Merodic Metal Dream Vol.1

5/7(金)  渋谷ON-AIR EAST


今夜は、キングレコード主催のMerodic Metal Dream Vol.1と称して、Ark Storm、Dreamaker、Labyrinthが出演した。


【ARK STORM】
まずArk Stormが演奏した。
太田カツのまるきしイングウェイ・マルムスティーンなギターの凄さは、噂に違わないものだった。
使用しているギターは、インギーと同じ、クリーム色のストラトキャスター。レザーのパンツに先の尖ったブーツ。それに長い黒ノジャケットを着て、いでだちもインギーそっくりだった。髪型だってむろん同じ!
繰り出すサウンドは、インスパイアされたというより、インギーに近づきたい、同じになりたいの気持ちを滲み出す同系等のサウンドだった。
うん、インギーの持つネオクラシカルなフレーズはそのままだし、流麗で多彩なテクニックに裏打ちされた早弾きは驚嘆ものだった。ボディアクションだって似せちゃう。まるでインギーそのものでした。
ただし、悲しいかな、カツ氏は背が高くない。インギーは大きいから、どうしてもインギーのミニチュアに思えてしまうのだ。
小さいからだでけなげにインギーを模しているとさえ感じてしまった。
上から見ているので、さらに上下が圧縮されてますます小さく見える。
テクニックは最高級なので、それが残念だった。せめて外見だけでもカツ氏オリジナルを打ち出せばこうは感じないのだが。。
とはいえ、鬼気迫る迫力の演奏は、あっという間に終わってしまった。事実、4曲ほどで短かった。
シールドをつけたままなので、動きに制約が出るが、サウンドを重視するために敢えてシールドをつけるといったこだわりがあるようだ。当然音は良かった。
ボーカルの佐々井氏は、地声からしてきれい。声もきれい。なのに高音はパワフルだった。その実力は想像以上だった。
ベーシストは長身で金髪で顔もよく、完全にカツ氏を食っていた。やっぱりライブは見た目も大切よね。6弦ベースを器用にこなしていた。頭を振るからカッコいいわぁ〜〜!!


【DREAMAKER】
続くDreamakerは、ダーク・ムーアからボーカルのエリサ嬢と、ギターのアルベルト、ドラムのホルヘが脱退して作ったスペインのバンドだ。
前々からエリサ嬢の歌い方は、語尾を半音下げるような甘ったるい歌い方であまり好きじゃなかった。
その歌い方のせいで、うまいのかヘタなのかわからないでいた。
結果。。。うまかった!!!
高音がブレずによく声が出ていた。
しっかしなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜。はぁ〜〜〜〜。
そうなの、ちとばかりルックスが。。ちょっとばかりじゃないか。^^;
メンバーが出てきて演奏したあと、期待を持たせてボーカリストが登場するでしょ、今回もそうだったのだが。。。
うっそぉ〜〜!!エリサってばデブだぁぁぁ〜〜〜!!
アン・ウィルソンやラナ・レーンといい勝負だ。
顔が割ときれいで丸くはないから騙されていたわ。太ってないと声がよく出ないのかなぁ???
黒のタンクトップに黒のたっぷりめのパンツをぴっちりと穿いていた。胸には「日本」の文字。(やめてくれぇぇ〜〜!)全体的にメタル系のカッコだった。
よく見ると、他のメンバーだってぷっくりしているぞっ!!
ギタリストのアルベルトなんて、ティモ・トルキをわずかに細くしたくらいだ。ベーシストはおなかが出ているぞっ!!
反面、もうひとりのギタリストの弱冠17歳か18歳のマティアスは細すぎて貧弱に感じたほどだった。顔はどう見ても25歳を下らないのだが。。う〜ん、外人はわからん!!そのマティアスは、ジャクソンのランディ・ローズモデルと思われる、個性的なギターを使っていた。

サウンドはしっかりしてるし、エリサがダーク・ムーアよりもストレートなロックをやりたいってことで結成したDreamakerなので、小気味良い音を聴かせてくれたのだが、どうもそのルックスに目が行ってしまって。。
唯一カッコいいかなと思われたキーボードは、いつの間にかTシャツを脱いでいたようで。。左上腕に何やら漢字が。。上の“金”は読めるのだが、下の文字が“鳥”なんだか“馬”なんだか。金鳥ならわかるが(蚊取りマットかい!)金馬ってなんだ??
エリサはデス声まで発してがんばっていた。日本語が上手で、投げキッスも送っていた。でも、ぞぞぉ〜〜と感じて。。

演奏された曲は、Without Angels、Enemy、Eternal Love ってところでしょうか。
日本国旗が突然現れて、それをエリサはマント代わりにしていた。なのに、途中で前に回り。。。エプロンに見えたなら良かったんだが、あれじゃ、まるで、まるで、“腹がけ”だぁ〜〜っ!!!


