800年、アグラブ朝はアッバース朝の宗主権を認めながらも自立政権を樹立する。10世紀にアグラブ朝を滅ぼして成立したファーティマ朝は、エジプトからオリエントに進出していった。一方、983年にはベルベル人の王朝、ズィール朝が成立し、以後はベルベル人によるイスラム王朝の興亡がつづくことになる。1574年、ハフス朝がオスマン帝国に滅ぼされてチュニジアのイスラム政権は消滅した。

 800〜909年 アグラブ朝(カイルアン)
 983〜1148年 ズィール朝(イフリーキヤ)
 1229〜1574年 ハフス朝(チュニス)

ケルアン県
 カイルアン  
 670年に街の建設が始まり、メッカ、メディナに次ぐ第3の聖地として栄えた。チュニジアに建国されたアグラブ朝の都にもなり、グランドモスクはアグラブ朝時代のものである。シディ・サハブ霊廟は7世紀に建てられたものだが、17世紀に大きく改修され、色鮮やかな装飾となっている。
2002.9 グランドモスク 2002.9 グランドモスク内部
2002.9 シディ・サハブ霊廟
  ☆世界遺産「聖都カイルアン」  1979年登録 
スース県
 スース  
 スースはローマ以前に起源をもつが、ビザンチン末期に破壊され、アグラブ朝時代に再建された。首都カイルアンに近い港町として発展し、城壁に囲まれたメディナが建設されている。
 ここの観光はエルジェムに行ったついでという感じで、50分ほどの散策である。メディナは迷路のようで、実際にメンバーの一部が迷子になった。リバトは7世紀まで遡る要塞の跡だが、あまり気にせず通り過ぎてしまった。
2002.9 メディナ 2002.9 リバト
 ☆世界遺産「スース旧市街」  1988年登録
チュニス県
 チュニス  
 チュニスは、ローマのカルタゴに対抗して7世紀にアラブ人が建設を始めた。13世紀のハフス朝では都となり、多くの建造物がつくられている。しかしその後のオスマン帝国とフランスの支配により、かなり街の様子は変化している。
 グランドモスクは、698年に建設が始まった歴史ある建物である。メディナの奥にあるお土産屋の屋上から眺めた。
2002.9 グランドモスク
 ☆世界遺産「チュニス旧市街」  1979年登録

アグラブ朝・ズィール朝