月を望む夜

 

 

 

 

 

 某月某日。

 今日も変わらずアラガミをぶっ殺す日々だ。

 夜月を見上げ、更に自らの神機を見れば、あの日から色々なものが変わったのだと解るが、これだけは変わらない。

 今日もいつも通りアラガミをぶっ飛ばし、帰還の準備に入るところだった。


「ふっふふん、ふっふふん、ふっふっふ〜ん」

 

 俺が周囲を警戒している中、聞こえてくるのは暢気な鼻歌だった。

 少し前の俺なら無視するか、それともうるせぇとでも言ってやるところだろう。

 だが今回はその相手が相手というのもあるせいか、少し対応を変えてみることにする。

 

「……で、なんなんだその鼻歌は?」

 

「ん?」

 

 俺の問いかけに暢気そうな顔を向けてくるのは女だ。

 たしか歳は16で、全体的に華奢にすら見える体躯で、結構整った顔、身体つきをしてコウタから言えば美少女と言えるやつらしい。

 だが、これでも立派な神機使いであり、剣と銃を変形して使える新型神機の使い手としてロングソードとスナイパーライフルで数々のアラガミを屠ってきた。

 そして今や極東支部が誇る英雄、最強の『ゴッドイーター』であり、我等が隊長殿だ。

 

「ん、じゃねぇよ。

 戦闘中まで鼻歌歌いながらだっただろ。

 しかもなんだ、今日の服は」

 

 こいつの実力を知っているからこそ特に何も言わなかったがおかしな話だ。

 最初会った時から軽いノリでコウタを女にしたような感じだったが、実際には礼儀を弁え、締めるべきところ締める性格だ。

 だから戦闘中にそんな不謹慎な事をするヤツではなかった筈だ。

 そういやコウタも普段はあれだが、いろいろ考え、悩みその上で強く行動できる事は実証され、既に見直している。

 まあそれは今はいい、今日のコイツが変なのは鼻歌だけではなく、その服装もだ。

 それなりに数の居る神機使いの中で、頻繁に服を変える―――対アラガミ戦闘用として作っている服を何着も持っている隊長殿だが、今日はまた変わった格好だ。

 服自体は過去にあった所謂『学生服』をもしたものだろうが、頭に大きな軍用ゴーグルを着けている。

 何故か目に装着せずにおでこあたりまで上にずらして、完全にアクセサリー状態だ。

 どうも見ても真面目に戦闘をしていたとは思えない。

 今日はクアドリガ1体の討伐で、俺と2人だけで出撃。

 さして強くもなく、俺達にとっては楽な相手であったが、油断ができるアラガミなどいない。

 最も弱いとされるオウガテイルですら、ゴッドイーターでも奇襲を受ければ死ねる相手なのだから。

 

「ふふん。

 剣侠鼻歌と呼んでくれてもいいのよ?」

 

「はぁ?」

 

 したり顔でなどとのたまうリーダーに俺はどんな反応をすればいいのか。

 俺はそう言うことに疎いと自覚している頭をフル回転させたが、やはり思い浮かばない。

 

「ああ、やっぱこういうネタが解るのはコウタだけか〜」

 

「何のネタだよ」

 

「アーカイブにあった昔の漫画。

 結構名作だったみたいなんだけどね」

 

「漫画かよ。

 最近部屋に篭って静かにしている事が多いと思ったら」

 

 コイツとコウタは同期であるのもあって仲がいい。

 同じ様なノリで会話もできるし、共通する話題も多いだろう。

 が、それを俺にまで向けれても反応のしようもない。

 それに、ただ漫画のマネがしたかっただけで戦闘で遊んでいた事になってしまうのだが、そんな筈は無いと思いたい。

 そういえば、剣侠などと言っているが、確かに今日はブレードしか使ってなかったし、使い方も若干妙だったな。

 

「で、なんでそんな事してんだ?」

 

 コイツは軽いノリだが真面目なヤツだ。

 戦闘中にこんな事をしたからには何か理由があるだろう。

 コイツは大体こんな軽いノリだからそのままジョークで流しかねない。

 だから俺は尋ねなくてはならないだろう。

 俺達は兎も角、他の奴等に誤解されない為にも。

 

「いやほら、この前テレビ中継しながら戦った事あったでしょう?」

 

「ああ、あったな」

 

 先日、ゴッドイーターの活躍を広く知ってもらう為、とか言う理由でカメラがまわる中でアラガミと戦った事があった。

 何処で計画を持ち上がったのかは知らないが、極東支部で行われる事となり、当然の様にそのミッションを受け持ったのは極東支部最強と言われる俺達の部隊だった。

 結果は言うまでも無く大勝。

 俺達はカメラを意識する事なく戦い、いつも通りにアラガミを倒した。

 