【LABYRINTH】
さて、いよいよLabyrinthの登場だ。
私は絶対に4thのオープニングのThe Prophetで始まると思っていたが、意外やSynthetic Paradiseで始まった。
まぁ、そんなことはどうでもいい、彼らのパワフルで正確な演奏には圧倒された。
まず目を引いたのが、彼らのルックス。Andrea Cantarelliとサポート・ギタリストのPier Gonellaのギタリスト二人と、ベーシストのCristiano Bertocchi が細い、足が長い!!こんなにカッコいいとは反則だぁ〜!(^^)
長い髪を振り回してのギターは壮観だった。
時折3人が並び、頭を振りながらの演奏がまた楽しそうで良かった。ビミョーに頭を振るタイミングが違っていたが、たまにぴったり合うとおおっと思わず歓声をあげたくなる。
私は失礼ながら、アンドレアはそんなにカッコ良いとは思ってなかった(ジャケ写真でも困ったような顔してるし〜)が、ギターを弾かせると実にカッコいいではないか!微笑をたたえながら、ゆっくりと動き回るさまは、X脚のきれいな足もあって、優美で上品で女性的でもあった。絵になるよぉ!

そんな中に登場するロブ・タイラントの迫力満点の声!!彼のシャウトには驚くばかりだった。
声にツヤがあってよく伸び、非常にうまいボーカリストだが、あのシャウト、どこまでも高みに登りつめるシャウトには「すごい。。」と無意識につぶやいてしまうほどだった。

さて、ライブ2曲目は『Livin' In A Maze』だが、初めからロブはサビの「♪No pain livin' in a maze〜」を観客に歌わせていた。こんな時間からかい?とちょっと思ったが、一緒に歌えば一体感を感じるのだった。
注目のギタリスト二人、どっちがリフでどっちがリードかと思っていたが、なんと交互にとっていたのだった。
アンドレアは、オラフ・トーセンが脱退する前まではずっとリズムギターだったが、脱退後はリードもとるようになった。アンドレアのリードは、攻撃的でマニアックで斬新なので、ずっとリードだろうと思っていたが、サポート・メンバーのPierにも弾かせてしまうのは、リフを弾くのも好きってことなんだろう。ラビリンスのリフはよく聴くと複雑で細かいこだわりを感じるので、これはこれでいい。

3曲目はセカンドからMoonlightだった。
情緒的な部分とハードさを併せ持つMoonlightは、セカンドの中で私が一番好きな曲だ。

4曲目はよくわかんなかったが、5曲目が期待の『The Prophet』だった。
しっかし、バスドラの音がやけに大きくて、せっかくの感動的なギターのイントロがよくわからないありさま。
なんでこんなに重低音を大きくする必要があるんだろう?そりゃぁ家ではこんな迫力サウンドは聴けないが、ギターの音色が聴き取れないんじゃやりすぎってもんじゃないのか??

さあ、こう感じてしまっては大変だ。ライブを楽しめなくなってしまう。
続く曲を聴いても、演奏はとっても良いが、サウンドのバランスが悪いのが気になっていた。
何よりも、ギターの細部の音が潰れて拾えなくてイラついていた。ツインリードの部分が(あったとしたら)全くわからんぞ!
それにシンフォニックなキーボードの音は、まるっきり聴き取れなかった。

それを解消したのが、なんとあの名曲、「ハイウェイ・スター」だ!
よくジョークでかつての名曲をさわりだけやるのはよくあるが、今回はフルで演奏してしまった。
ロブの呆れるほどパワフルなシャウトは、イアン・ギランの上を行く。声質はギランよりも好み♪ ってことで、ラビリンス版ハイウェイ・スターはノリノリとなったのだった。
踊って歌って首振って、大変だった。
キーボードソロはAndrea "Mc" De Paoliが無難にこなし、さて、リッチーのソロは誰が弾くかと思ったら、なんとPierだった。う〜ん、やっぱり残念。アンドレアのソロが聴きたかったよ〜。
リッチーの早弾きは超早いと思っていたが、難なく弾いてた。そればかりか、他のフレーズが複雑だったりするので、ハイウェイ・スターのソロが単純なように思えてしまったのだ。時代は進化を遂げているんだなぁ〜。(しみじみ)

