ズームインスーパーで放映された部分

                               2002.5.20 日本テレビ



レポーター:伊福部昭さんが、今でも私たちの心に残る、ゴジラ音楽の誕生秘話を語ってくれました。
当時誰も挑戦したことがない怪獣映画だっただけに、苦労は尽きなかったそうです。


伊福部さん:え〜、こっちで(指揮)棒を入れても、その通りにならないんですね。

普段優雅な曲を演奏していたオーケストラのメンバーは、怪獣のイメージに合う激しい音を出してくれなかったんです。そこで伊福部さんは、秘策を思いつきました。
ゴジラの迫力を肌で感じてもらうために、録音の時にはスクリーンに映画を映し出しながら演奏してもらったんです。


相当汚い音を出しても、力を出して欲しい時には出してくれる。
メンバーが(映画に)喜んでやってくれますので、見せるのと見せないのとでは大変な違い。

さらに伊福部さんは、音楽だけでなく、ゴジラの鳴き声も作っていたんです。


おそらく、まぁ〜動物の声をということで、えあの、上野の動物園の許可を得て鳴き声をたくさんあの、とってきたんですね。

しかし、

だいたいゴジラに合わないですね。

実際の動物の声では未知の生物の声にはならない。伊福部さんは、さんざん悩んだ挙句、ついにひらめきました。

なんと、低い音が出る楽器、コントラバスをバラバラにし、糸をぎゅうぎゅうと引っ張ってみたんです。
(効果音:コントラバスから出た音2回。)
これに電動ノコギリなどの音を加えて、さらに回転数を変えてあのゴジラの鳴き声ができたんです。


アメリカからアメリカ製のゴジラがあ〜来ましたけど、それも聞いたら、何かもう同じ音を使っているように私には思えましたけど。外部の人にもやっぱり、え〜かなり似つかわしい音だと思っておられるのかなぁというふうに、え〜、は思いましたけどねぇ。


伊福部さんが作った映画音楽というのは、ゴジラシリーズだけではなくて、300作品以上実はあるんです。大魔人ですとか座等市、眠り狂四郎、ビルマの竪琴など、名作もホントに数多くありまして、まさに音楽で日本映画を支えてきた方なのかなぁと(思うの)ですねぇ。