 が、ふと聞いた話では、あまりに楽勝の様に見える戦いだった為、俺達が仲間内からも化物扱いされないかとか、ゴッドイーターの仕事が簡単に見られないか等の懸念が出ているらしい。

 まあ、俺としてはどうでもいいことなのだが。

 化物として扱われる事は慣れている。

 楽に見える、というのは流石に考えすぎだろう。

 この地上では毎日アラガミの被害で人が死んでいるのだから、それからは目を背けられない筈だ。

 

「でね、一応私達は護るべき人達にとって希望とい風な視線を事実向けられちゃったと思ったのよ」

 

「まあそうだな」

 

 実際アラガミと戦う俺達神機使いは人類の希望と言って差し支えない。

 元々そう言う扱いだっただろうが、テレビにでて多くの人に戦う姿を見せた事でそれは明確なものとなったと言う事だろう。

 それは解るが、俺は特に気にする事はないのだが、コイツは違うと言う事か。

 

「で、次ぎにまたカメラを回される前に、ヒーローらしい立ち振る舞いってのを考えてみた訳よ」

 

「それで漫画かよ」

 

「結構参考になるものよ〜。

 流石に実戦ですぐできそうなのは少なかったし、戦闘に影響を出さずに実践するのは難しいけどね」

 

 なるほど、それで試せそうな『鼻歌を歌いながら戦う』なんていうのを試したのか。

 でも、それはヒーローらしいのか?

 俺の感覚だと解らんものだ。

 

「ま、実際どうするかはまだまだ考えているところなんだけどね〜」

 

「そうかい。

 せいぜいそんな事で足元をすくわれないようにしろよ」

 

「解ってるわよ〜、こんな事で死ぬような馬鹿はしないわ。

 それこそ笑い話にもならないもの」

 

 相変らず軽いノリだ。

 だが、コイツはコイツでいろいろと考えているのだろう。

 どこまで本気か解らない時もあるが、コイツはコイツなりに最強の『ゴッドイーター』としてやるべき事を成そうとしているのかもしれないな。

 そういや、コイツが隊長になった時もそんな感じはあった。

 無茶を通してきた上で今では立派な隊長だが、『最強』という肩書きをも背負い込むにはコイツは華奢すぎる。

 1人でリンドウの野郎を助けようとしたりと、無茶をよくやるから目を離さず、助けを出せそうな時は出せるようにしとかないといけないだろうな。

 

「今日も月が綺麗ね」

 

「ん? ああ、そうだな」

 

 そんな事を考えていたらリーダーは何時の間にか鼻歌も止め、月を見上げていやがった。

 何を思ってか、静かに見上げるその姿はさっきまでの軽いノリの時とは違って神秘的にすら映る。

 まったく、不思議な女だ。

 

「そうだ、後で話しがあるから、帰還したら部屋にいてね」

 

「あぁ? こんな時間からか?」

 

「ええ、今話したい気分なのよ」

 

「まあいいけどよ」

 

 任務で夜中に出る事もある俺達だが、コイツは健康第一とか言って夜は早々に寝ていたと記憶している。

 俺はそれ以上は深く考える事もなく、回収のヘリが来るのを月を見上げならが待つだけだった。

 それから帰還して報告もすませ、俺は部屋で言われたとおり待っていた。

 

「……ちっとは片付けるか?

 いや、今更か」

 

 俺は少し考えて止めた。

 俺の部屋は人を迎え入れる様な状態にない。

 今まで人を迎え入れるなんて考えて事も無かったしな。

 アイツは入った当初からちょくちょく尋ねてきたりはしてたが、あそこまでづけづけと入ってくるのはリンドウでもなかったことだ。

 おっと、そんな事を考えている間に着た様だな。

 

「お待たせ〜」

 

 我が物顔で部屋に入ってくる様は本当に調子のいい女だ。

 

「はい、お土産」

 

「ああ……って、初恋ジュースじゃねぇかよ、まだあったのか!」

 

 缶ジュースを持っていたのは見えていたが、渡されてみればあの博士が作った拙いジュースじゃないか。

 コウタに騙されて飲んで以来、俺は1度もこれを口にした事はない。

 というか、2度も飲んだヤツが居るのだろうか。

 上等な舌を持っているとは言えない俺だが、これだけは拙いだけだと断言できる。

 

「まだ余ってるわよ〜。

 最近は割りと気に入ってるのよ」

 

 などといいながら普通に飲むみやがるこの女。

 そういえば、リンドウを助ける時にコイツもアラガミ化が進んだ筈だな、そのせいで味覚が狂ったか?

