現在の中央アジアは、イスラム帝国分裂後も9〜10世紀のサーマーン朝、11〜13世紀のホラズム・シャー朝などイスラム系の王朝がいくつも成立している。ホラズム・シャー朝は13世紀始めのモンゴル侵攻によって滅ぶが、復興は早くティムール朝の時代に全盛期を迎えている。

 873〜999年  サーマーン朝
 1077〜1231年 ホラズム・シャー朝
 1370〜1507年 ティムール朝
 1512〜1873年 ヒヴァ・ハン国
 1561〜1920年 ブハラ・ハン国

ウズベキスタン
 タシケント  
 現在では中央アジア最大の都市となったタシケントも、古くからのオアシス都市が発展したものだが、旧市街は1966年の大地震で壊滅してほとんど残っていない。僅かに雰囲気が感じられるのはハスティ・イマーム周辺で、サマルカンドやブハラの全盛期とほぼ同じ16世紀頃のマドラサやモスクがある。
 この旅ではブハラを少しは見られると思っていたが、途中の移動に時間がかかったため空港直行、それも飛行機出発5分前に空港に着いて走り回るというドタバタぶりであった。タシケントの自由時間に旧市街まで足を伸ばして、少しだけこの時代の雰囲気を味わった。
2008.9 バラクハーン・マドラサ 2008.9 ティッラ・シャイフモスク
2008.9 コカルダシュ・マドラサ 2008.9 旧市街
 ヒヴァのイチャン・カラ(世界遺産) 
  ヒヴァは、17〜19世紀にかけてのヒヴァ・ハン国の都。イチャン・カラと呼ばれる城壁に囲まれた旧市街には、マドラサやミナレット、モスクがところ狭しと並んでいる。
 予定では初日にカラカルパクスタンをまわって、翌朝にイチャン・カラを散歩するはずだったのだが、飛行機のオーバーブックのために予定が大幅に変わり初日の夕方がイチャン・カラになった。1時間程散歩しただけだったが、時が止まったような街並み、そしてクフナ・アルクからの夕暮れの風景はとても印象的である。大都市よりもこのくらいの規模の街がいちばん楽しいと思う。
2008.9 クフナ・アルクより
2008.9 イスラーム・ホジャのミナレット 2008.9 カリタ・ミナール
2008.9 城壁 2008.9 タシュ門
 ☆世界遺産「イチャン・カラ」  1990年登録
トルクメニスタン
 クフナ・ウルゲンチ(世界遺産)
 クフナは旧という意味で、古くからホラズム地方の中心都市として栄え、ホラズム・シャー朝期には都となった。モンゴルによって徹底的に破壊された後も一度復興するが、川の流れの変化により街が現在のウルゲンチ(ウズベキスタン)に移されて滅んでいる。11世紀に宮廷がおかれていたクルク・モッラはただの丘になってしまったが、12〜13世紀のスルタン・テケシュ廟やイル・アルスラン廟はモンゴルによる破壊をまぬがれた貴重なものである。
 飛行機のオーバーブックの影響で、前日行くはずだったカラカルパクスタンがこの日の午前中に。その後、トルクメニスタンへの国境でも2時間以上かかり、16時を過ぎてしまった。この日は夜に飛行機に乗るので、一度はクフナ・ウルゲンチへ行くのをやめると言われたが、何とか短時間でも行かれることになった。本当に駆け足の観光で、ガイドが先に進んでしまうので説明もほとんど聞けなかったが、14世紀初めのトレベク・ハニム廟の天井が印象的だった。19時まで、僅か45分の観光だったが、すぐにまた行かれる場所ではないので、行かれただけでも良かったと思う。
2008.9 クトゥルグ・ティムール・ミナレット
背後はクルク・モッラの丘
2008.9 トレベク・ハニム廟内部
2008.9 スルタン・テケシュ廟 2008.9 イル・アルスラン廟
 ☆世界遺産「クフナ・ウルゲンチ」  2005年登録

イスラム王朝 -トルキスタン