戻る


◆[第394回]暦の会レポート 


                                  平成26年4月26(土) 2時~4時
                                  会場=五反田文化会館 出席者=19名
          

テーマ【〝全勇勲「朝鮮における時憲暦の受容過程とその思想的背景〟について】
                            講師……………………藤田 喬道 先生


●中國王朝の被冊封国として、中国皇帝の与える暦書を受け入れ、朝鮮王朝における正朔としていた。
●朝鮮王朝第4代王の世宗大王の時代に、中國の授時暦をもとにして、朝鮮基準の暦法である「七政算内編」という暦法を構築。これにより、朝鮮王朝の自主的暦法体系は確立された。
●朝鮮王朝における暦書とは、冊封関係において受け入れるべき正朔と、国内において自ら製作すべき正朔という二つの意味を持つものであった。
●中國の清王朝時代に登場した「時憲暦」に合わせ、朝鮮王朝でも孝宗5年(1654)、改暦が行われた。しかし、被冊封国であったため、時憲暦法に〈関する全般的な知識を学習すること自体が清に禁じられ、清欽天監のイエスズ会士または中国人天文学者の指導も公式には受けられず、完全な運用までに100年かかった。
●正祖6年(1782)には、「千歳暦」が刊行された。

*論文全文の入手先(URL)
    京都大学発行「東方學報」(2009),84:302-281より
    〈URL〉 http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/134678
(以上、藤田喬道先生の資料より)

■[江戸時代の暦 復元ワークショップ]作業
 6月の暦の会までに復元作業を試みていただくために、岡田会長より「天保十五年」および「天保十六年」のコピー一式と、その読み解きを記録するための原稿用紙のコピー見本が配布されました。
                                        (レポート=小川益男 暦の会理事)