ところで、ロブはアーミー調のパンツと編み上げのブーツを履いており、ちょっとまわりから浮いていた。他のメンバーは、いかにもROCKやってますって感じだったからだ。髪型だって、サイドを後ろで留めており、剃り込みが際立っていた。ロブくん、君は剃り込みを見せない方がいいと思うよ。^^;
でも、その意味不明なカッコはJust Soldier[Slay Down]で理由がわかった。彼はアーミー調なヘルメットをつけ、顔を黒くペイントして登場したからだ。その曲に合わせてのカッコだったのね。
曲の最後でギターをこすって音を上げていく場面があるのだが、Pierはそれをキーボードのアンドレアに弦を触らせて演奏していた。Pierがまるでギターとアンドレアを抱えている様相だ。いやぁ〜、とっても楽しそう!!
そうなんだ、ラビリンスのライブはメンバー達が楽しんで演奏しているのがひしひしと伝わってくるのだ。頭を振っているのだって、自然に体が動いてしまっているように思える。演奏しながらメンバーの所へ行き、笑顔でコミュニケーションを取っている場面がよくあった。

『Lady Lost In Time』では、冒頭のスローな場面でロブが情感を込めて歌い、あらためて歌がうまいと再認識!
もちろん観客も大合唱だ。
全体的にスピード・チューンが多い中で、いいアクセントになっていた。
ギター類はすべてワイヤレス。なので、ボーカルだけでなく、ギタリスト、ベーシストはステージ上を動き回り、まんべんなく右や左に出没してとても良かった。だけどね、2階にも観客はいるの。ちょっとは見てね♪
たった1回だったけれど、ロブが2階席を左から右へずらっと見渡したことがあった。やっと視野に入ったよ〜とうれしかったわぁ。

2階といえば、メンバーの表情はよくわからないが、足元はよく見える。
アンドレアがペダルを踏むのもよく見えた。
彼はギターソロになると、左のペダルを踏んでいた。あれは、音を大きくするのかマイルドにするかなんだろう。
そのギターソロが終わると、タイミングを見計らって真ん中のペダルを踏んでいた。
また、ロブがガムテープつきのハイウェイ・スターの歌詞を書いた紙を踏んでしまい、手ではがしたものの、一部はずっと貼りついたままだった。彼は初めのうちは気にして、移動の時は、目立たないようにガムテープのついた足は引きずるように歩いていたが、だんだんと気にならなくなっていった。その微妙な変化がおもしろかった。
だけど、アンコールで引っ込んでも紙のついた足はそのまんま。いいのか??
物事を気にしないラテンの血のせいなのか??
ちっとも取れない紙きれに、笑いが止まらなかった。

アンコールは、尊敬しているアーチストってことで、ゲストが参加した。スキンヘッドのおじさまだった。ボゾって言ったような言わなかったような。
彼はベースを掛け、「サッカー日本代表のために!」ってことで、「Victory(多分)」を歌った。
いやぁ〜、単純な曲でわかりやすくていいや。ニッポン、ニッポン、ニッポンと連呼したあと、ヴィクトリーって歌ってた。
私も、この歌さえ歌えばワールドカップに出場できるような気がして(なんせイタリア人が応援してくれる)、死ぬ気になって歌ったよ。
会場じゅう、もうノリノリ。ロブも両手を挙げ、手を打ち鳴らしてノらせる、ノらせる!!まさか、こんな曲で一体になると思わなかったが、最高潮に達したのは紛れもない事実。そうだ、行けぇぇ〜と拳だって振り上げた。
彼らはライブバンドと言われるが、こうも質の高いライブを聴かせてくれるとは、期待以上だった。
何よりも、ルックスが期待の遥か上っ!!!!観客をノらせる術も知っているし、こなれてる感じだった。

来年も来てくれるとかで、楽しみだ。
そしたら、今度は単独でライブをやってほしい。
そして、ソロをたっぷりとやってほしい、観客との掛け合いをやってほしい、ギターの掛け合いをやってほしい。
何よりも、重低音を減らしてクリアなサウンドで聴かせてほしい〜〜〜〜〜っ!!!!


セットリスト(よそからのパクリ)

ARK STROM

1.Ark Storm
2.Only Time Will Last
3.Play For You
4.(New Song)

DREAMAKER

1.Eternal Love
2.Killing
3.Nightmares Factory
4.Without Angels
5.Key Solo〜Forever In Your Arms
6.Enemy
7.Silver Lake(DARK MOOR)
8.METALLICA Medley
Master Of Puppets〜One〜Creeping Death
9.Welcome To My Hell

LABYRINTH

1.Synthetic Paradise
2.Livin' In A Maze
3.Moonlight
4.Piece Of Time
5.The Prophet
6.This World
7.Chapter I
8.Highway Star(DEEP PURPLE)
9.Just Soldier(Stay Down)
10.Neverending Rest
11.Lady Lost In Time
12.Slave To The Night
13.Thunder

Encore
14.???(Special Guest-Alberto Contini FROM BULLDOZER)