まずは初めまして、一応SS書きのGaNです(ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが)。
この作品は、別の場所で投稿させて頂いていたものなのですが、そのHPの閉鎖に伴い、今まで凍結という形をとらせていただいていました。
ですが今回、傭兵さんのご好意により、こちらで投稿再開させて頂ける運びとなりました。
完結まできちんと書き上げることで、そのご恩返しとさせて頂きたいと思います。
さて、それではこの作品の背景などに関して、少しばかりの予備知識を設定として書かせて頂きます。
わかりにくいところもあるかもしれませんが、その点はどうかご容赦ください。
@ 能力者について
この作品の世界には、“能力”というものが存在します。
そのため、この話は、能力者による戦闘に重点が置かれることになります。
(とは言っても、序盤はほとんど戦闘なしなのですが)
なお、能力者の定義は、
『生命エネルギーを自在に操り、様々な効力を得ることができる者』
ということになっています。
要するに能力者は、生命エネルギーを用いることで、自身を強化したり、他の人間にはない特殊な効果をもつ能力を使うことが可能であるということです。
ちなみに、ここで言う生命エネルギーとは、いわゆる活動エネルギーとでも言うべきものです。
つまり、生命維持に使うエネルギーを利用するのではなく、運動したり、思考したりする際に用いるエネルギーを利用することになります。
故に、能力を使って生命エネルギーを使い果たしたとしても、単純に疲労困憊になるだけで、寿命が縮んだりすることはありません。
能力者の使う能力は、大まかに、以下に示す五つのタイプに分類されます。
1.タイプP(POWER)
生命エネルギーを増強し、身体能力を高めることに優れている。
特に弱点はないが、同時に特に特筆すべき点もない。
まさに可もなく不可もなくといったタイプ。
とはいえ、単純であるが故に、良い意味で安定しているとも言える。
2.タイプC(CHANGE)
生命エネルギーを別種のエネルギー(熱、電気など)に変換することに優れている。
能力次第では、近距離でも遠距離でも戦闘可能であるため、使い勝手は良い。
ただ、エネルギー変換効率は決して高くないため、消耗しやすいタイプでもある。
故に、持久力という点において不安があることも多い。
3.タイプM(MATERIAL)
生命エネルギーを物質(道具、武具など)に変換することに優れている。
物質化したアイテムに、何か特性を持たせることが可能であるため、はまれば滅法強い。
反面、融通の利かない能力であることも多く、汎用性はさほど高くない。
また、物質化することには、極めて高い精神力と集中力が要求される。
そのため、もっとも使い手を選ぶタイプと言える。
4.タイプS(SPECIAL)
上のどのタイプとも異なる特殊なタイプ。
基本的に、生命エネルギーを用いて、何らかの物質や事象に干渉することができる。
このタイプの能力者の数はかなり少ないため、今なお未知の部分も多い。
5.タイプA(ANOTHER)
これは、一般には知られていないタイプ。
後述の保護機関、あるいはタイプA能力者本人以外に、その存在を知る者はない。
当の保護機関にしても、知っている情報は以下の事柄だけである。
1.タイプA能力は、全部で十三種類しか存在しない。
2.同一時間に、同一能力を二人以上の人間が持つことはない。
3.同一時間に、タイプA能力者が十三人全て、世界に存在しているとは限らない。
4.遺伝によってタイプA能力が伝わるわけではない。
保護機関が調査を進めてはいるものの、タイプS以上にその進展の度合いは低い。
タイプA能力者を見つけることからして困難なのだから、それも仕方はないが。
一説によると、タイプA能力者しか知り得ない、理解し得ない事柄が存在するらしい。
能力者の資質を有している者は非常に多いのですが、自然に覚醒できる者となると、1%以下となります。
ただし、国際能力者保護機関の設立と共に、望む者は学校教育の一環として学ぶことができるようになり、誰もが能力者となることができるようになっています。
もちろん、能力の性能、性質には個人差があります。
能力のタイプについては、人が生まれつき持っているものなので、後天的にタイプが変わることはまずありません。