 まあ、それなら俺も似たような味覚の筈なんだがな。

 

「それで、話なんだけどさ……

 まあ、シオちゃんの事なんだけど」

 

「シオ、か」

 

 軽いノリから一転、至極真面目な雰囲気へと変わる。

 この変わり身の早さと落差は凄まじい。

 俺もなれたつもりだが、それでも心臓に悪いと思うほどだ。

 それにしても、シオの事を今何を話すのだろうか。

 確かに今日も月を見上げたから思い出すだろうが、それなら毎日月は見えている。

 あの事件の当初は何度も話し、ある程度明るい未来を考えるようにしてきた筈だ。

 なのに、この空気は何だ?

 

「シオちゃんはほぼ間違いなく月で、あの姿で居るよ。

 そして、月からこの地球を見上げている」

 

「―――見えたのか?!」

 

 新型であるコイツには感応現象というものがあるらしい。

 それをもって悪夢を植えつけられていたアリサを正気に戻し、リンドウも発見、更には救出をも可能とした。

 リンドウの神機に触れてリンドウの現状を見えた事がある事から、ソレに近い事が起きたものと推測できる。

 

「貴方に触れた時、多分貴方の神機を通してね。

 と言っても、流石に距離のせいかハッキリとは見えなかったけど。

 殆ど『感じた』程度に近いけど、あの姿で月で待っている事だけは確実よ」

 

「そうか……」

 

 ノヴァとして終末捕食の特異点として利用され、コアの状態で自我を保ちその意思をもって終末捕食を月で行ったシオ。

 その為、シオが月に居る事は確実だが、どういう状態かは博士でも解らない状態だった。

 解っているのは、月が終末捕食により緑化したと言う事だけだ。

 いや、あの事件により、公には隠蔽されているが、上の連中は解っている。

 それは終末捕食の実在すると言う事と、影響の大きさだ。

 月が緑化する程の影響だ、その意味は大きいだろう。

 ともあれ、シオがノヴァの状態からまたあの姿で居る事は確実となり、この前旅行の話で月に行きたいなどと言った事があったが、それが急がれる事になる。

 

「そう、急いだ方がいいのよ」

 

「そうだな……って、今俺の心でも感応したのか?」

 

「そんなの感応しなくても解るわよ」

 

 何故か睨まれる。

 俺は一体どんな顔をしてたのか……拙い、かなり気になる。

 

「で、真面目な話に戻るけど、急がなければならないわ」

 

「シオ、寂しそうだったか?」

 

「ええ、それもある。

 けど、博士から聞いてるわよね、月は限りなく地球の環境に近くなったの」

 

「ああ、そう言ってたな」

 

 正確な事までは解らないが、大気成分も同じだと思われるらしい。

 緑化して発生した植物は、オラクル細胞を含むだろうが地球の木々に近いものではないかと推測されるそうだ。

 つまるところ、シオは月を地球と同じにしちまったんだ。

 改めて終末捕食の影響の大きさが解る。

 だが、俺はその事を軽く考えすぎていた様だ。

 

「そして、月はアラガミがいない世界なのよ、シオちゃん以外は」

 

「ああ、そうなるな……そうか、それはつまり―――」

 

「そう、アーク計画よりも、エイジス計画よりも、月に移住する方が安全確実かもしれないのよ。

 そうなった時、そこに居るシオちゃんはどうなるか……私達以外はシオちゃんの事をアラガミとしか見なかったら―――」

 

「くそっ!」

 

 アーク計画によって地球を飛びたてるロケット、宇宙船がかなりの数が現存している事は明白だ。

 やろうと思えば直ぐにでも月まで行くことはできるだろう。

 だからこそ俺は月に行く事は夢じゃないと思っていたが、何で俺は今までそんな簡単な悪い未来を考えられなかったんだ!

 

「だからこそ、私達は誰よりも早く月へ行かなければならない。

 先ずは探索機が行って正確な情報を採取し、先遣隊が派遣される事になるでしょう。

 だから今すぐどうこうなる訳じゃないけど、余裕も無いと思うの。

 そこで私達にできる事、先ずはソウマ、貴方が持っている『特異点捜索』の特務で使った資料をペイラー博士に渡して」

 

「あの特務の? 何でそんなモンを?」

 

「シオちゃんを探す為の資料、それをシオちゃんの事を知っている博士が持てば、シオちゃんの捜索も、逆にシオちゃんを見つけさせない方法も見つかるかもしれないわ」

 

「おお、なるほど、そうか!

