北アルプスは、一般的には飛騨山脈と呼ばれ、東に姫川・木曽川、西に神通川・飛騨川が流れる。約270万年前に始まる火山活動で山脈の基盤ができ、約130万年前からは赤石山脈と同様に断層活動で急激に隆起している。
 北アルプスの核心部には、天を突くような槍ヶ岳、そして迫力ある岩の集合体のような穂高、どちらもアルペンの雰囲気満点で、昔からいちばんの憧れである。周辺からこの2つの山が見えた時の感動は、富士山にも負けない。そして麓の上高地に行っただけでも、何か高ぶったような気持ちが感じられる所である。

2008.11 飛行機より
中央にそびえる尖った三角が槍。その左上が穂高連峰
槍ヶ岳
 槍ヶ岳(3180、百名山)
  南北に連なる槍・穂高連峰の、いちばん北にある山。その名の通り、天に向かって伸びる槍のような姿をしている。ここから北西に向かって、三俣蓮華岳や鷲羽岳へ続く裏銀座ルート、東は常念山脈へとつながる尾根がある。
 写真は北側の立山から見た物で、中央に槍の穂先が目立つ。槍の右が奥穂高岳、槍のすぐ手前は野口五郎岳、左奥には木曾駒ヶ岳がうっすら見える。北アルプスのシンボルともいえる槍の穂が見えると、何ともいえない感慨がある。
1995.10 立山より
 槍は憧れの山の1つだったので、ちょっと無理をして金曜夜から週末だけで訪れた。上高地から山頂までは、ガイドでは10時間程となっているが、時間が無いのでかなり急いで登った。さすがに槍岳山荘の手前はかなりバテたが、何とか予定通り歩いた。そして翌朝になると、ご来光と山頂からの北アルプス大展望を満喫して、忘れられない登山になった。下りでは少し足も痛くなったが、また何度でも行きたいと思う。

<上高地7:15-9:10横尾-10:30槍沢ロッジ-14:00槍岳山荘15:10-15:30山頂-槍岳山荘>
<槍岳山荘5:50-6:20山頂7:20-9:50ババ平-12:00横尾-14:25上高地>
  標高差1680m
1997.8 槍沢 1997.8 槍沢より 槍ヶ岳
 1997.8 槍ヶ岳のご来光 1997.8 槍の穂の登り
 左の写真は、左奥に黒部五郎岳、その手前に双六岳、中央は三俣蓮華岳。右奥には薬師岳、その手前に鷲羽岳。写真の境目には水晶岳が黒く見えている。そして右の写真では、中央手前に野口五郎岳、その真後ろに立山が見える。右遠くの三角の山は針ノ木岳で、その右奥は白馬岳になる。南側から北アルプス核心部のほとんどの山をながめる、忘れられない大展望である。
 1997.8 槍ヶ岳より 1997.8 槍ヶ岳より
 岐阜県側の新穂高からの眺め。左に槍の穂、右には中岳、南岳が見えている。
1995.10 新穂高より
 白く輝く槍・穂高連峰、左が穂高、右の三角の山が槍ヶ岳である。手前左は鉢伏山。 
2005.11 蓼科山より
穂高連峰
 穂高連峰は、多くの山の集合体で、涸沢カールを囲むように北から北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳などが連なる。また、南西に伸びる尾根には西穂高岳がある。最高峰の奥穂高岳は、富士山・北岳に次いで標高第3位である。
 写真の左が奥穂、右端が前穂。正面が95年に下った岳沢になる。この時は乗鞍高原が目当てだったが、天気が良かったので朝一番で上高地に行き、朝日を浴びた奥穂を楽しんだ。奥穂は槍のような派手さはないが、堂々とした重みを感じる。
2002.10 上高地より
  左端に槍ヶ岳、その右に奥穂高岳、前穂高岳、さらに右には常念岳が見える。常念岳の手前は霞沢岳。乗鞍からは、岳沢を正面にした上高地とほとんど同じ角度の奥穂が見られておもしろい。 
2003.10 乗鞍岳より
 左の鋭鋒が前穂高岳、その右に北穂高岳、奥穂高岳、ジャンダルムと続く。右奥には乗鞍岳と御嶽山、左奥には木曾駒ヶ岳が見えている。槍から奥穂にかけての憧れの稜線が目の前に広がって、夢のような気分であった。
1997.8 槍ヶ岳より
 奥穂高岳(3190、百名山)
  奥穂はいちばんの憧れだったので、まだ登山らしい登山の経験が全く無い1995年に訪れた。登山の基地となる涸沢は、四方をアルプスの峰々に囲まれて、アルピニストの仲間入りしたような気分である。翌朝、涸沢を出発したときまでは晴れていたが、山頂手前で霧に包まれて何も見えなくなってしまった。奥穂から前穂まで稜線歩きをしたが、この一番いい所が霧の中では何とも心残りである。

<上高地10:30-12:00徳沢-12:50横尾-15:20涸沢>
<涸沢5:30-7:00奥穂山荘-7:40奥穂山頂8:00-9:30前穂-12:15紀美子平-14:30上高地>
  標高差1690m
1995.8 涸沢より   1995.8 涸沢カールを見下ろす
 涸沢岳(3110)、北穂高岳(3106)、前穂高岳(3090) 
 涸沢カールを囲む峰々。雰囲気満点である。
 1995.8 涸沢より 涸沢岳 1995.8 涸沢より 北穂高岳
 1995.8 涸沢より 前穂高岳
 明神岳  
 明神岳は上高地からも見えるが、徳沢の方へ歩いていくと徐々に姿を変えていった。
 
2002.10 明神付近より
 西穂高岳  
  左端が奥穂高岳で、そこから右に西穂高岳への稜線が続く。ジャンダルムをはじめ北アルプスでも1・2を争うような難しい岩場が続くコースで、下からみても迫力満点である。
1995.10 新穂高より
焼岳
 焼岳(2455、百名山)
 西穂高岳からさらに南西へと伸びる尾根にあり、このエリアで唯一の活火山。大正時代1915年の噴火では、梓川をせき止めて大正池をつくった。上高地で川の下流方向に見えており、岩肌がほとんどむき出しなので目立っている。上高地からの登山ルートがあり、約4時間の行程である。
2002.10 上高地より 

北アルプス−槍・穂高