また、自分のタイプと異なるタイプの能力の習得は非常に困難ではありますが、不可能ではなく、二つ以上の能力を持つ者も稀に存在します。
A 国際能力者保護機関について
これは、この話の時代から約二十年前に設立された国際機関です。
設立までは、能力者の資質を持つ者は、異端者として迫害されることが多く、死に至ることも少なくありませんでした。
また、死ぬことがなくとも、その能力を使って犯罪行為に走る者も多く、どこの国どこの地域でも、大きな問題となっていました。
迫害された能力者達が、徒党を組んで一般人を襲撃し、大きな被害が生じたり、あるいは返り討ちにあって能力者の虐殺にまで発展したり、といった事件も、世界の其処彼処で発生していました。
そうした事件がまた新たな争いの火種となり、そうなると当然そうした連鎖が終わることはなく、無視できる状況ではなくなっていきます。
そこで、能力者の保護、また同時に危険分子となる能力者の排除を目的として設立されたのが、この国際能力者保護機関です。
保護機関設立以降、能力者についての研究が積極的に進められ、設立から十五年後には、学校教育に能力者育成が取り入れられる運びとなり、この頃から、能力者への迫害、あるいはその報復といったことがなくなってきました。
能力に目覚めた者は、基本的に、自動的に保護機関に登録されます。
というより、保護機関に登録されていない能力者は、危険分子と見なされたり、一般人から忌避されることになるため、自ら進んで登録に来るのが常識となっています。
そのため、保護機関は、能力者の管理を容易に実現でき、その保護も監視も行える体制を組み上げることに成功しました。
同時に、能力を利用した犯罪者の増加に伴い、能力を悪用した犯罪者に賞金をかける制度も制定。
そのため、賞金首を捕らえることを生業としたハンターという職業も正式に認定されました。
能力者がハンターになるには、保護機関に一定以上の強さを有していると認められることが必要です。
ハンターになれば、保護機関に申請することで、賞金首に関する情報を入手することができます。
賞金首には、F、E、D、C、B、Aの六つのランク(級)があり、それはそのままハンターのランクにも繋がります。
下位のランクの賞金首を一定数捕らえたハンターは、ランクが上がる、と言うこともできます。
自分のランクより上の賞金首に関する情報は、知ることはできないことになっています。
現行犯の場合は別ですが、ランクはそのまま強さにも繋がっていますから、事実上自身のランクより上の賞金首を捕らえることは不可能です。
なお、実際には、A級の上にS級の賞金首も存在しますが、その能力者に関する情報は一般には開示されません。
ただし、A級の賞金首を十人以上捕らえるという条件を満たした能力者には、知る権利が与えられます。
基本的に、普通の犯罪者であれば、どれだけ強くてもA級止まりなのですが、強さに加えて以下の条件を満たしている場合、S級に認定されます。
1.構成員が多数存在する組織であること(もちろんその構成員の多くがA級以上の能力者であることが必須)
2.刺激しなければ極端な行動に出ない集団であること(逆に言えば、下手に刺激すると危険な集団であること)
3.とにかく壊滅が困難、あるいは壊滅が何らかの国際的なトラブルを引き起こすことに繋がる集団であること
これらの条件のために、宗教に関連した団体や、政府、要人お抱えの暗殺部隊などが認定されるケースが多い。
S級に認定された集団に対しては、保護機関は基本的に監視だけを行い、積極的に壊滅させようとすることは滅多にありません。
また、S級賞金首が保護機関と内通し、非公式に協力するケースもあります。
なお、現時点でS級指定となっている組織の数は、世界でも二十前後。
日本で該当するのは、『九龍幻想団』と『神翼教団』の二つとなっています。
また、保護機関には、『十二使徒』と呼称される抹殺者集団(イレイザー)がいます。
各国から集められた凄腕の能力者で構成されており、それぞれ黄道十二宮になぞらえた名前が与えられています。
基本的に『十二使徒』は、特別な事情がない限り、S級能力者対策のためにしか動くことはありません。
以上、簡単ではありますが、説明はこれで終わらせて頂きます。
詳しいことは、話の中で追々書いていくことになると思いますので、それまでお待ちください。
それでは、長い話になりますが、よろしくお付き合いくださいませ。