軌道線の前身は土佐電気鉄道で、鉄道線の安芸線を開業させていた高知鉄道と戦時中に合併して土佐交通となった。戦後の1948年に土佐電気鉄道という名称に戻っていたが、経営難により清算することとなり、2014年に第三セクターのとさでん交通に移管されている。なお、安芸線は1974年に廃止となっている。
戦前〜終戦直後
 土佐電気鉄道
 開業時に登場した最初の6両は早々に姿を消したが、7形と呼ばれる木造単車は20年以上にわたって71両製造され、戦前の主力となった。戦後に半鋼車体に載せ替えて140形、300形となり、1970年代まで残っていた。1984年には、この7形を復元した「維新号」が登場し、今もイベント等で活躍している。また、戦前の電動貨車をルーツとする貨1形は、今も花電車で使用されている。
2017.10 7形(復元車):桟橋車庫前  2017.10 貨1形:桟橋車庫
 形式 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
1形 1-6 6 新造 1904 1914
7形 7-77 51 新造 1905 1959
7形(復元) 7 1 新造 1984.11  
100形 101-105 5 呉市45-49 1947 1963
140形 141-159 19 7形 1949 1966
300形 301-326 26 7形 1953 1975?
貨12形 12-22 11 新造 1908 1949
貨1形 1 1 貨17 1952
戦後〜1990年代
 200形・500形
 戦後最初の新造車で、都電6000形とほぼ同じ設計。500形はカルダン駆動の高性能車として1両のみ製造されたが、使い勝手が悪く10年ほどで200形と同じ吊掛け駆動に改造されている。500形は消滅したが、200形はまだ15両が現役である。
2017.10  200形:桟橋車庫前 2018.9 200形:はりまや橋
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
200形 201-221 21 新造 1951.5-57.6
500形 501 1 新造 1954.7 2002.3
 600形
 都電7000形をモデルにした新造車で、31両が製造され土佐電気の最大勢力となっている。半鋼製と全鋼製、直接制御と間接制御など、バリエーションは多い。塗装も、さまざまなラッピング車が存在する。
2005.12 はりまや橋?  2022.10 高知駅前
2018.9 はりまや橋 2018.9 はりまや橋
2022.10 高知駅前 2017.6  はりまや橋
2017.6 桟橋車庫 2017.10 桟橋車庫
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
600形 601-631 31 新造 1957.10-64.3
 60-70年代の譲受車
 600形以降は、譲受車が続く。700形と800形は山陽電気軌道から譲り受けたもので、台車が違うだけの同形式。冷房化されて、今も全車健在である。また、西鉄北方線から1両のみ譲り受けた301は2008年に廃車となったが、九州に里帰りして香椎花園内で保存されている。
2017.6 700形:桟橋車庫 2017.10 700形:桟橋車庫前
2017.10 800形:桟橋車庫 2017.10 800形:はりまや橋 
2018.9 もと301:香椎花園
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
100形 101-103 3 琴参デハ56-58 1964 1975頃
700形 701-703 3 山陽700形 1971.5
800形 801-804 4 山陽800形 1971.5
300形 301 1 西鉄324 1981.4 2008.2
 1000形
 600形以来の新造車で、初の新製冷房車。ただし、機器等は西鉄331形のものを流用している。2両のみの製造であった。
2018.9 はりまや橋
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
1000形 1001-1002 2 新造 1981.12
 外国車
 土佐電気では、1990年代に路面電車活性化のため、外国車両を積極的に導入した。当初は定期運用にも入っていたが、今ではイベントや貸切等で稼働するのみである。735形は福井鉄道に譲渡されて「レトラム」となり、533形は四国コカ・コーラボトリング小松第二工場で保存されている。
2017.10 198形:桟橋車庫 2017.10 320形:桟橋車庫
2017.10 910形:桟橋車庫 2019.1 533形:
四国コカ・コーラボトリング小松第二工場
 2018.3 735形(福井鉄道譲渡後):社武生
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
198形 198 1 オスロ市 1992.4
320形 320 1 グラーツ市 1992.12
533形 533 1 リスボン市 1991.7 2008.1
735形 735 1 シュツットガルト市 1990.8 2013.12
910形 910 1 リスボン市 1994.3
2000年代以降
 2000形
 200形の置き換えのために登場したもので、機器等は200形のものを流用している。財政難により3両のみで製造が打ち切られ、200形をすべて置き換えることは無かった。
2017.10:桟橋車庫
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
2000形 2001-2003 3 新造 2000.6-04.2
 100形
 土佐電気初の低床車で、アルナ車両のリトルダンサーLタイプ。自治体の補助を受けて1両のみ導入されており、愛称は「ハートラム」。平行カルダン駆動、VVVFインバータ制御が採用されている。
2017.6:はりまや橋
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
100形 101ABC 1 新造 2002.3
 590形
 最新鋭の100形に続いて導入されたのは、何と1957年製の名鉄モ590形。廃止された岐阜市内線等で使用されていたもので、吊掛け駆動の直接制御車である。名鉄のスカーレットのままで異彩を放っている。
2017.6:桟橋車庫前
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
590形 591-592 2 名鉄591-592 2005.11
 3000形
 100形以来16年ぶりの低床車で、リトルダンサーのタイプUa。16.5mの3連接車体である。1両のみの導入で、愛称は「ハートラムU」。2018年3月に営業を開始している。

  2018.3.27 営業運転開始
2018.9 はりまや橋付近
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
3000形 3001-02ABC 1 新造 2018.3-21.3
形式別車両数
種類 形式 1930 1954 1964 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC 戦前 69 14
  7形復元 1 1 1 1 1 1 1 1
更新車 32 36 10
100形 5 3
200形 14 21 21 20 20 20 20 20 17 17 15 14
300形 1 1 1 1 1
500形 1 1 1 1 1 1 1 1
590形 2 2 2
600形 31 31 31 31 31 31 31 31 31 31 29
700形 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
800形 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4
1000形 2 2 2 2 2 2 2 2
2000形 3 3 3 3
3000形 1
100形 1 1 1 1
外国型 6 6 6 5 3 3
電動貨車 11 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
年表

  1903.7.8  土佐電気鉄道設立
  1904.5.2  堀詰〜乗出間、梅ノ辻〜桟橋間開業
  1908.2.20 伊野線:はりまや橋〜伊野間11.2km全通
  1922.8.1  土佐水力電気と合併、土佐電気となる
  1925.2.21 後免線:後免町〜はりまや橋間10.9km全通
  1928.8.10 桟橋線:高知駅前〜桟橋通五丁目間3.2km全通
  1941.7.12. 高知鉄道に合併、土佐交通となる
  1948.6.3  土佐電気鉄道と改称
  1974.4.1  安芸線:後免〜安芸間26.8km廃止
  2014.10.1 とさでん交通設立、土佐電気鉄道の鉄軌道事業などを引継ぐ

とさでん交通