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◆[第397回]暦の会例会レポート


                                 平成26年9月27(土) 2時~4時
                                 五反田文化会館2階 出席者=26名
          

[テーマ]〝「午前12時は夜中か」と問われて、戸惑うのはなぜか〟
       ――[幻想の24時]第1部「0字の時計の話」と第2部「零の発見の謎」をもとに―― 

[講 師] ………………………………………………安藤 隆雄氏 

◎〈「午前12時は夜中か昼間か」と問われると、答えはだいたい半々に分かれる。しかし、「午前0時は夜中か昼間か」と聞かれても戸惑う人はいないだろう。「12時と0時は一緒で、12の陰に0が隠れている」と説明されると、「そうかな」と思われるかもしれないが、本当にそうだろうか。〉
講師の安藤さんは、こうした問題を10年以上追いかけてこられ、その研究成果を『0字の時計の話』と『零の発見の謎』という2冊の本にまとめられた(ちなみに、この2冊は第16回自費出版文化賞の研究評論文部門で入選)。本書は以前から暦の会会場で会員に無料でご提供下さり、本日もお持ちでない会員にとわざわざご持参下さった。
 その2冊の本を参照しつつ、また、以下のレジメ項目に沿いながら、[時計の文字盤になぜ0がないのか、なぜ「0字の時計」が見つからないのか][時計ってホントに12進法なの?][クイズ=1日に終りはあるか?][「幻想の24時]から「幻想の12時」を知る][零時の鐘を聴いた詩人―喜志邦三詩集『零時零秒』][大正9年の「0字の時計][お昼の12:00(正午)は午前か午後か?][太政官布告の疑問点・問題点][「新旧時刻の対比表」の修正を考える][算盤の「五つ珠」から「四つ珠」への切換りと「12字の時計」から「0字の時計」への切換えは数学的に同類ではないか][アナログ時計とデジタル時計][「始まりの時計」と「終りの時計」][岩波新書『零の発見』(昭和14年刊)の謎]……などなど、たいへん興味深いお話がたっぷりで、あっという間の80分でした。

                      *        *        *

◎講師の安藤さんのご友人が5人ほどご参加下さるとのことで、会場がいつもの1階でなく2階の狭い会議室ゆえ、席に不足がしないかと心配でしたが、幸いにピッタリ満席で、ほっと胸をなでおろしました。
◎冒頭で、小川から、岡田先生は体調が今一つで、現在はご自宅で療養をなさっておられ、皆さんによろしくと申しつかった旨をお伝えしたところ、会後に会員諸氏から、早くお元気になられて、また先生とお目にかかれる日が楽しみです、と口々にお見舞いと励ましのお言葉を戴きましたので、岡田先生にお伝えすることを約しました。

                                        (レポート=小川益男 暦の会理事)