Time Requiem


                      2003年2月16日(日) 於)川崎クラブチッタ


  1.Time Requiem
  2.Watching The Tower Of Skies
  3.Milagros Charm
  4.The Aphorism
  5.I'll Shoot The Moon (Majestic)
  6.The Rapture Of Canaan (Majestic)
  7.Approaching The Storm(自信ナシ)(Majestic)
  8.Visions Of Matters
  9.Avove And Beyond

  アンコール
  10.Losers Shades Of Hell
  11.Voodoo Treasure (Majestic)




【タイム・リクイエムの紹介】
さぁ、今日はネオクラシカルだ!
昨年10月にデビューアルバム「Time Requiem」を出した、タイム・リクイエムが聴ける!!
やったぁ〜、うれしいっ!!
ここでタイム・リクイエムを知らない人に、軽く紹介を書いておきます。

彼らの前身は、スウェーデン出身のMajesticです。Majesticは超絶キーボーディスト、リチャード・アンダーソンを中心に結成され、99年に「Abstract Symphony」、00年にメンバーを大幅に入れ替えて「Trinity Overture」のアルバムをリリースしました。
その後、版権などを巡ってトラブルがあったので、名前をタイム・リクイエムに変更して再出発したのです。
そのサウンドは、クラシカルで荘厳なハーモニック・マイナー・スケール(覚えたからちょっと使いたい^^;)を効果的に使い、印象的で感動的な様式美メロディが次々と登場します。
音がスピーディーで重いヘヴィなネオクラシカルにもかかわらず、時折ふっと力を抜いたような静寂が訪れるので、緩急の差や静と動の対比があり、聴いていて飽きません。プログレそのものと思えるメロディもちゃんと用意され、息を飲む美しささえ感じます。もう、感動の連続です。

全作品がキーボードのリチャード・アンダーソンの手によるものです。
早弾きでありながら、場面展開の多彩さと確実なプレイと並外れたセンスでぐいぐい惹きこまれます。



【やった〜!前から2列目!!】
この日はあいにくのみぞれでした。5時会場だというので、5時2〜3分過ぎにはクラブチッタに到着したんですが、既にもう入場していたんです!あちゃぁ〜、また遅刻した!
でも、100〜110番までの人の順番だったので、87番の私はたいした影響はありませんでした。
前回の失敗に懲り、Tシャツ売場にわき目もふらず、さっさとドリンク券をハイネケンに交換し、会場の前列を目指します!
見るとまだ40人くらいしかいません。最前列はすべて塞がれてましたが、2列目はまだいなくて、好きな場所を選びたい放題でした。
やっぱりギタリストの前がいいなぁ〜、でもリチャードの前もいいな♪
並べられている楽器を見ると、リチャードのキーボードが一番右、そしてそのとなりに置かれているものは。。。ストラト型の6弦ギター!ヘッドがレスポールのようにペグが上下に3つずつあるのに違和感を感じましたが、まぁ、改造してあるんでしょ!ってことで、マグナス・ノードもリチャードも見られるこの場所に決まりぃぃぃ〜〜!!
いやぁ〜、我ながら実にナイスチョイスだと、悦に入っていました。
途中トイレに立たなくていいように、ハイネケンはぐっと我慢しました。せっかくGETした2列目だも〜〜ん♪


【メンバーの様子】
さて、チッタの人たちが
セットリストを床に貼り付ける作業やサウンドチェックが終わり、いよいよメンバーの登場です!
まずドラムのピーターが左から姿を見せました。なんと、上半身裸!!かわいい顔してるのに筋骨隆々です。
「ピーター!」会場席が呼ぶと、「おお〜〜っ!」と両手を上げて応えるピーター!
ツカミは完璧です。(^^)

次に右から残りのメンバーが登場しました。みんな黒い衣装です。ボーカルのアポロとベースのディックは白い縦じま入り!ギターのマグナスはメッシュ!の違いはありました。
アポロが「ハロー、タイムリクイエムです。この曲はニューアルバムからです。」と言うと、いきなり、Time Requiemからの1曲目、タイトル・ナンバーを演奏しました。
私の目の前には、ブロンドの髪をなびかせ、右腕にタトゥーを彫り込み、頭を振りながらパワフルにベースを弾く小太りなDickが。。あれっ、Dick??マグナスは??
マグナスは、私とは反対の左側でした。Dickが6弦ベースを弾くために勘違いした悲劇。。。か、かなしすぎる!!
仕方ないので、人の頭の間から30℃の傾斜角度でマグナスを見ることにしました。みんなボーカルのアポロやリチャードを見ているのに、私だけ視線がマグナス!!はっきり言ってヘン!でもかまうものか!!


