戦前には南筑軌道と黒木軌道が羽犬塚と黒木を結んでいたが、矢部線の建設が決まったことにより1940年に廃止。その矢部線は戦時中も工事が進められ、戦争終結の僅か4ヶ月後に開業している。本来は矢部村までの予定だったが、黒木以遠に伸びることは無かった。存廃の基準となった輸送密度は1157人であった。

  1945.12.26 羽犬塚〜黒木間開業
  1981.9.18  第1字特定地方交通線として廃止承認
  1985.4.1   全線廃止  
  1949 1956 1960 1965 1970 1973 1977 1980 1983
 輸送人員(千人/日) 3.0 3.9 4.3 4.6 1.8 2.0 2.1 1.6 1.1
 輸送密度(千人/日) 1.3 1.8 2.1 2.2 0.9 1.1 1.3 1.0 0.7
 貨物輸送量(万t/年) 8.0 8.4 8.0 6.7 6.2 5.1 2.8
廃線跡
 羽犬塚〜黒木19.7km
 羽犬塚駅の直近は九州新幹線の工事で近づけなかったが、その先に鉄道らしい雄大なカーブを描く細い道路が残っていた。
 筑後福島は公園となっていて駅舎とホームがある。レールがあったはずの場所では何故かゲートボールが行われていた。
2008.3 羽犬塚駅付近@ 2008.3 筑後福島駅跡A
 山内まではほぼ全線が立派な道路に変わっているが、山内を過ぎると一転して未舗装の細道に変わる。通り抜けできるかどうかわからないので入り口から眺めるだけにした。北川内の手前には、橋こそ残らないものの立派な橋脚とそれに続く築提があった。
2008.3 山内-北川内間B 2008.3 山内-北川内間C
 北川内〜黒木間は小さな峠越えで、トンネルや切り通しなどが残って見所が多い。勾配の少ない直線道なので、廃線の位置はすぐにわかる。終点の黒木駅付近はかつての鉄道の位置がさっぱりわからないが、駐車場の片隅にSLと駅名票が保存されていた。
2008.3 北川内-黒木間D
北川内隧道
2008.3 北川内-黒木間E
2008.3 北川内-黒木間F 2008.3 黒木駅跡G

矢部線