もとは沼ノ端を起点とする北海道鉱業金山線として建設が始まり、1943年の国鉄買収後に起点が鵡川に改められた。その後も路線は伸び、1964年に日高町まで開業したものの、金山まで伸びることは無く終わっている。存廃の基準となる輸送密度は378人、収支係数2276で、輸送密度だけをみると文句なしで第1次特定地方交通線のレベルだが、延長が50km以上あるため第2次になった。

  1922.7.24 北海道鉱業鉄道沼ノ端〜生鼈間開業(23.11.1富内まで延伸)
  1924.3.3  北海道鉄道となる
  1943.8.1  国鉄に買収される
  1943.11.1 鵡川〜豊城間開業し、沼ノ端〜豊城間休止
  1958.11.5 富内〜振内間開業
  1964.11.5 振内〜日高町間開業
  1984.6.22 第2次特定地方交通線として廃止承認
  1986.11.1 全線廃止 
  1949 1956 1960 1965 1970 1973 1977 1980 1983 1986
 輸送人員(千人/日) 0.8 1.0 1.6 2.3 1.7 1.6 1.2 1.1 0.8 125
 輸送密度(千人/日) 0.1 0.3 0.6 0.6 0.5 0.5 0.4 0.4 0.3 0.2
 貨物輸送量(万t/年) 13.5 22.6 26.8 14.6 6.4 2.8 1.4 1.2
廃線跡
 鵡川-日高町82.5km
 終点の日高町は駅の位置がさっぱりわからず、竜門峡などの景勝地が続く区間も鉄道跡と自信をもっていえる場所は見つけられなかった。岩知志がようやく鉄道跡とわかる場所だが、駅の位置まではわからなかった。振内は駅跡が保存・整備されている。構内のD51はかなり傷んでいるようであった。
2009.10 岩知志駅付近K 2009.10 振内駅跡I
2009.10 振内駅跡I 2009.10 振内駅跡I
 振内と富内の間は峠越えがあるが、何と道路が通行止めになっていた。富内は最も雰囲気がいいと聞いていたので、限られた時間の中で平取まで迂回して何とか辿りついた。駆け足になってしまったが、聞いていたとおりの雰囲気のいい山間の小駅で、大満足できる所だった。 
2009.10 富内駅跡G 2009.10 富内駅跡G
 7年ぶりの訪問は、鵡川側から。豊城駅跡は幹線道路、春日駅と旭岡駅は空き地で、駅位置が判然としない。 
2016.7 豊城駅跡@ 2016.7 春日駅跡A
2016.7 春日〜旭岡間B 2016.7 旭岡駅跡C
 旭岡〜栄間に、スノーシェイドがそのまま残っている所がある。見つけるのに少し手間取ったが、これだけ立派なスノーシェイドは初めて見た。 
2016.7 旭岡〜栄間D 2016.7 旭岡〜栄間D
 栄駅跡は空き地、穂別駅跡は公園で、どちらも鉄道の面影が感じられない。富内駅跡は前回に続いて2度目だが、やはり何度来ても見応えがある。 
2016.7 栄駅跡E 2016.7 穂別駅跡F
2016.7 富内駅跡G 2016.7 富内駅跡G
 幌毛志駅跡は空き地がカーブしていて、鉄道が通っていたことが感じられる。振内駅跡は2度目だが、SLは前回より美しく整備されている気がする。 
2016.7 幌毛志駅跡H 2016.7 振内駅跡I
 仁世宇、岩知志、日高岩内、日高三岡は、どれも駅位置を示す目印になるものが無く、難易度が高い。富内線の駅は、保存されている富内と振内を除くと、ほぼ完全に撤去されている。 
2016.7 仁世宇駅跡J 2016.7 岩知志駅跡K
2016.7 日高岩内駅跡L 2016.7 日高三岡駅跡M
 終点の日高町駅は、民間の建物が建っていて、鉄道を感じられるものは無い。航空写真と現地の地形を見比べると、写真の奥側から線路が伸びてきていたことがようやくわかる。 
2016.7 日高町駅跡N
 

富内線