Rhapsody  
“Dragon Tour”
  

               2002.5.5  川崎クラブチッタ



セットリスト

1.Deadly Omen
2.In Tenebris
3.Knightrider Of Doom
4.Emerald Sward
5.March Of The Swordmaster
6.Land Of Immortals
7.Legendary Tales
8.Wisdom Of The King
9.Lamento Eroico
10.Holly Thunderforce
12.The Wizard's Last Rhymes

13.Lux Triumphans
14.D
awn Of Victory
15.Power Of The Dragonflame
16.Gargoyles, Angels Of Darkness  B.....and The Legend Ends....


(これ以外にも1〜2曲あります)




整理券の番号の割には、並ぶのが遅かったり、中でツアーパンフが売っていないかとうろうろしたおかげで、真ん中よりも後ろになってしまった。。
ああ、なんたる失態! でもまぁいいこととしよう! そんなことより、ライブを体感するのだぁぁぁ〜〜!

まず最初に現れたのが、ドイツ出身のエドガイ!!
私はメタル・アティチュードに入っているGolden Dawnしか知らないが、ボーカルの若そうなおにいさんは、根っから明るくて、こうしてライブで演奏できるのがうれしくてたまらないようだった。
最新作のタイトルナンバーのマンドレイクでは、まわりのノリがあまりにも良くて、つられて“オオオオオ〜〜”とか“マンドレイク〜ッ”と合唱してしまった。Wake Up Ten O'clockという曲があるのかどうかわからないが、そんな感じの曲や、ヴェイン・グローリー・オペラ からの曲とか合計7曲くらい、45分間やっていた。
スピーディーでずっと早弾きだった。
ボーカルはしっかり声を張り上げていて、観客との掛け合いでは、低音から高音まで、すごい音域だった。ギターはツインで、早弾きで聴かせる聴かせる。みんなこのエドガイをよく知っているのか、すごいノリだった。
前座でこんなに上手なバンドでラプソディは大丈夫なのかなぁ〜。私は余計な心配をしていた。

エドガイが終わり、幕が下り、待たなければならなくなった。
幕が押されていて、中で何かやっているとは思うけれど、なかなか始まらないのよね〜。まわりでは新メンバーのドラゴンを用意しているんだぁ〜と口々に話していた。どーでもいいけど、早くやってくれぇ〜。立見はツライぞっ!!


20分以上待たされて、会場が暗転した。
ウォ〜〜〜ッ!!ものすごい熱気だ。ホールとは比べようもない、ライブハウスでの異様な熱気!!
みんな、エドガイが好きなのかと思ったけれど、それ以上にラプソディが好きなんじゃない!
その熱気の中、幕が上がり、4枚目のピアノをフューチャーした静かな「Deadly Omen」の小曲が流れてきた。
おおっ、このセットは!! ドラゴンはいなかったけれど、5枚目のアルバムのドラゴンのジャケを背景に、古城の城壁のようなれんが作りの壁が両側にある。しかも、おのおのには、人が通れるくらいのアーチがあった!それが溢れんばかりのスモークに紫色の照明が照らされて、中世的な神秘的で幽玄な世界を作り出していた。

そんなセットにあっけに取られていると、物語の進行役とも言える長老が登場して、語りを始めた。おおっ、この長老もライブに出てくるとは思わなかったわぁ〜。
すると曲が5thの1曲目、「In Tenebris」に変わった。
“Tenebra, tenebra... domina!・・・”
おおっ、みんないきなり歌い始めた。もう、どーしていいのかわからないほど感動して、歌詞がわからないながらも、私もテキトーに歌った。なんて劇的なんだろう!そこらじゅうに上がる拳と歓声!!その場の空気が一気に変わった。
それがそのまま「Knightrider Of Doom」に続くと、その攻撃的で圧倒的に正確無比なサウンドに圧倒された。
ボーカルのファビオってすごい!すごすぎる!! 声量と音程の確かさがありながら、情感を込めた感動的な歌いっぷりに、魂が奥底から揺さぶられるようだ。しかも、髪型とボーカルスタイルと両手でマイクを持つ姿は、ロニー・ジェームズ・ディオそのものである!あのガッツのある歌声を彷彿させるのだ。それも私にとっては感動につながる。そういや、レインボーのセカンドのスターゲイザーを進化させれば、ラプソディに似てくるかもしれない。
一番心配したのが、オペラのようなコーラス部分だ。ツアーに専門メンバーを入れられるとは思えなかったので、そこはメンバーみんなでカバーするのかと思ったいたが、な、なんと、観客席が一体となってコーラス部分を歌っていたのである!
なんでこんなに歌えるの〜〜!私は歌詞をちゃんと覚えていなかったのを悔やんだが、どーせ私の歌なんか誰も気に留めないと思い、でたらめにテキトーに歌い始めた。するとどうだろう、自分がまるでライブのコーラスの一員となったかのような高揚気分を味わえるではないか! 照明もコーラスの部分になると、観客席を照らし出す。それぇ〜〜!みんな歌うんだぁ〜〜!!とでも言うかのように。見事な演出だった。

