5 モノリート
 ティワナクでいちばん有名な太陽の門は、カラササーヤの隅の中途半端な場所にあって意外だった。もっと重要そうな場所にあってもよさそうなものだが、実際はどこにあったかわからないのだろう。ビラコチャ神などのレリーフが美しいが、逆光で見にくかった。
2016.5 太陽の門 2016.5 太陽の門に描かれたビラコチャ神
 月の門は、遺跡の西の端の方にあり、遺跡を出てから車で移動してフェンス越しに見た。普段なら近くまで歩いて行きたいと思うが、この時は高山病で朦朧としていたので、歩かずに助かった。
2016.5 月の門
 メインの遺跡から少し離れたところに、プマプンクという宮殿跡がある。ここも石が転がっているだけなので想像力が必要だが、巨大な1枚岩が印象に残った。
2016.5 プマプンクの巨大な1枚岩 2016.5 プマプンクの一部
 ☆世界遺産「ティワナク」  2000年登録

プレ・インカ文明−ティワナク