ストラトヴァリウス 
                           6月7日(土)新宿リキッドルーム

セットリスト

1. Eagle Heart
2. Find Your Own Voice
3 .Kiss Of Judas
4. Fantasia
5. Soul Of Vagabond
6. Father Time
7. 古い曲
8. 古い曲
9. Speed Of Light
  
Burn, Black Night, A Man On The Silver Mountain
10. Destiny
11. Foever
12. Stratofortress
13. Visions
14. Will The Sun Rise?

アンコール

15. 知らない曲
16. Foever Free
17. Hunting High And Low

アンコール

18.Black Diamond



今回の前振りは長いよ〜〜。

 前売り開始日の朝から待って買ったのに、既に整理番号は400番台!!ストラトヴァリウスの人気は、その時点でいやというほど思い知らされました。キャリアの長さもその理由だと思いますが、ストラトヴァリウスの何が多くのファンを惹きつけるのか、この目で確認しよう。

リキッドルームは、歌舞伎町のど真ん中に位置する、えらく緊張感を持たせるロケーションにあります。
が、意に反して客層は若くない。30過ぎたあたりが主流と見えました。そのため、なじんでしまった。。(*^^*)
ここでのドリンクは、ドラフトビール!缶ではなく、ちゃんと注いでくれるのがうれしいねっ!!

ライブにひとりで行くと、開演までの待ち時間が長くて、立ち見だと涙ぐましい根性で乗り切りました。
今日はね、同伴者がいるからうれしいな♪
けれど、開演前に流れる音楽によって、場の空気が変わってしまいました。
クラシックが薄く流れる中、音量が増したと思ったら、わけのわからない歌が流れてきました。
歌は声がひっくり返ったり、音程があやふやで、スタッフの誰かがふざけて歌ってるのかと思ったんです。曲はメンデルスゾーンの「真珠取りのタンゴ」のようでした。
それだけなら、まだ許してあげる。次に流れたのはご存知シューベルトの「野ばら」です。もちろんドイツ語。
これがね〜、早く始めないかなとワクワクした気持ちを削ぐ削ぐ!!
おっちゃんの歌は、力を抜きながら、高らかに鳴り響きます。
耳を傾けたくないのに、知ってる曲のため、悲しいかな、すっと頭に入り込んでしまう。
声がひっくり返るたびに、あちこちでため息が。早くやめないかなと思ってるのに、えんえんと呆れを通り越して堂々たる熱唱。
ああ、今日はこれで終わった。。。今後を悲観してしまう展開です。

メンバー登場!!


そんな諦めに似た気持ちを抱きながらも、開演の時間は迫ってきます。
そして6時を8分ほど過ぎたあたりでしょうか、会場が暗転し、人の気配を感じたら。。。
ウォ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!
ものすごい雄たけびが会場内にこだまし、後ろから観客が押してきました。
皆手を振り上げ、頭を振って踊ってます。
私はあっという間に連れと離れてしまい、右前方に押し流されてしまいました。満員電車のように、押されっぱなしです。
会場内、ものすごい熱気。そして、発する熱で実際暑い!!
みんな汗をかいているので、となりの人に触れるとベタベタします。気持ち良くないなぁ〜。
しょ〜がない、今日はここで楽しもう!!
連れが近くにいなくても、いいや!聴く時はひとりだっ!!

ノリが最高っ!!


さぁ、これからが本内容です。
またもや前置きが長くなっています。いけませんね、私のレビューは。
これもみんな、「野ばら」のせいだっ!(((((((((;^▽^)

1曲目は最新アルバム「Elements Pt.1」の第1曲目に収録されているEagleheartです。
のっけから熱血度100%!!
ティモ・トルキのギターに乗って、「オイ!オイ!オイ!オイ!オイ!オイ!オイ!オイ!」とリズム取りの大合奏です。
ギターは、紫色のESP。ヘッドが黒く、ボディにストラトヴァリウスのマークが白くペイントされてます。
黒い袖なしを着ているんですけど、頭にはなぜかニットの帽子が。。
暑いのに、かぶってるてことは。。気になるのかぁ?(何が?)