観客席は、もう興奮しきっていて、声はあげるわ、手を振り上げるわ、頭を振りまくるわ、小刻みに揺れるわだった。
ここはマリノスのサポーター席なのか?(^^) ものすごいエネルギーの放出に、最後までもつのかと心配したほどだった。

4曲目のMarchi Of the Swordmasterには、古楽器を吹く男の人が登場した。人の頭でよく見えないが、あれはアイルランドの楽器のティン・ホイッスルかもしれない。7曲目のLegendary Talesにも登場したが、その歴史を刻むような重みとはかなさを併せ持つその音色は、古来の人々の息づかいが聞こえるようで、神妙な気持ちになれた。
ほかにも、アルトのリコーダーと思われる楽器が使われた。(ううっ、どの曲だったか覚えてないよぉ〜〜)そのように、ゲストミュージシャンを登場させて、曲に深みを与えてくれるのがうれしい。
ゲストといえば、サイドギターに、髪のうすいおにぃ〜ちゃんが参加していた。あれは誰なんだろう、サポートメンバーかなと思ったが、もしかしたらエドガイのサイドのギタリストかもしれない。
各曲の盛り上がる部分では、ストロボが点滅していて、さらにボルテージは上がった。あんな光の洪水の中、ラプソディのメンバーはよく弾けるわぁ〜と感心することしきり。

中盤までは、前にいる人の頭で、メンバーの様子がほとんどわからなかった。そのため、ギターのルカを見たかったが、さっぱりわからなかった。
それが! 心の中の、“もうっ、見えないじゃない!そこの背の高いの、さっさと帰れ!!”の願い(?)が通じたのか(ごめ〜ん、私ったらひどいヤツですよね^^;)、なんと前にいる人が2人帰った。これ幸いと、私はさっさと空いた所に入った。そこの方がよく見えて、ひとり見るのがやっとだったのが、ふたり見えるようになった。さらにもうひとり帰って。。
やったぁ〜!、ルカの腰から上が見える!!ストラトキャスターを持っていたんだぁ〜!!
彼は、演奏しながらネックを立てたりする。左腕をいっぱいに伸ばしたところまで立てる。そうしたポーズで早弾きをしたり、リフを弾いたりする。そして決めのフレーズを弾いたあとは、右手を前へ突き出す!! ポーズはものすごく決まっているのだが、割と小柄だし、髪型が女性っぽいから、とってもかわいく見えるのよ〜。
さらに、ギタープレイが少しでも休みになると、両手を振って、拍手をせがむ。その時が笑顔なのよね〜。ああ〜っ、とってもかわいいわぁ〜。ジャケの勇敢で気迫に満ちた顔がウソみたいだわ。
あっ、すみません、ついミーハーで。(((((((;^▽^)

全体的に、スピーディーでヘヴィーな曲が多かった。アルバムでは、それが続くとツラいが、ライブでは多くてもかまわない。その方がノレるからだ。
1曲が終わるごとに、ファビオは「アリガト、カワサキ、ト-キョー」と言っていた。最初のうちは、「カワサキは東京じゃねぇ!」とツッコミを入れる人もいたが、毎回なのでそのうちあきらめていた。^^; そう感謝する丁寧な対応にはうれしくなった。でもね、曲の最後のフレーズで「アリガト、カワサキ、ト-キョー」と歌うのはやめてほしかったわぁ〜。がくっときた。

エドガイと同じように、観客席との掛け合いがあった。ファビオは、そこでむずかしいメロディ連発をしたので、観客泣かせだった。半音落とすようなの、ワタシには無理だぁ〜〜!!

