キャリアな女のためのアメリカ大学院留学ガイド 22



アメリカの生活あれこれ 3

 

サマーインターン

 

話が前後するようだが、アメリカの大学院を選ぶ理由のひとつに長い夏休みがある。大学院の修士の場合2年間だが、一年目の終わりに長い夏休みを経験することになる。この間にいろいろなことができるのがアメリカ大学院のよいところである。

 

アメリカは(多分欧州の多くの国も)はセメスター制である。秋学期が9月からクリスマス前まで約3ヶ月半、春学期が正月明けから4月末までで同じく3ヶ月半である(大学によってちょっと違ったりすることはあるけれど・・)。そして5月から9月までが夏休み。卒業生は5月にコメンスメントがあるがこの話はまた別の機会にしよう。

 

この長い夏休みは、学生にとっても教員にとっても大変貴重である。学生は、この期間に他大学の集中講義を受けたり、場合によっては他国で調査研究をしたりすることができる。また、多くの学生はこの時期にインターンを経験する。たとえば国連職員を希望している学生は、この夏に国連でインターンをするのはスタンダードな道である。この点、日本の学生は不利だと思う。なにしろ日本の大学の夏休みは、他国の夏休みがそろそろ終わろうかという8月すぎから正味一か月程度のことなのだ。おちついて、なにか新しいことを思いついたり始めたりできるような時間はないし、インターンだって、出来たとしても短すぎて遊びのレベルである。在学期間中大学に縛り付けられる印象だ。国連職員を将来の選択肢として考えているなら、あるいは複数の国で調査研究をしたいと考えるなら、もちろん国内にもふさわしい大学はあるものの、どうしても海外のほうが有利であることは知っておいた方がいい。

 

教員もアメリカなら夏に他大学で集中講義を持ったり、外国に研究に行ったりする。国際学会もたくさんある。長い休みの間に研究に集中するのは研究者にとって大事なことである。日本の大学にいる研究者が海外に比べてcitation とかでもうひとつ振るわないのは、そもそも夏休みがないからじゃなかろうかと思ったりしている。研究のための時間というのは不思議なもので、真ん中で半分に切ると、それぞれの断片は半分以下になる。日本には3月中旬から4月頭にかけて中途半端な休みがあるので、年間トータルでは1ヵ月以上の休みがある勘定にはなる。だが、それぞれに短いので使い勝手が悪い。4ヶ月と3週間では違って当然、というか2−3週間では、休憩だけで終わってしまう可能性が高い。国際学会も学期の真最中の5月とか6月に多いので日本人には負担が大きい。

 

しかも、文部科学省の方針で、もともと短い夏休みがいっそう短くなるトレンドである。

 

最近(2010年、もしかしたら予算年度は2009年?)、文部科学省が某大学とのジョイントで、研究者がどんなところから独創性のある研究のヒントをひねり出したのかというアンケートを実施していたが(このアンケートがむやみに長くてまいった^^;)、このようなアンケートに貴重な税金を使うより、国際水準の夏休みを確保できるように、大学スケジュールの国際化も検討に値するのではないかと思うのである。

 

20117月追記:東大が秋入学を検討しているとのニュース。入学時期だけなのか、全体のスケジュールが国際化するのかは不明。後者なら、優れた学生を世界中から呼び込むきっかけになるだろう。あとネックは大学院の授業をすべて英語で提供できるかどうか、といったところか。

 

 

カウンセラーへの長い旅―四十歳からのアメリカ留学

カウンセラーへの長い旅―四十歳からのアメリカ留学
(2009/06)
 向後 善之


 

 

      

 

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