注目のイェンスは、キーが観客席に向かって傾いているという、珍しいキーボードでした。鍵盤の奥の部分が低く、手前が高くなっていました。
そのため、弾いている姿と指使いの両方が見られます。なんて素晴らしいんだぁぁ〜〜っ!!
早弾きはさすがです。手元を見ずに軽く弾いちゃうんだから、天才としか言いようがありません。

で、ボーカルのティモ・コティベルトです。
ティモ・トルキと名前が似ていて紛らわしいから、ティモ(小)としておこう。
ティモ・トルキ(ティモ(大))は熊さんみたいですが、こちらはやや小柄で、なびくブロンドに青い目でカッコいいです。

Eaglehartのサビの部分では、もちろん大合奏!!
ストラトヴァリウスは、ティモ(大)とイェンスのバンドだと思っていたのですが、それは大きな間違いでした。
ライブに関しては、完全にティモ(小)のバンドです。
CDでは、どちらかというと細くて頼りない声ですが、ライブでは細いのは変わりないんですが、パワーが加わってました。
会場を盛り上げるのも上手でした。そしてエモーショナルでうまいのなんのって!
両手を客席に差し出したり、マイクを突き出したりして、一緒に歌うことを要求します。
その仕草がとっても自然で貫禄があって、慣れていたのです。
 
続けざまに、ティモ(小)の言うところのFast Songが3曲連続して流れました。
彼らの演奏は完璧です。音のバランスが良く、歪みもありません。
メンバーそれぞれを見ていると、個性的なのがよくわかりました。
ティモ(小)は、会場とのコミュニケーションを取ろうと努力しているのがよくわかって好感が持てます。
イェンスは、演奏に合わせようと、ベースのヤリやドラムスのヨルグの顔をよく見てました。反対側に位置したティモ(大)のこともよく見てました。
なのに、ティモ(大)は、自分の演奏に酔いしれ、たまに目を閉じて弾いてました。完全なる自分の世界。
体が大きいためか、上半身がびくともせず、直立不動の姿勢で弾いていることもあり、安定感バツグンです。
動きはスローモーだけど、指はめちゃくちゃ速いです。
速さの中にも、チョーキングやヴィヴラートを利かす場面もあって、実にテクニカルです。リフは確実です。
 
期待以上だったのが、ドラムスのヨルグ・マイケルでした。
ダブルバスドラで、「Soul Of a Vababond」のような、ゆったりしたリズムの時は、左手を天井に向かってぴんと上げ、
そこから振り下ろすので、パワフルで音がとっても大きかったです。
パワフルでもあるけれど、それ以上にテクニカルです。Fast Songの時のバスドラは実に速かった。。
ベースのヤニ・カイヌライネンは、5弦ベースで上手だし、結構カッコ良かったのですが、他があまりにも個性的なため、かすんでしまいました。

演奏された曲は、ニューアルバムからは5曲だけで、意外と少なかったんですが、他のアルバムからまんべんなく「Fast Song」を選出してました。
「Find Your Own Voice」や「Will The Sun Rise?」はそんなに好きではなかったんですが、ナマで聴いたら一気に好きになりました。
それだけのパワーとメロディの展開の美しさと印象的なフレーズを、ストラトヴァリウスは兼ね揃えているのです!!
同じ北欧のネオクラシカルということで、タイム・リクイエムと似てるかなと思いましたが、ギターが中心、ヴォーカルはそれを上回るってことで、サウンドは似てても表現がかなり違う思いました。キャリアの違いからか、風格と貫禄がありました。
 
MCが。。

5曲くらいが終わったところで、MCで、「日本のファンには、2作目から絶大なる応援をいただき、感謝しています。次はその古い曲です。」と2曲ほど演奏しました。
残念ながら、全然知らない曲でしたが、昔からやっている曲は変わることがなく、「エピソード」の頃とさしたる違いがありませんでした。