ヘヴィーな曲が続いたあと、ファビオが「これは母国のイタリア語です。とっても重要な曲です。」と言って、Lamento Eroicoを歌った。これがまた素晴らしいんだわぁ〜! バラードなのだが、朗々と高らかに堂々と、戦士の苦悩を表現して、見事にファビオは歌いきったのだ!! 高音はオペラ歌手のように美声を張り上げ、イタリアのグループであることを強烈にアピールしていた。
涙が出そうなくらい感動した。今夜はこれを聴けて良かった。ホントに素晴らしい歌声だった。

終わりの曲は、ドボルザークの「新世界」をアレンジしたThe Wizard's Last Rhymesだった。
“This is the last song....”と告げた時の、ブーイングのすごかったことたら!もちろん私もブーイングだぁ〜!!
そうやって、演奏に見とれて聴き惚れていると、みるみる時間は過ぎていく。前座が入った分、演奏時間は短いのだろう。いつかは終わってしまう無念さを感じさせつつ、一区切りつけた。


アンコールが始まるまでは、5分程度だったのかも知れないが、めっちゃ長く感じた。
そして、3枚目のDawn Of Victoryの序章である「Lux Triumphans」が始まり、メンバーが登場すると、またものすごい興奮が会場を包んだ。スピーディーで攻撃的な曲を2曲続けたあとは、Rhapsodyの言う氷の戦士の物語の最終決着ソングである“Gargoyles, Angels Of Darkness"の最終章、Bの“...and the legend ends...”に自然と流れていった。
この曲は、長老のナレーションと演奏が渾然一体となった、素晴らしくてわけのわからない曲である。
それが。。。ああっ、文章で表現するには力量不足だぁ〜。ごめんなさい、うまく伝えられない。。。
ともかく、曲の終盤のヤマ場になると、セットの左の城壁のアーチから長老が登場し、ナレーションを始めた。CDの通りの展開だ。次に。。なんてことだろう、右の城壁のアーチから女神なのか、女王なのか、白いローマ帝国風の衣装を纏った女性が、手にエメラルドソードを携えてゆっくり前に進んできた。みんなはっと息を飲んで見つめていた。これから何が起きるんだろう!
そのエメラルドソードを長老が受け取りに行くと、彼はそれを両手に持って、ステージの中央にやってきた。ものすごい緊張感に包まれている。いったい何をするつもりなのか?
そして、そして、ナレーションと演奏が止まった。と、その瞬間、長老はエメラルドソードを上から一気にうち降ろし、地面に突き立てた!!
バァァァァ〜〜〜ン!!会場に響き渡る轟音と炸裂する光の見事な一体感!!
長老が伝説の剣、エメラルドソードを抹消した。これが物語の真の終結なのか??

そして、冒頭にも使われたエンディングに向かうテーマを演奏し、Rhapsodyの素晴らしい演奏は終わった。。。。


なんて内容凝縮のステージなんだろう。素晴らしい。素晴らしすぎる!!
メンバーは中央に集まり、挨拶をした。そして前列の人に握手をし、ステージを去っていった。
ステージが終わって会場に流れたのは、イタリア語で歌われる“Lamento eroico”の余韻を残す美しい歌声。。。勇者の嘆きが胸に染み渡ってくる。
もうこれで終わりなんだろうか? 観客は諦めきれずに、口々にRhapsodyの名を叫んでいた。
すると。。。信じられないことに、メンバーが戻ってきてくれた。多分、“もうちょっとだけ歌うよ、みんなもいっしょに歌ってくれないか”って感じで話したのだろう。、観客席にマイクを突き出し、歌わせるファビオ!! でも悲しいかな、イタリア語なので、みんなは歌いたいものの、声が出ない。ちょっとだけ胸の痛みを覚えたが、ファビオがマイクを自分に向け歌いだすと、そんなの消散した。また歌ってくれたという感動に変わっていった。


ありがとう、ファビオ、ルカ、アレックス。。。
今夜はものすごく感動したよ。ホントにありがとう!!