十勝鉄道のルーツは、北海道製糖が甜菜を農地から工場まで運ぶための専用鉄道。1924年に地方鉄道として改めて開業し、1929年までに路線網が完成した。ほとんどの区間は762mmだが、帯広大通〜新帯広間は1067mmで、新帯広〜工場前間は762mmと1067mmの4線軌という特殊な形態であった。また、戦後に河西鉄道を合併し、清水部線としたが、5年後には全線廃止されている。1950年代になると帯広部線もトラックに貨物を奪われ、762mm区間は1959年までに廃止。同時に旅客営業を廃止して、新帯広〜工場前間3.4kmの貨物鉄道となる。この状態で18年間営業したが、1977年の日本甜菜製糖帯広工場閉鎖により、残る区間も廃止された。なお、1977年以降も機関車を保有し、専用線の運行管理を受託していたが、2012年に終了している。

  1921.8.20 北海道製糖専用鉄道使用開始
  1924.2.8  十勝鉄道新帯広〜太平間、藤〜上美生間、常磐〜八千代間開業(762mm)
  1924.11.4  帯広〜新帯広間開業(1067mm)
  1925.5.30  河西鉄道下清水〜鹿追間、北熊牛〜南熊牛間、下幌内〜上幌内間開業
  1929.2.12  帯広大通〜帯広間、南太平〜戸蔦間開業により全通
  1940.5.6  常磐〜上美生間廃止
  1946.1.30  河西鉄道を合併、清水部線となる
  1951.7.1  清水部線全線廃止
  1957.8.18  川西〜戸蔦間、藤〜八千代間廃止
  1959.11.15 帯広大通〜新帯広間、工場前〜川西間廃止、旅客営業廃止
  1977.3.1   新帯広〜工場前間廃止
  1941 1949 1955 1959 1965 1970 1975
 輸送人員(千人/日) 1.1 1.5 2.2 0.9
 貨物輸送量(万t/年) 16.9 11.4 24.1 20.5 21.3 22.5 8.5
 営業係数 140 119 102 124 105 110 154
廃線跡
 帯広部線
 十勝鉄道は、「とてっぽ」という愛称で親しまれていた。帯広市街地にある廃線跡の一部は「とてっぽ通り」として整備され、762mmのSLと客車が保存されている。
2016.2 とてっぽ通り 2016.2 保存車

十勝鉄道