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◆[第392回][第393回]暦の会レポート 


                                  平成26年3月22(土) 2時~4時
                                  会場=五反田文化会館 出席者=23名
          
2月例会予定の15日(土)は、昨日からの大雪に加えて交通マヒも生じ、結局休会と致しました。暦の会初めての出来事だそうです。そうした中を会場まで足をお運びいただいた会員諸兄姉には、申し訳なく心よりお詫び申し上げます。
そこで、3月例会は不規則ですが、2月例会を兼ねる形で開催することに致しました。これも初めてのケースとなりました。そのせいでしょうか、出席会員数がいつもより多く、配布資料の不足が心配されましたが、事なきを得ました。                        

[第392回]テーマ【多賀社参詣曼荼羅にみる図像について――丑刻参りと馬頭人祭】  
                                 講師……………………松井 吉昭 先生
多賀社(滋賀県犬上郡)の春の大祭に「馬頭人祭」がある。以前は4月午の日に行われていたが、現在、4月22日になっている。式次第は5段階に区分でき、仮にA~Eとする。Aは本殿祭、Bは来栖調宮への神輿渡御、Cは両頭人(御使殿・馬頭人)が賓台河原にて御弊合わせ、Dは「富の木」渡し、Eは本社にて「夕日の神事」。AからEに至る式次第の中で私的神事から公的(郡鎮守)神事に上昇転化する過程が示され、多賀社の歴史的性格を読み取ることが出来る。
多賀社参詣曼荼羅は現存三本ある。それらの図像に「丑刻参り」と思われる図像があり、ろうそく三本が共通としてみられる。貴船神の降臨が丑年丑月丑日丑刻で、丑日の参詣が験応があると考えられ、そこから丑刻参りとなった。三本の角の伝承は、梁塵秘抄から平家物語(屋代本)の剣巻の橋姫伝承、さらに謡曲「鉄輪」に引き継がれ、生きながら鬼になる作法として定着したのではないだろうか。        (以上、松井先生報告要旨による)

[第393回]テーマ【天からの宿題】    講師………………………源 真里 先生
 毎年十月の声を聞くと、翌年の年度運に関する考察、すなわち『天からの宿題』を書き始め、それをもとに、正月が過ぎてから「立春大吉」葉書*の文章を作る。これはもう三十年にもなる。東洋運命学的考え方では、「天地自然の理(ことわり)」に順応するものは栄え、逆らうものは滅びる」と考えるのが基本スタンスである。
 「天からの宿題は」、干支、陰陽五行に九星を加えて解説するのであるが、更に気学の要素を加え、易の三才になぞらえて、十干は天の気、十二支は地の気、九星は人の気を支配すると考え、干が縦糸、支が横糸となって織り上げた布の上に、九星が模様を描いて、その年の「機運」が浮かび上がる…と解釈することにした。文字の解釈は『康熙字典』『字源』『大漢和辞典』『学研漢和辞典』『字通』などを参考にしている。十干、十二支の解釈は、「説文に曰く…」がベースで、陰陽五行と、特に十二支が表す月・季節・方位・時間と十二消長卦が重要である。
 *「立春大吉」葉書コレクションより〈甲午四緑木星の歳(2014)〉 
 運勢学上の一年は立春から始まります。いよいよ本当の意味での今年・甲午四緑木星の歳がスタートします。(甲午歳の本年は、聖徳會も私も還暦を迎えます。) 本年の皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。/天の気「甲」は旧来の殻を破って出現した新たな芽。新たな周期の始まり、物事のスタートを意味します。地の気「午」は真夏の太陽。一日の中では真昼の太陽。午の刻は十一時~十三時の間、午は午前の突き当たり。午後へターニングポイントです。/甲午歳の行動指針は、『改革や新たな事を始めるときには事前事後の説明と周知徹底』『白黒を明確にして判断し、予期せぬ出来事に遭っても判断を誤らぬよう注意』『「悪貨は良貨を駆逐する」を肝に銘じ、内に芽生えた悪い芽を育てぬよう注意せよ』です。/そして人の気・四緑木星は「情報」「伝達」「信用」「調整」の星です。/今年は情報の選択と伝達、コミュニケーション能力がものを言う年。情報をきちんと伝え、しっかり受け取ることが大切です。今年は『万事に確認が不可欠、信用第一の姿勢で最後まで手抜かり無く仕上げる』『協調の相手、調整の方向を誤らぬよう注意し、上に立つ者はミスリードせぬよう注意する』ことが大切です。皆様の本年が佳き歳となりますようお祈りいたします。本年もよろしくお願い申し上げます。
*源さんの配布資料に「立春大吉コレクション」として、2009年から2014年までの立春大吉葉書の文面が紹介されていますが、ここでは紙面の都合上、本年2014年を収載しました。
                                        (レポート=小川益男 暦の会理事)