養老線は、養老鉄道として開業し、めまぐるしく社名を変えながら合併を繰り返して近鉄の1路線となった。しかし利用者の低迷から、近鉄は沿線自治体に支援を求め、2007年に近鉄完全子会社の新会社、養老鉄道を設立して経営を移管している。なお、養老鉄道は第二種事業者で、近鉄が引き続き第三種事業者となっていたので、上下ともに民間という珍しい形態だったが、2018年に公有民営方式に移行した。
2023.3 友江〜大外羽間
養老電気鉄道時代
 養老線は、開業後しばらくは非電化で、6両のSLが使用されていた。1923年の電化後に登場した電車は、多くが木造であったが、戦後に鋼体化され1970年代まで使用されていた。保存車は残っていない。
養老電気 伊勢電 近鉄 前歴 1929 1943 1960 1970  備考
デ1-10 デハニ1-10 モニ5001-07 新造 10 7 4 3
デ11-12 デハニ11-12 モニ5011-12 新造 2 2 2 2
ク101-103 クハ401-403 ク5401-03 新造 3 3 3 3
ク201-204 クハ411-414 ク5411-14 新造 4 4 4 4
養老鉄道設立後
 600・610・620系  
 近鉄合併後は、養老線向けの新造車は無く、名古屋線や南大阪線等で使用されていた車両が転属してきた。600・610・620系もそのような転属車であるが、養老線向けに低速化改造されたため、新たな形式名となっている。2007年の養老鉄道移管時には、これらの車両を近鉄が保有したまま養老鉄道に貸出しという形態になったが、2014年に正式に譲渡された。
2004.11 610系:揖斐駅(近鉄時代)
 
2016.1 600系:大垣駅 2019.7 600系:大垣駅
2017.7 600系ラビットカー塗装:大垣付近
 
2017.7 610系:大垣付近 2017.7 620系:大垣付近 
形式  番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
600系 モ601-606
ク501-506
サ551-552
14 近鉄1600系
ク1950形
モ6850形
サ6150形
1992.7-94.11
610系 モ611-614
ク511-514
ク531-532
サ571
11 近鉄1800系
モ6850形
1993.8-94.5 2019.11 571は2001年増備
620系 モ621-624
ク521-524
サ561-564
12 近鉄6000系 1992.6-93.12
625系 モ625
ク525
サ565
3 近鉄6020系 2001.7 2018.10
 7700系  
 600-620系を置換えるため、東急7700系を譲り受けたもの。2020年4月時点では、3両編成、2両編成それぞれ3本ずつ登場しており、塗装は赤帯、緑帯、赤+黒、緑+黒の4種類ある。
   
2020.7 緑帯:播磨駅  2023.3 赤帯:友江〜大外羽間 
形式  番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モ7700形
モ7800形
ク7900形
7701、03等
7803、12、14
7901、03等
15 東急7700系 2019.1-20.2
形式別車両数
種類 形式 2008 2010 2015 2020  備考
EC 600系 12 12 12 10
610系 9 9 9
620・625系 12 12 12 6
7700系 15
年表

  1913.7.31 養老鉄道養老〜池野間開業
  1919.4.27 桑名〜揖斐間全通
  1922.5.15 揖斐川電気に合併される
  1923.5.13 全線電化
  1928.4.6  鉄道事業を養老電気鉄道へ分離譲渡
  1929.10.1 伊勢電気鉄道に合併される
  1936.5.20 養老電鉄設立、養老線が譲渡される
  1940.8.30 参宮急行電鉄に合併される
  1944.6.1  近鉄養老線となる
  1996.8.1  貨物営業廃止
  2007.2.14 養老鉄道設立
  2007.10.1 養老鉄道が桑名〜揖斐間57.5kmを引継ぎ営業開始
         (3種事業者は近鉄)
  2018.1.1  養老線管理機構が近鉄から鉄道施設を譲り受け3種事業者となる

養老鉄道