期待したリチャードのキーボードは、リチャードがずっとこちらを向いているために指の動きがまるでわかりませんでした。
キーボードが1台とその下に2オクタープ程度しかないキーボードらしきものが1台。それがすべてです。
シンセ音の上から、リードキーボードとも言うべきソロがかぶさってくるから、どうやって再現しているんだろうと思ってましたが、キーボードソロの時に、右手だけで弾き、左手は右手の動きに合わせて胸のあたりで同じような動きをしていたので、シンセ音は打ち込みだと思います。

この人のリズムに乗ったキーボードプレイは迫力でした。ブロンドの短髪にブロンドのあごだけのひげ。サングラスをしていました。ジャケ写真だと目がキツそうなので、サングラスをした方がいいや!
高音部のソロでは、口を広げ、自分の世界に入ったり、佳境に入るとにやっと笑ったようになります。楽しくてしょ〜がないんだね。

ギターのマ
グナスは、タイム・リクイエムからの曲では、なかなかソロを弾かせてもらえず、バッキングに終始していました。タイム・リクイエムは“リチャード・アンダーソンズ”が冠詞としてつくから、やっぱりワンマンバンドなんです。(ToT)
でも、Majesticからの曲では全開バリバリです。かなり早弾きで確かなテクニック!紫と水色と白のマーブル模様のボディのCHARVEL(マサさん情報)を弾いています。
Majesticからの曲では、1曲につき2箇所くらいライトハンド奏法をしていました。

彼はツンツンヘアの黒髪(ねぐせかも^^;)、耳には3つずつピアスをしています。まゆは剃り落としてあるので、アブない雰囲気です。痩身で185cmあるんですが、200cmのリチャードに比べたらまるっきりフツーです。北欧人は背が高いなぁ〜!
ピッキングをしている時に、しきりに小指をぴんと伸ばしてボディ部に触れていたので、一瞬何のためにと思いましたが、あれがミュートなんだと気がつきました。斜めから見ていたので、よぉ〜くわかってうれしかったです。

ボーカルはギリシャ人のアポロ!!(すごいね、太陽の神ですよ!)
どこから見ても、サッカースタジアムにいるのがぴったりのムサクルシイおっちゃんなんですけど、歌わせるとすごい!!
力いっぱい一生懸命に歌う!前半は高音を抑え目にしてましたが、後半の高音は叫びっぱなしで凄まじいものがありました。洗練とかカッコいいという言葉とは無縁ですが、魂の熱唱は、歌がなければプログレに走りがちな演奏にRock魂を与えていました。
でも、ホントにそこいらにいる、ひげの生えたおっちゃんなのよね。
演奏中は舞台の袖に入り、歌が再開となると出てくるんですが、とことこ歩いてくる姿を見て「なんでローディーがやってくるの??」と不思議に思ってしまいました。しかも2回も!す、すまない!!

ドラムのピーターは、とにかく愛想がいいです。
2曲目のWatching The Tower Of Skiesで、中央のドラムが切れてしまったんです。
そこでアポロが解説。
「ピータはトラブル中だ。スタッフがついているから大丈夫。さぁ、みんなでピーターの名前を呼んでみよう!ピーターーっ!!」
まるでアンパンマンショーのようなノリだが、私にはそのように聞こえてしまったのだぁ〜っ!^^;
そのピーター、「はいは〜い」と太い声で応対。また呼ぶと、今度は「イェーッ!」と高い声で返答。そして、セッティングが終わると切れたドラムを持ってきて、観客席に投げ込むポーズ!!ちょうど私の目の前からだったから、思わず受け止めようかと構えちゃいましたぁ。

ベースのDickは、一番生粋のロッカーらしいです。右に左に場所を変え、頭を振り回しながら6弦ベースを確実にしかも速く弾きます。その時に足を広げているのがおもしろいです。やっぱり広げておかないと頭がクラクラしてフラついてしまうのかな??(((((((((;^▽^)
イン・フレイムやアーク・エナミーにも参加したことがあるそうです。


【タイム・リクイエムの演奏】
さぁ、メンバーの様子はこのくらいにして、曲について書かねば!
今回は、曲を楽しんだのがあるけれど、それ以上にメンバーを身近に感じて、つい書いてしまうのだぁ〜!

