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◆[第389回]暦の会11月例会レポート


                                  平成25年11月16日(土)2時~4時
                                  会場=五反田文化会館 出席者=16名

〈テーマ〉〝安政4年(1857) 「仙台七十二候」について〟…………講師:岡田 芳朗 会長
 今回は、「安政四丁巳年略暦仙䑓七十二候」のコピー、および戸板善太郎保佑の安政5年(1858)「仙台七十二候」〔『新撰陸奥風土記』掲載。安永5年(1776)の誤りかともいわれる〕、そして官暦(宝暦暦以降)三点の比較一覧表の資料をもとに興味深いお話をしていただいた。
① 七十二候のうち、官暦の表記と異なるものが22あること。
例えば[雨水 初候]の項では、官暦の「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」に対して、安政4年仙台七十二候では「雨雪交降(あめゆきまじりてふる)」とある。同様に、[白露 次候]の「鶺鴒鳴(せきれいなく)」に対しては、「風雨烈々(ふううれつれつたり)」、[立冬 初候]の「山茶始開(つばきはじめてさく)」に対しては、「寒風徹身(かんぷうみにてっす)」となっている、などなど。
② 表記は同じであるが、官暦より季節を1候から10候分ほど早めたものや、逆に1候~5候
分遅くしたものなどが、計19ほどある。これらから、安政4年仙台七十二候は、仙台の気
候風土に合わせた「七十二候」であったことが理解できる。
例:早めている例では、官暦[冬至 末候]の「雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)」は、3候早めた[大雪 末候]に「麦出芽(むぎめをいずる)」として、また官暦[立秋 次候]の「寒蟬鳴(ひぐらしなく)」は10候早めた[夏至 初候]に「蟬蜩希鳴(ひぐらしまれになく)」として置かれている。遅らせている例としては、官暦[啓蟄 末候]の「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」は、安政4年仙台七十二候では2候遅れた[春分 次候]に置かれ、同様に官暦[芒種 末候]の「梅子黄(うめのみきばむ)」は、仙台七十二候では5候遅れた[小暑 次候]に「梅子黄[落](うめのみきばみおつ)」として置かれている、などなど。
③ なお、安政4年仙台暦の残り31候は、官暦と同時期にほとんど同じ表記で置かれている。

◆同時開催――「平成26年版日めくり」の特別頒布会
 大阪の新日本カレンダーさんのご厚意で届けられた岡田芳朗会長監修の「平成26年版日めくり」が、岡田会長から来会者全員に1冊ずつ配布された。

■その他
【会員新著紹介】
◎岡田芳朗・松井吉昭『年中行事読本―日本の四季を愉しむ歳時ごよみ』四六判上製・320頁
1900円+税・創元社刊
  ◎三須啓仙『暦のおしえ―季節と寄り添い、幸運を導く』(暦監修=岡田芳朗) 四六判並製・216頁
1500円+税・徳間書店刊

                                        (レポート=小川益男 暦の会理事)