 解った、親父の計画から掠め取っておいた情報もまとめて渡そう」

 

「お願いね。

 私はアリサと一緒に感応を試みるわ。

 シオちゃんとなら、もしかしたらこちらの声も届けられるかもしれない。

 いえ、届けてみせるわ。

 だから、貴方の神機を借りるわよ」

 

「おう、使ってくれ」

 

 まったく、頼りになるリーダーだ。

 言われてやっと気付いた悪い未来も、直ぐに光が見えてくる。

 シオはもう十分利用され、挙句世界を救ってくれたんだ、これ以上アイツを不幸な目にあわせてたまるか。

 

「とまあ、行動についてはこんな所」

 

「ん、まだ何かあるのか?」

 

 その一言でまた雰囲気が変わる。

 軽いノリに戻ったと言う訳でもなさそうだが、違う話をする様子だった。

 

「ちょっと確かめておきたいんだけどさ」

 

「何をだ?」

 

「ほら、この間リンドウさんとサクヤさんの結婚式あったじゃない」

 

「ああ、そうだな」

 

 結婚式。

 リンドウとサクヤが好き合っているというのは誰が見ても明白なものだったが、神機使い同士だ、何時死ぬかも解らないからそうはならないのかとも思った。

 それに少し前までの俺なら結婚式なんてものに興味はなかっただろう。

 だが、あの2人の姿を見ていいものだと思える様になった。

 幸せそうな2人の姿は他者をも幸せな気持ちにするのだと、そう実感できた。

 その結婚式が実現できたのもリーダーのお陰だ。

 半分アラガミ化しながらもリンドウを救い、連れ帰ったリーダーはやはり俺達にとって大きな存在だ。

 俺もコイツと一緒に戦ってかなり変わったのだと実感できる。

 

「でさ、ソウマはシオの事をどう思ってるの?」

 

「……は?」

 

 俺は暫くその言葉の意味が理解できなかった。

 そう言う事を考えた事もなかったのだから仕方が無いことだろう、などと言い訳を言ってみよう。

 

「私やアリサ、サクヤさん、それにコウタも妹みたいな感じなのよね。

 コウタに関しては実際妹がいて、その接し方を私も見てるから確実にそれと同じだと断言できる。

 でも貴方はどうなの? ソウマ。

 貴方にとってシオちゃんは妹のようなもの? それとも―――」

 

「おい、ちょっと待て、何でそんな事を急に?!」

 

 軽いノリの雰囲気ではなかった筈なのに、何故か不穏な笑みを浮かべるこの女が悪魔にも見える。

 何故だ、何故こうなった?

 

「もう、ハッキリしないわねぇ。

 ダメよ、感動の再会が待っているんだから、その時の態度って重要よ。

 あの子、最後には男女の違いも理解してたんだから。

 それに、あの子は間違いなく女の子よ、ペイラー博士よりも同じ乙女だからこそ断言するわ」

 

 確かにシオは外見上女の子と言えるものだ。

 しかしアラガミには元々雄も雌もない。

 外見上人の形に近く、女神を模したものもいるが、生殖を持って増えるわけではないアラガミに性別の概念はないのだ。

 だから、外見上女だからといってそれが『女』であるとは限らない。

 それをコイツは断言する。

 自らも宣言する通り、コイツの断言は博士に言われるよりも説得力があった。

 

「ま、答えを急いでも仕方ないわね。

 貴方そう言うのウトそうだし」

 

「悪かったな」

 

 答えを言えずにいた俺を尻目に、立ち上がりコイツは帰る素振りを見せた。

 あの問いから解放される事を安堵し、俺はそれそ座ったまま見送るだけだった。

 だが、最後にこの女は扉の前で振り返って告げるのだ。

 

「私は好きよ、貴方の事。

 人として、男として、誰よりも」

 

 ただ、そう告げて去ってゆく。

 俺は何の反応もできずにいた。

 アイツがなんと言ったのか理解するのに時間が掛かった。

 その告白をした時の顔は、俺の知らない顔だった。

 

「……」

 

 いつも軽いノリの女だ。

 だが、さっきのは冗談ではないと俺は思う。

 その真偽を見分けられる様な確証は何一つなく、経験もないが、そう思える。

 

「……やっぱり不味いな」

 

 俺は自然と貰ったジュースを飲んでいた。

 飲めたモンじゃないし、2度と飲む気も無かったのに、何故か今はその味を欲していた。

 

「初恋ジュース、か……」

 

 この形容し難い味は、確かにそうなのかもしれない。

 俺は、これから挑む事になる。

 どんなアラガミよりも厄介なこの問題に―――

 だが次の日、まだアーク計画で宇宙に上がり、ずっと帰ってこなかった連中から月の情報がもたらされる事になる。

 俺には悩んでいる時間はあまり無い様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

 

 と言う訳でゴッドイーター(バースト)の長編にもなりえる短編っぽいものを書いてみました。

 ゴッドイーターはお気に入りのゲームで、これがあったからこそモンハンにも手を出してしまったというのもあります。

 んで、バースト以前はどう見てもソウマが主人公でしたので、ソウマを主役においてみました。

 バースト以前の主人公の空気さといったらないですよね〜。

 そこだけは不満でした。

 なれば、逆にヒロインにしてしまえと言う訳でこんな形になりました。

 はたして誰得か。

 まあ、書いてるの本人は少なくとも楽しんでるんですけどね〜。