四国地区の急行列車を特急に格上げする目的で開発された、短編成向けの特急車両。車体は国鉄特急車初のステンレス製で、全長21,300mm。座席は転換リクライニングシート。機関はキハ38形と同じDMF13HS(出力250ps)。台車はボルスタレス・円錐積層ゴム式のDT55・TR240である。制動はCLE。最高運転速度は110km/h。国鉄末期の1986年に登場し、52両が製造されている。
2022.10 木太町-屋島間
JR四国
 0番台
 塗装は、当初は白と緑色であったが、のちに水色のJR四国色になった。剣山・むろと向けの車両は前面の塗り分けが異なる。また、疑似国鉄色と呼ばれる国鉄時代に似た塗装に戻った車両もある。2000系の登場後は余剰車が発生し、1992年に20両をJR九州へ売却している。

  1986.11.1 特急「しおかぜ」「南風」にて営業運転開始
  1987.9-88.4 四国色に変更
  1988.4.10 瀬戸大橋開業、特急「うずしお」運用開始、「いしづち」「しまんと」新設
  1990.11.21 特急「しおかぜ」運用終了、「宇和海」「あしずり」運用開始
  1991.11.21 特急「南風」運用終了
  1992.2   20両除籍、JR九州に売却
  1993.3.18 特急「宇和海」「あしずり」運用終了
  1996.3.16 特急「剣山」運用開始
  1997.7.28 専用塗装の臨時特急「I Love しまんと」新設
  1998.3.14 専用塗装の特急「あい」新設
  1999.3.13 特急「むろと」新設、「あい」廃止
  1999.9   臨時特急「I Love しまんと」運行終了
1988.8 大歩危駅 2017.6 阿波池田駅
 
2017.11 剣山色:西原駅付近 2023.10 剣山色:志度-オレンジタウン間
 
2009.12 国鉄色(復刻):高松駅 2024.9 アンパンマン塗装:岡山駅
左:「あい」、右:「I Love しまんと」 
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ185 0・1000番台 44 新製 1986.8-88.12
キロハ186 0番台 8 新製 1986.9-10
 3000番台
 2000系の増備に伴い、余剰となったキハ185系10両が1999年に普通車化改造され、3000番台となった。松山地区にて運用されている。2006年に、このうち2両は特急「むろと」向けに改造され、0番台に復帰している。
2023.10 伊予上灘駅
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ185 3000番台 10 1000番台 1999.7-00.6
 ジョイフルトレイン
○四国まんなか千年ものがたり
 2017年4月に運行を開始した、土讃線向け観光列車。3両編成で、1両ごとに塗装も内装も異なっている。 
○志国土佐 時代の夜明けものがたり
 高知〜窪川間を運行し、食事の提供などがある観光列車。2020年7月に営業運転を開始している。
 
2017.6 阿波池田駅付近 2017.6 琴平駅
○伊予灘ものがたり
 予讃線の「愛ある伊予灘線」を経由し、松山から伊予大洲、八幡浜まで運行される観光列車。当初はキハ40系であったが、2022年4月からキハ185系の改造車に変更された。
 
2023.10 八多喜-春賀間
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
四国まんなか
千年ものがたり
キロ185 1001、03
キロ186 1002
3 キハ185 14、3102
キロ186 4
2015.1
志国土佐 時代の
夜明けのものがたり
キロ185 1867-68 2 キハ185 25、1015 2020.2
伊予灘ものがたり キロ185 1401、03
キロ186 1402
3 キハ185 23、3113
キロ186 8
2022.4
JR九州
 キハ185系は、四国における短編成特急向けとして1986年に登場したものであるが、2000系の開発によって余剰となったため、1992年に20両がJR九州に売却された。九州では久大線の「ゆふ」、豊肥線の「あそ」に投入さる。当初は大分と熊本に分かれて配置されたが、大分に集約された。2004年から肥薩線にも乗り入れていたが、2016年に肥薩線の運用が終了している。

  1992.7.15 特急「ゆふ」「あそ」にて営業運転開始
  2004.3.13 特急「あそ」と急行「くまがわ」を統合し、「九州横断特急」となる
  2011.3.12 「九州横断特急」の一部を特急「くまがわ」に分離
  2016.3.26 特急「くまがわ」廃止
1993.8 初期塗装:鳥栖駅 2016.1 「ゆふ」塗装:博多駅
 
 2014.3 「九州横断特急」塗装:熊本駅  2022.2 「AROUND THE KYUSHU塗装
:由布院〜野矢間
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ185 0・1000番台 22 JR四国 1992.7
キロハ186 0番台 6 JR四国 1992.7
 D&S列車  
〇A列車で行こう
 2011年10月から、キハ185系2両を改造して三角線の臨時特急「A列車で行こう」の運行が開始された。黒とゴールドの塗装で、内部にはカウンターバーが設置されている。
2017.3 「A列車で行こう」:笹原駅
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
A列車で行こう キハ185 4、1012 2 同番号 2011.10
車両配置表

1987 1990 1992 1995 1998 2000 2002 2005 2008 2010 2012 2015 2018 2020 2022
38 52 32 32 32 24 22 22 24 24 24 24 24 22 20
松山 8 10 10 8 8 8 8 7 7 9
高知                           2 2
大分 12 12 20 20 20 20 20 20 18 18 18 18
熊本 8 8 2 2 2 2

キハ185系