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◆[第372回]暦の会2月例会      
                                  平成24年2月18日(土)2時~4時
                                  会場=五反田文化会館  出席者=12名
  

今回は、本年1月に新著『暦はエレガントな科学――二十四節気と日本人』(PHP刊)を出版なさった石原幸男会員に、〈暦と初歩の天文学のおはなし〉と題して、以下の二つの要素でご講演いただいた。

◎暦と初歩の天文学のおはなし…………………………………………………講師:石原幸男会員
〔1〕二十四節気について 
二十四節気の「清明」について、「新暦では4月5日ごろ」というように「○○のころ」と解説されることが多いが、「春分の0.5か月前」という以外の説明は所詮、文学に過ぎない。日本人は、天文学の概念である二十四節気を「天の文学」として解釈し、季節感に合わないなどと見当違いな不満を漏らし続けてきている。「清明」が新暦の4月5日ごろになるのは結果であり、本来の天文学的意味(春分の半月後)を理解すれば結果は容易にたどりつけるのである。つまり、昨今、気象協会が季節感に合った新しい言葉による「日本版二十四節気」を作ろうとしているのは、本来の二十四節気とは無関係なことなのである。

〔2〕冲方 丁『天地明察』の科学的誤りについて
 ベストセラ―となった冲方 丁(うぶかたとう)の『天地明察』(2009 角川書店刊)の記述における科学的な誤りと思われる例を5か所ほど取り上げ、詳しく説明がなされた。
 なお、上記講演の詳細内容は石原幸男氏のホームページのうちの〈旧暦と二十四節気のページ〉上に、『「暦の会」第372回(2012年2月18日)要旨』としてご自身がまとめておられるので、ご参照下さい。
http://www.asahi-net.or.jp/~jcly-ishr/Kyuureki/Kyuureki_Index.html
◎また、恒例により古川麒一郎先生から国立天文台作成の「平成25年(2013) 暦要項」のコピーが配布された。
*例会終了後にいつも立ち寄る五反田駅前のビクトリア2階の喫茶店が1月末で閉店となった。1月の例会は目黒の雅叙園で行なわれたので、当該の喫茶店でのお茶会はなかったため、事前に知る由もなかった。毎回、人数に応じてテーブルや椅子をセットしてくれる使い勝手の良いお店であっただけに、残念である。長い間利用させていただき、こころより感謝申し上げたい。
                                            (以上、レポート=小川)