1曲目が始まってすぐに思ったのは、リズムセクションが強力なことです。
バスドラはPearlのシングルだったんですが、ピーターは強烈な踏み込みで鳴らしています。シンプルに叩くだけでなく、変リズムもこなし、表に出ることがなく、かといって引っ込んでいるのでもなく、小技も利かせてサポートしています。
Dickは、ドラムと連動しているのかと思いきや、イントロのキーボードにユニゾンで合わせています。かなりのテクニシャンです。そっかぁ、6弦ベースはメロディを追って使うのね!
土台がしっかりしているから、その上に自由にキーボードやギターを被せていけるんだと思いました。

アルバムの進行どおりに曲が進んでいきます。
CDと寸分違わない見事な演奏。けれど、演奏に酔うのにはほど遠いです。
というのは、ずっと拳を上げっ放しなんです。アポロが両手を広げ、ノセまくるしぃ〜。。
また、このアポロが声を上げさせるのが上手でねぇ〜、客席との掛け合いはもちろん、観客を右と左に分け、どっちが大きい声が出るかを競争させるんです。ここで「負けるもんか!」と意地張る体育会系の本性が剥き出しに。^^;
3曲目の「ミラグロス・チャーム」では、アポロが“ミラグロス・チャーーーム”の部分でマイクを観客席に向け、歌わせます。私のとなりのオトコが音をはずしまくりで困りました。こうやって高音を歌うんだ!と私は大声で歌って(怒鳴って)示しましたが、次第にハズしてきてしまって。。あれっ??(((((((((;^▽^)

4曲目のThe Aphorismは、イントロのキーボードが叙情的で美しい曲です。バロック音楽に通じるネオクラシカル王道メロディが、せつなく私の琴線をくすぐりまくります。これを楽しみにしてました。
なのに、なのに、前奏を省いて、いきなり歌から始まったんです!あ〜、がっくし!
しかも、後半の重い音が途切れて、アコギを使う部分になったら、マグナスがどうやってアコギの音を出すのかを注目していたんですが、これも打ち込みなのかキーボードから音を出してました。ダブルがっくし!
後半の演奏に叙情的な部分があるので、それでも楽しめましたが。
1〜4曲は、アルバム通りの進行です。お〜い、工夫がないぞぉぉ〜〜!!

5〜7の3曲は、Majesticのセカンド、「Trinity Overture」からです。
サビの覚えやすく印象的な「The Rapture Of Canaan」はもちろん大合唱です。彼らにしてはシンプルなハードロックです。
Majesticからの曲は、マグナスのギターソロがたっぷり楽しめました。ライトハンドをしてフレーズを決めると観客席を向いてにこっと笑うのがかわいいです。

8曲目の「Vision Of New Dawn」は、ドリシアを思わせる楽曲と展開です。
きらびやかなリチャードのキーボードに歌が乗るさまはスリルがあります。
ギターとキーボードが交互に弾く場面があるんですけど、ここで掛け合いかなんかをしてくれると面白かったのになぁ〜。。
すっかり自分の世界を持っているリチャードには無理かな?他のメンバーは合わせようとしているんですけど、リチャードはわが道をずんずん進む!でしたからね。今後の成長に期待します。

9曲目の「Avobe And Beyond」は、娘が空耳で「ケツまでムーンライト」と聞こえると言ったものだから、すっかり「ケツまでムーンライトソング」になってしまいましたぁ。(涙)“Captured by the moonlight”と言っているんです。
しかも、ライブでもそう聞こえるのかと確認した親がいる。。(((((((((;^▽^)…聞こえました。。(涙)
劇的な展開で終盤が美しいのになぁ〜。
そして、最終局面はタイムリクイエムの1曲目にオーバーラップして厳かに終わるんですが、ライブでも見事に再現してました。

ここで一旦終了!
アポロがステージを降りて、すぐ下を右から左へと通ります。
おおお〜〜っ、タッチができる!!これをやっている人がうらやましくて、客席後方からよだれを垂らして見つめていたものね!今こそチャ〜ンスッ!!
アポロの手に右手がかすりました。あのタイミングだとアポロなんですけど、となりのオトコも手を伸ばしていたから、そっちかも知れない〜〜。安心してはいけない〜〜。
リチャードも降りてきました。一斉に伸びる手!
しっかしリチャードは長身でした。黒いシャツの袖の部分にしかタッチできなかったぁ〜!!
そして、みんな引っ込んでしまいました。


