横浜FマリノスVSレッジーナ フレンドリーマッチ

                        8/8 19:00〜 横浜国立競技場





アジア杯優勝の栄光が前夜のことなのに、俊輔は真夏の暑いこの日もピッチに立った。

疲れは当然残っているはずだ。

体はもう既にボロボロ、ガタガタのはず。
なのに、そんな体にムチ打って、俊輔はこの日もグラウンドを翔けていた。

何が俊輔を走らせているのか?
アジア杯MVPというプライドなのか、俊輔をメインにしたフレンドリーマッチのせいなのか、セリエAの開幕が近いため、コンビを合わせなきゃならないためなのか??
普通の精神力じゃできないことを、俊輔はやってのけたのだ。

大変そうとは言え、ファンとしては、俊輔を生で見られることを幸せに思っていた。
ジア杯で威力を見せ付けたセットプレーは、この日も見られるのか??


試合は、マリノスが連携の良さを見せ付けて、2-1で勝利した。
コンビネーションがいいし、動きに連動性がある。
レッジーナは、個人レベルの身体能力は高いと思えるが、カバーリングが遅いというか、寄せが甘いように感じられた。
現在行われている五輪代表の日本対イタリアで見られた、イタリアの速いプレスは、レッジーナからは見受けられなかった。
あの一瞬の速さ、寄せのチェックの厳しさは、ある一定のレベルにあるチームでないと期待できないのだろうか?
そう思うと少し悲しくなった。
が、なんと言っても、まだ練習を積む時間はある。体を当てていくプレーは、イタリアならでは、伝統的に強いようだ。個人の能力は悪くないに違いない。

とある海外サッカーの試合を見ていたら、『うまいチームというのは、選手個人のプレーに必ずアイディアがある』と解説者が言っていた。
『ワンタッチ、あるいはツータッチでもう次のパスの出しどころが決まっている』ってことだ。選手個々のレベルで“ひらめき”を感じ、あるいは感じ取り、それがプレーに反映し、観客を魅了するんだろう。

さて、俊輔である。
この日も再三いいプレースキックを見せて、チャンスを創り出していた。
CKやFKのたびに、まばゆいばかりのフラッシュを浴びていた。
流れの中でも、俊輔が駆け抜けてボールを追ってキックをした時はチャンスになった。
やっぱり俊輔には、マークの甘い場所でのパス出しだけでなく、自分がひとりかわした上でのスルーパスを期待したい。俊輔のキレなら、それが絶対にできるはずなんだから。
アジア杯では、守備に時間を割かれたので、なかなか突破ができなかった。
それは俊輔の守備的な意識の表れでもある。でもどうしても攻撃にからむ俊輔が見たい。

8/17付けのスポーツ新聞に俊輔の言葉が書かれていた。『パスの精度を上げることと、FWを追い抜く動きをもっと積極的にやらないといけない。』
前へ出る姿勢を見せようというのだ。

私は、俊輔はパサーとしてだけでなく、得点を狙えるアタッカーとしても並外れた能力の持ち主だと思っている。その証拠に、アジア杯のオマーン戦で、アウトサイドからシュート回転をかけたシュートが見事に決まった!!
もっとこの得点能力を生かしていいはずだ。

3期目を迎えるセリエA!!
まさに正念場だ。俊輔の活躍を願ってやまない。


←試合終了後、トラックを回ってファンに手を振る俊輔。マリノスのサポ席にタオルを投げ込んだ。グレーのハーフパンツに着替えていた。(ケータイで撮影している人が目立ちますね。(^^))

2004・8.17記