おもしろかったのが、その次のMCです。
突然ヨルグのドラムが始まり、ドラムソロかと思いきや、ティモ(大)も巻き込み、出てきた曲が“Burn”!!
まわりで、「おお、これをやるなんて」とびっくりした声と、何もわからず呆然とした反応があって、楽しめました。
私なんぞは古い人間だから、断然楽しめちゃうんですけどね〜。
32小節やったら、次が“Black Night”!これは16小節。その次もまたパープルかなぁ?と期待したら、
“Man On The Silver Mountain” そっか、リッチーね。(うれしい♪)
3曲で終わらずに、もっとやってくれれば良かったのになぁ〜。Lazyとか、Since You Been Goneとか、イントロだけですぐわかるのいっぱいあるでしょ!(^^)(湖上の煙はなぜかやってほしくない)
実際彼らの作品には「Gates Of Babylon」と双子の曲もあるし、かなりの影響を受けていたのでしょう。
 
圧巻だったのは、Stratofortressです。
人が動いて、この曲だけ奇跡的にイェンスの指の動きがばっちし見えたのです。
それまで主にバッキングを務めていたイェンスですが、この曲ではひらひらと舞う蝶のごとく、
長い指で華麗で優雅な指運びを見せてくれました。優雅なのに、めちゃくちゃ速い!!
会場が暑くて持ち込んだ扇風機に長い髪をなびかせ、異次元空間を作り出してました。
でも、イェンス、これじゃ髪で顔がみえず、一歩間違えるとコワいぞっ!!
そのイェンスと同じスピードでユニゾンで弾きまくったティモのギターも凄まじい。
CDではティモのギターは聴こえてこないから、ライブだけのバージョンでしょう!
なんでこんなに一糸乱れぬ演奏ができるものかと、ため息が出ました。

このライブで、唯一のバラード「Foever」では、
「松本でも福岡でも名古屋でも大阪でも、みんな声を大にして歌ってくれた。東京でも大声で歌ってほしい。」とティモ(小)が言い、
胸が締め付けられるようなメロディを大合奏。
近くで大声で歌っていた人がまた、上手な人で、感動してしまいました。
私は歌詞がよくわからなくて、テキトーにしか歌えなくて残念でした。
 
立ち見という性質上、メンバーの胸から上しか見えませんでしたが、演奏を“見る”ことから“体感する”にシフトし、
めいっぱい楽しみました。
前のオトコの汗が顔にかかろうと、肩で押しやられようと、そんなの構いません。
 
叫ばなきゃライブじゃない!!


で、ティモ(小)がノセるのよね〜。
「ゲンキ〜?」と聞いてきて、「いっぱいに叫んでほしい!」
行くよ〜って感じでマイクを突き出すので、イェ〜イっ!!と叫ぶと、
なんだか、満足しない様子。となりのティモ(大)に“どうかね?”と目で合図すると、
「ナゴヤ?。。(ぼそっ)」
トライ・アゲイン、「イェ〜〜〜イッッ!!」
「オオサカ?。。(ぼそぼそっ)」
よぉし、もうちょっとだ、「イェェェ〜〜〜〜〜イッッッ!!!!」
「オッケー、オッケー、どこよりも大きかった」と言われ、かなり満足。
きっとどこでもやってるんだろうなぁ〜。(^^;でも、今夜は自分たちがイチバンだと信じよう!!

曲を全部網羅していたわけじゃないので、知らない曲も多かったんですが、
ほとんどがノリノリのアップテンポで、頭をカラッポにして楽しめました。
彼らの作品は細部まで練り込まれていて、アルバムではアップテンポやミディアムテンポ、そしてスローテンポと、バランス良く配置されているんですが、ライブだとほとんどがアップテンポでした。
まさにアルバムとライブの使い分け。
でも、それって正解。
声を出さず、拳を振り上げずにじっと静聴するのはCDの前でいい。ライブではエキサイトしたいのだぁぁぁ〜〜っ!!!!

ラストの「Black Diamond」まで、途中ダレることは何一つなく、息つく間もなく一気にライブは進行しました。
2時間くらいやったのかなぁ。
しっかりとした手ごたえを感じ、大満足でした。


さぁ、今日はいっぱい叫んだぞぉぉ〜〜。
会場が一体となった、いいライブでした。会場では、前回のツアーTシャツを着ていた人が多かったから、頻繁に来ているんでしょう。
また来てね、絶対に見に行くから。

だけど、これだけは言っておきたい。『野ばらはやめてくれぇぇぇ〜〜っ!!』