北アルプスは、一般的には飛騨山脈と呼ばれ、東に姫川・木曽川、西に神通川・飛騨川が流れる。約270万年前に始まる火山活動で山脈の基盤ができ、約130万年前からは赤石山脈と同様に断層活動で急激に隆起している。
 北アルプスの中央にある薬師、黒部五郎、水晶、鷲羽などの山々は、どれも山小屋に何泊もしなければ近づくことのできない所である。双六や雲の平など御花畑の別天地も広がり、いつかは大縦走をしてみたい憧れの山域になっている。

黒部川源流部
 薬師岳(2926、百名山)
 立山から南西に続く尾根にある山で、北アルプスでは珍しいどっしりした姿。東斜面には、3つのカールがある。登山は折立ルートが一般的で、8時間程度の行程。立山から薬師岳、黒部五郎岳を経て槍ヶ岳への縦走ルートがある。富山の市街地からもよく見える山である。
2021.11 富山市役所より
1992.2 高山より
中央やや左に薬師岳、右は笠ヶ岳
2009.10 室堂より
 黒部五郎岳(2840、百名山)
 黒部川の源流近く、北アルプスの最奥にある山。薬師岳から三俣蓮華岳への縦走路にある。薬師岳からは約7時間、三俣蓮華岳からは約3時間半の行程である。
 南側の乗鞍岳からの眺め。左端が黒部五郎岳。中央には三俣蓮華岳、水晶岳、鷲羽岳、右には野口五郎岳が連なっている。
2003.10 乗鞍岳より
 こちらは北側からの眺め。左端は笠ヶ岳で、その右に黒部五郎岳。その右手前に大きく薬師岳が広がっている。
1995.10 立山より 
 赤牛岳(2864、二百名山)
 薬師岳の東、黒部川上廊下をはさんで対岸にある山。黒部湖の最奥に見える。写真の中央が赤牛岳。その左奥には水晶岳が少しだけ見えている。
 1991.8 黒部湖より
裏銀座ルート
 裏銀座ルートは、高瀬ダムを起点に、野口五郎岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳などを経て槍ヶ岳へと続く大縦走路。北アルプスの最奥にある、あこがれのルートである。
 野口五郎岳(2924、二百名山)
 後立山連峰から続く尾根にあり、裏銀座ルート最初の主要峰。有名な歌手と同じ名称だが、歌手の名前の由来がこの山である。下の写真は黒部ロープウェイからの眺め。右端が野口五郎岳で、左は不動岳、南沢岳、烏帽子岳。不動岳と南沢岳の間に大天井岳が見えている。
2009.10 黒部ロープウェイより
 水晶岳(2986、百名山)
 水晶岳は、裏銀座ルートの主稜線から少し外れている。とは言っても、主稜線の水晶小屋から1時間で到達できる。周辺から見ると水晶岳だけ黒く見えるので、黒岳とも呼ばれる。
 下の写真でも、左の水晶岳だけが黒い三角で目立つ。中央手前は野口五郎岳、その真後ろに立山が見える。
1997.8 槍ヶ岳より
 鷲羽岳(2924百名山) 
 水晶岳の少し南で、裏銀座ルートの縦走路上にある。黒部川源流の東側に位置する山である。下の写真は北から見たもので、中央やや右寄りが鷲羽岳。その右手前に水晶岳、左手前は野口五郎岳である。右奥には三俣蓮華岳、左奥には常念山脈が見える。
2008.11 飛行機より
 北側の立山からの眺め。中央付近に鷲羽岳と水晶岳、右端には笠ヶ岳。左奥は槍ヶ岳と奥穂高岳が見えている。
1995.10 立山より 
 三俣蓮華岳(2841、二百名山)
 薬師岳からの稜線と、鷲羽岳からの稜線が交わる所。長野・岐阜・富山の3県の境になる。写真の中央が三俣蓮華岳で、右奥には薬師岳、左奥に黒部五郎岳。左端には水晶岳が黒く見えている。
 1997.8 槍ヶ岳より
 樅沢岳(2755)  
 三俣蓮華岳から槍ヶ岳へと続く、裏銀座ルートにある山。左の大きな山が樅沢岳である。
1995.10 新穂高より
笠ヶ岳
 笠ヶ岳(2897、百名山)  
 笠ヶ岳は、新穂高温泉をはさんで槍・穂高の反対側にある山。新穂高ロープウェイに乗ると笠が真正面になって迫力がある。登山ルートは新穂高温泉からで、8時間程度の行程となる。  
1995.10 新穂高より 1997.8 槍ヶ岳より 右奥が笠ヶ岳

北アルプス−薬師・水晶・鷲羽