キャリアな女のためのアメリカ大学院留学ガイド 7



留学の準備 

 

成績証明

日本人には、「日本は学歴社会だ」と思っている人がいる。そういう人はアメリカは違うだろうと思っているかもしれないが、アメリカは日本以上に「高度な」学歴社会である。たとえば、大学や学会の正式な行事には学位をあらわすガウンで参加することになっているが、これは出身大学のものを着用するのが決まりだ。つまり、たとえばNY州立大学の教授が同大学の卒業式に出席する場合であっても、ハーバード出身ならハーバードのガウンで参加するのが決まりなのである。ガウンは大学ごと、学位ごとに異なっている。だから参加者のガウンをみれば、出身大学と最終学歴が一目でわかる仕組みになっている。

大学の入学のときもそうだ。日本では一般入試の場合は、内申書はほとんど問題にしない(本当である)。事実上試験だけで決まっているといっていい。だから高校の成績がかなりでたらめでも、試験でがんばりさえすれば過去をすべて水にながして一発逆転が可能である。ところがアメリカでは、一つ前の教育機関でのGPA(grade point average: 成績)や推薦状が非常に大きなウェイトを占める。アメリカでは過去は簡単にはチャラにできないのである。就職のときもそうである。よい推薦状が得られなければ、よい就職などない。だから、大学のなかでの学生の態度もいつも真剣である。

彼らの「学歴主義」は相手の歴史に対する尊敬の表現であると思う。学歴・履歴はその人の歩んできた道の記録である。簡単には取得できない学歴を持っていれば、それはその人が過去において相当の努力をした、あるいは実力があったということの一つの証明であり、実績として素直に尊敬される。相手を尊敬するということは、相手の歴史のすべてに対して尊敬を示すことであり、また相手を教育した教育者に対して尊敬を示すことであるというアイディアなのだろう。相手の履歴・経歴を問わないというのは、逆に相手の過去、つまりその人を形作った歴史に対して失礼ということになるのかもしれない。相手の過去なんか問わないというもの愛なら、過去を全部引き受けるもの愛^0^。どちらが優れているということではないと思うが、とにかくアメリカでは学歴も含めて個人の歴史は大事にされる。

というわけで、アメリカの大学院に行くのには、出身大学の成績証明が重要となる。出身大学にたのめば英語版を出してくれるので、それを提出しよう。それは簡単なのだが、問題は中身。有名大学ならGPAで3.5くらいはほしいところだ(A(優)=4、B(良)=3、C(可)=2で換算。ただし、英語と体育は除くのが普通)。 普通の大学でも3.0は必要。これ以下の人は大学からやりなおすか(4年間やる必要はないが)、ランクの低い院に一年通って、そこでそれなりの成績を上げてから目的の大学に入りなおすしかない。

 

日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。
(2013/04/24)
太田英基

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