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◎[第375回]暦の会5月例会      
                                 平成24 年5 月20日(日) 晴 参加者=12名

 3年ぶりに元気な顔を見せて下さった田村さんは、昭和4年生れの最長老。
いっぽう、藤田さん同伴のご子息・啓一君は小学5年生の最年少参加者でした。今回は、月光天文台「世界のカレンダー展」を見学後、恒例の桜家で鰻重・鰻丼を賞味、堪能。午後は三嶋暦師の館で、開館7周年記念と銘打たれた岡田芳朗会長の講演「江戸時代の暦と時刻」をじっくりと拝聴。

◎月光天文台で「世界のカレンダー展」を見学
 10時15分、東海道線函南駅前に12人が集結。迎えに来て下さった館の車2台に分乗して、途中、くっきりとした富士山を眺めながら、一路、天文台へ。五味台長の歓迎,そして美味しいお茶を戴いたあと、明日は「金環日食」で早朝から観測やマスコミ取材への対応準備でお忙しい中を、天体望遠鏡や観測に関するお話をいろいろして下さり、また別室の「世界のカレンダー展」会場では、右から左へと日が進むものや金曜日から始まるもの、金・土が週休二日のものなど、特色あるカレンダーを1点、1点ていねいに説明していただいた。今回の参加者のうち、初めて見学するという5人ほどの会員からは、時折、感嘆の声が漏れ聞こえていました。滞在予定の時間も少なくなり、売店で金環日食観測用のメガネを買い求めたり、館の前での記念撮影を済ませたりしたあと、11時46分発の電車に間に合わせるべく、再び館の車で函南駅までお送りいただいた。五味台長、蒔田さん、渡辺さん、今年もたいへんお世話になりました。

 
▲蒔田さんの天体望遠鏡についての説明に熱心に耳を傾ける会員諸氏(写真=小川)

◎安政三年創業の「桜家」で恒例の鰻を賞味
 三島駅で伊豆箱根鉄道に乗り換え、一駅先の広小路駅で下車。踏切を渡るともう目的地の「桜家」。しかし、すでに満席とのことで、席が空くまで隣接する「時の鐘」付近でしばし待機。12時半を回るころ2階の座敷へ。今回は値段が同じながら鰻重派と鰻丼派に分かれる。稚魚減少の影響とかで、メニューの価格は昨年より1割ほど上がっていたものの、一箸口に入れると、いつもの味わいが彷彿としてきて、どなたの顔にもほころびが見られました。1時20分、桜家をあとに旧東海道をブラリ、三嶋大社本殿を横目に見ながら暦師の館へ。

◎岡田芳朗会長による三嶋暦師の館開館7周年記念講演「江戸時代の暦と時刻」を拝聴
 会員数人が道に迷い、2時からの講演に少々遅刻するというハプニングがありましたが、地元の人を含めると総勢80名近い参加者が集まったとのことでした。講演は落語の「時蕎麦」をマクラに始まり、配布された6頁にわたる手作りの資料をもとにしつつ、〈時刻は定時法で、人々の生活は不定時法に依っていた〉という江戸時代の暦と時刻についてのお話。手相の筋三本(生命線・運命線・感情線)が見えれば夜明け(彼は誰れ[かわたれ])、空に星が三つ四つ見えれば日暮れ(誰そ彼れ[たそかれ])など、時には岡田会長独特のユーモアを交えた丁寧でわかりやすいお話はたいへん好評で、あっという間の90分でした。講演終了後、江戸時代の時刻は九ツから四ツまでで、一ツから三ツがないのはなぜかの問いに、明確な理由はないとのこと。他にも二、三の質問が飛ぶなど、聴講者の関心の深さが窺えました。館の玄関前で記念撮影を済ませて暦師の館を辞し、明日は173年ぶりの金環日食、どうか晴れますようにと念じながら三嶋大社の中を抜けて駅へと向かい、4時半すぎ、三島駅にて解散となりました。河合龍明館長さん、お世話さまでした。
                                   (レポート=大森+小川)

 
講演中の岡田芳朗会長(写真=小川)

 
三嶋暦師の館の玄関前で記念撮影(写真=小川)