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◆[第383回]暦の会例会レポート      


                                    平成25年3月16日(土)2時~4時
                                    会場=五反田文化会館 
                                    出席者=20名

今月は、ドゥエル・ベーリ先生に、新月はいつから見えるのかという初月観察について、関連するホームページの紹介を交えながらお話しいただいた。

◎テーマ:〝初月観察について―新月はいつから見えるか〟 講師………ドゥエル・ベーリ 先生 

■どのくらい少ない月齢で新月が見えるかに挑戦したことがありますか? それをお手伝いしてくれるホームページを紹介しましょう。航海暦を発行するイギリス海事局が主催するもので、同ホームページでは、新月予報を用意している一方で、世界中の利用者からの新月観察データ報告も期待しています。    〈http://astro.ukho.gov.uk/moonwatch/index.html
■目的の一つは新月観察の楽しみです。また、イギリスに住む多くのイスラム教徒のためにもホームページは役立っています。それは、同宗教の太陰暦により新月の確認ができれば、現在の月が29日間で終わるのか、30日間で終わるのかを決定できます。たとえば、イスラムの太陰暦では、日の入りは次の日のスタートです。したがって月の29日目の終りに日が沈み、新月が見えればそのとたんに次の月の1日が始まりますし、新月が見えなければ現在の月の30日目がそのとたんに始まります。以上は大雑把な説明ですが、実はイスラム暦はもう少々複雑です。上記のホームページの新月観察活動に参加希望される方は、メールアドレスで登録します。そうすると、毎月、次の新月の日々や時間情報のお知らせメールを送ってもらえます。新月の時間はグリニッジ標準時で表示しますので、それに9時間を足せば日本での新月の時間がわかります。      
http://astro.ukho.gov.uk/moonwatch/signup.html
例えば、2013年4月10日の新月は、09:35 UT/GMT で、日本標準時に直せば、4月10日 18:35 になります。
■また、自分の地域で観察したデータを報告する宛先は、以下の通りです。 
http://astro.ukho.gov.uk/moonwatch/report.html
記入する内容は、観察した新月の日や時間、観察方法(肉眼、双眼鏡、望遠鏡など)、天候の様子(晴、薄曇りなど)、そして新月が見えたかどうか、見えたならその月の向きについて、また地球のどこで観察したか、最後に報告者の年齢や観察経験(初めて、時々、毎月など)を記します。
新月観察の最適な時間は、観察日の日の入りの時間+(4/9)×月の入りまでの分数です。
たとえば2013年4月の新月の場合、12日頃から見やすくなってきます。その日の最適観察時間は、日の入りの時間(18:11)+(4/9)×月の入り(20:02)までの分数(111分)=19:00頃 となります。少ない月齢の新月は馴れないと見づらく、観察を重ねるにつれて見えてきます。また見えても、月の入り前のわずかな時間しか見られません。

以上のホームページを利用して、あるいは利用しなくても、新月観察に挑戦してみたらいかがでしょうか。           
(*上記は、ドゥエル・ベーリ先生からいただいたレポート原稿を基に小川がまとめました。)

                                  (レポート=小川益男 暦の会理事)