アンコールには、アポロだけシャツを着替えて登場です。そりゃぁ〜、ミネラルを頭からかぶっていたから、あのままじゃ風邪ひくよね!
アポロ:「もっと聴きたいかい?」
観客:「イェイっ!!」「ピーター!」「ピーター!」(なぜかピーターばっかり!たまにリチャード)
お〜い、もったいぶらずに早く始めてくれぇぇ〜〜!!
何となく、「次は何やろうか?」のやりとりがあり、マグナスが若干はにかみながら「Losers Shades Of Hell」と紹介しました。コワそうなのに、かわいいやん!(^^)v
この曲は、タイムリクイエムの日本向けのボーナストラックで、原曲はMajesticのファーストに、これまたボーナストラックで収録されてました。軽快なアメリカン・ロックしています。終盤のフレーズがUKのイン・ザ・デッド・オブ・ナイトを思わせておもしろいです。

Losers Shades Of Hellが終わると、またもアポロが「もっと聴きたいかい??」
「イェ〜イッ!!」
すると、MajesticのセカンドからVoodoo Treasureのイントロが。。キーボードが印象的なスピードチューンです。おお、ラストソングがMajesticからかぁ〜。不思議でしたが、曲を聴いて納得。様式美、メロディの美しさ、心を揺さぶる感動的なフレーズ、変リズム、早弾きなどの確かなテクニック、歌メロの親しみやすさなど、すべてが揃っています。
ライブで実力を発揮する曲です。どうしてリチャードの作品はこんなに練り上げられているんでしょう。これでもかとキーボードソロを続けていました。
あっという間の1時間半でした。1時間半という時間自体短いと思います。ちょっと物足りなかったです。あと2曲やってほしかった。それが無理だったらオープニング・アクトが欲しかったなぁ〜というのはわがままでしょうか?


【タッチ、タッチ、タッチ】
でも、でも、これからが前から2列目の恩恵をフルに発揮したパートなんです!!
そう、メンバーがひとりずつ舞台の下に降りて、タッチをしてくれたんです。
さきほど、幻のタッチをしたアポロとは、間違いなくかすかに触ることができました。Dickに至っては、手を出していたら、何と向こうから手を握ってくれました!やったぁ〜!!さすが私の正面にいた人だけあるわ!マグナスばっかり見てはいけないと、Dickも見つめた甲斐があったぁ〜〜!!(そうなのか?)
マグナスは、さらっと通過したのでスカ。最後のピーターは、観客席に向かって両手を差し出していたので、手が届きさえすればタッチ成功!!もちろん、手を伸ばしてタッチ!!
あああ、夢にまで見た、外タレとのタッチ!!たとえ客の入りが半分のタイム・リクイエムだとしても、この感激は一生忘れないでしょう!!!!有名になってよ〜〜っ!!


【終わってみての感想】
タイム・リクイエムは演奏はめちゃくちゃうまくて、センスが良くて、完成されたサウンドだと思うが、日本での、いや、世界レベルでの人気はまだまだ。
それは、使われた機材の少なさから見ても明らかだった。でも将来的にBIGになる可能性はあると思う。
私が身近に感じてミーハーに走ったこともあるが、こんなになにげない人たちが生み出す超絶なサウンドが信じられなかった。余裕さえあった。
どうも、おとなりのおにぃさん感覚なのだが、完璧な演奏とのギャップがおもしろかった。
会場から出ると、CD売場で「先着25名様にメンバーのサイン入り色紙プレゼント!」の声がした。マジェスティックのファーストはどうやっても入手できなかったので喜んで買った!目の前でみるみるなくなっていくサイン色紙!自分まで回るのかドキドキしながらGET!!これはもう、私の宝物のひとつとなるだろう。
メンバーはおせじにもイケメン揃いとは言えないが、とってもミーハーちっくな夜だった。
サウンドに感激して帰途につくのがいつものパターンなのだが、熱狂的に叫んで、人差し指と小指を立てた拳を降り続け、メンバーと目が合い、タッチをし、会場全体で一体となったライブ!!すべて2列目だったことで叶えられたのだ。
これもライブの醍醐味だろう。