地方の旧型国電を置換えることを目的として、電動車1両で運行できる小編成の通勤電車として1981年に登場した形式。新製車と、103系0番台を改造したもの、103系1000番台を改造したものがあり、さらに改造車は、103系の運転台そのままの車両と、運転台を新製した車両があるので、バラエティに富んでいる。新製車は3扉、改造車は103系の車体を流用しているため4扉である。台車は103系と同じDT33。主電動機も103系と同等のMT55A(1時間定格出力110kW)。制御は電動カム軸式、制動は電磁直通(発電併用)である。登場時は非冷房で、国鉄末期からJR発足後にかけて冷房化された。
 
2023.11 上嘉川〜深溝間
国鉄
 1981年、福塩線と宇部・小野田線に新製車が投入され、次いで奈良線と可部線に改造車が投入された。国鉄最後の日には、仙石線向けの改造車4両が登場。この4両のみJR東日本、その他は全てJR西日本に引継がれている。
 
朱色 左から100番台(改造車)、0番台(新製車)
 番台  Mc
105
M
105
Tc
104
Tc
105
T
105
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台  27 4 25 4 新製 1981.1-3 
4 4 M105-0
T105-0
1985
100番台 4 103系0番台 1984.5-12 2007.5
0番台 14 103系1000番台 1984.5-12 2021.4
500番台  32 10
100・600番台 2 2 103系0番台 1987.3 2000.3 仙石線
JR西日本
 府中電車区/岡山電車区 
 福塩線は、105系が最初に投入されたところ。当初から新製車のみで、2両編成のほかに4両編成もあったが、1984〜85年に中間車を先頭車化改造して全車2両編成となっている。中国地域共通の黄色に塗り替えられて、2014年にオリジナルの塗装は消滅した。

  1981.2.11  福塩線にて営業運転開始
  2010.8-14.5 黄色単色塗装に変更
 
1988.8 福塩線色:福塩線  2022.7 黄色:府中駅
 番台  Mc
105
Tc
104
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台 11 11 国鉄 1987.4 
 宇部電車区/下関総合車両所 
 宇部・小野田線にも、福塩線とほぼ同時期に新製車が投入された。国鉄時代から、改造車の転入も行われている。登場時は朱色一色だったが、JR発足後に青・赤帯となり、2010年から中国地域共通の黄色への塗り替えが進んだ。2023年7月に、通称「ゆうパック」と呼ばれる青・赤帯の塗装が復活している。

  1981.3.1 宇部・小野田線にて営業運転開始
  1989.1  青・赤帯への変更始まる
  2010.5  黄色単色塗装への変更始まる
  2016.6  4扉の改造車が消滅
 
 1990.2 新製車、青・赤帯:宇部線 2019.12 新製車、黄色:琴芝駅付近
 
2016.1 500番台(103系1000番台の運転台が残る車両):広島駅 
 番台  Mc
105
Tc
104
Tc
105
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台 15 12 国鉄 1987.4 新製車
100番台 1 2016  103系0番台改造
500番台 3 103系1000番台改造
 広島運転所 
 可部線には改造編入車が投入されたが、転属が多く、JR発足時には新製車と改造編入車が混用されていた。登場時は朱色一色だったが、JR発足後に青・赤帯となり、2010年から中国地域共通の黄色へ変更された。2019年に運用を終了し、一部は下関へ転出した。

  1984   可部線運用開始
  1989.1  青・赤帯への変更始まる
  2010.5  黄色単色塗装への変更始まる
  2019.3.16 可部線運用終了 
 番台  Mc
105
Tc
104
Tc
105
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台 5 6 国鉄 1987.4 2019 新製車
100番台 3 103系0番台改造 
600番台 1
500番台 5 103系1000番台改造
 奈良電車区 
 1984年10月の奈良・和歌山線電化に際し、103系1000番台等の改造編入車が投入された。先頭車を改造したものは種車の運転台が残っているが、中間車を改造したものは、105系新製車と同等の運転台が設置されている。1994年に奈良線から撤退。1997年9月に、和歌山・桜井線運用車が新和歌山車両センターに転属している。

  1984.10.1 奈良・和歌山線にて営業運転開始
  1994.9.4  奈良線運用終了
  1997.9.1  新和歌山車両センター発足、奈良より転属
 
1989.7 奈良色:和歌山駅
 番台  Mc
105
Tc
104
Tc
105
 前歴  登場  消滅 備考
500番台  24 10 14 国鉄 1987.4 1997.9 改造車
550番台 1 103系0番台 1990.7  1997.9 事故車代替
 新和歌山車両センター/新在家派出所 
 1997年の新和歌山車両センター発足の際に、奈良から転入。103系1000番台等の改造編入車で、先頭車を改造したものは種車の運転台が残っているが、中間車を改造したものは、105系新製車と同等の運転台が設置されている。1998年3月からは、和歌山線・桜井線に加えて紀勢線紀伊田辺〜新宮間でも使用されるようになっている。2004年には117系等と同じ和歌山色となったが、2010年頃から青緑単色に変わってきた。また、奈良や高野山などの観光地に近いため、ラッピング車も多く登場していた。和歌山線では、227系に置き換えられて2019年9月に定期運用を終えており、以降は紀勢線紀伊田辺〜新宮間のみで運用されていたが、2021年3月に終了。これにより、4扉の改造車はすべて消滅した。

  1997.9.1  新和歌山車両センター発足、奈良より転属
  1998.3.14 紀勢線紀伊田辺〜新宮間運用開始
  2004.9   和歌山色登場
  2010.5   青緑単色への変更始まる
  2019.9.30 和歌山線・桜井線の定期運用終了
  2021.3.13 紀勢線の定期運用終了
 
 2016.3 青緑:和歌山駅 2016.10 旅万葉ラッピング:和歌山駅
 
2016.3 万葉の四季ラッピング:和歌山駅 2016.3 真田丸ラッピング:和歌山駅
 番台  Mc
105
Tc
104
Tc
105
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台 13 奈良 1997.9 2021.4 改造車
500番台 24 10
550番台 1
 0番台 5 5 岡山 2005.3 2021.7 新製車
JR東日本
 陸前原ノ町電車区/宮城野電車区 
 1987年の国鉄最後の日、仙石線の区間運転用として103系4両編成1本を105系2両編成2本に改造したもので、JR東日本唯一の105系。100番台は種車の運転台そのままで、600番台は中間車に運転台を取り付けている。登場時はトリコロールカラーだったが、1990年にスカイブルーへ変更された。1998年に営業運転を終えた後も、しばらくは横浜支社と八王子支社で車籍の無い訓練車になっていたが、2008年に解体されている。

  1987.3.31 仙石線105系登場
  1990.5-6  スカイブルーへ変更
  1998.3.13  営業運転終了
100・600番台、トリコロール
 番号 Mc
105
Tc
105
 前歴 登場  消滅  備考
101 1 103系 1987.3 1998.4
105 1
601 1 1
車両配置表

1982 1985 1987 1990 1992 1995 1998 2000 2005 2010 2015 2018 2020 2022
陸前原町 4 4 4 4 2
奈良 48 48 47 48 48
和歌山 48 48 58 48 48 48 14
府中 24 22 22 22 22 22 22
岡山 22 14 14 14 14 14 14
広島 20 20 22 28 28 28 28 28 28 28 12
宇部 36 31
下関 31 29 23 23 23 23 21 22 22 22 22 22

105系