――――ぽたり

 一滴。

 

 ――――ポタリ

 一雫。

 

 

 髪、頬、腕、手からそれは落ちる。

 

 総てを塗り潰すほどの、綺麗で狂いそうな―――――アカ

 それはまだほんのりと温かい。

 

 

 灯一つとしてない、薄暗く随分と寂れた廃墟。

 その中をゆっくりと一定のペースで歩く一人の女。

 地を踏む度に堅い靴音が鳴り響く。

 

 両の手には真紅の如く染まった刀を携えて…。

 

 双眸には修羅を彷彿とさせる気迫を宿して…。

 

 

 彼女が歩んだ後に残るモノは、二つ。

 

 物言わぬ肉塊と成り果てたモノ。

 それと、先刻から滴り落ちているモノ。

 

 

 ――――――――――――アカノシズク

 

 

 床だけでなく、天井や壁面にもそれは見える。

 壁一面が、まるで一つの絵画。

 

 アカで埋め尽くされたその題名は――――――『混沌』

 

 

 

 

 赤朱朱紅朱紅赤朱朱紅朱紅

 

 赤朱紅赤朱赤朱紅赤

 

 朱赤朱紅赤朱赤朱紅赤朱紅赤朱

 

 

 彼女の外見は単純にして一色。

 頭の先から足先まで、その全てがアカ

 それはまさに、アカい衣を纏っている死神。

 

 死をもたらす、絶望を届ける、生を破壊する――――――剣鬼

 

 

 


 

 

悲哀の復讐剣鬼

 

 

作者:琉海

 


 

 

 

 

 

 「―――――そろそろ出て来たらどうだい」

 

 暗闇の先に向けて、言葉。

 声を荒げることなく、女は静かに口を開いた。

 

 全てを喰らい尽くすような、声。

 闇と同化して溶け込むような、声。

 

 

 声に篭められた殺意が、物陰に隠れている『敵』に向けて襲い掛かる。

 風を突き抜け、届けられるそれはまるで殺意の弾丸。

 

 全てを恐怖に陥れる剣鬼の声に、敵―――五十代の男は思わずビクッと身を震わせる。

 凍てつくような吹雪を当てられたような、寒気。

 体内の神経に電極を刺されたような、刺激。

 

 

 無意識にイメージした――――――――――

 

 

 剣鬼に瞬殺される、そんなイメージ。

 

 自身の末路は、無惨にもそこらに転がっている肉塊と同じ道を辿る。

 自然にそう思い浮かんだ。

 呆気なく【生】を奪われた、嘗ての部下で『仲間』たち。

 その仲間たちもそのように感じたのだろうか。

 

 

 カツン!

 

 業を煮やしたのか、剣鬼が動く。

 初動作は『歩く』というより『踏み込み』。

 脆くなり所々亀裂が入っている床を、蹴る。

 蹴ったときに発生する反動を利用して、低空姿勢のまま加速。

 水平に掲げられた双刀―――というより双つにほんの小太刀を持つ姿はまさに鬼。

 無計画に伸ばされた、綺麗で長い黒髪が風を切り、後ろに靡く。

 

 「―――フッ!!」

 

 声と共に、演舞のような足取りを踏む。

 握られた二刀の小太刀が風を切り、低い唸り声を挙げる。

 髪が舞い踊り、それに呼応するかのように小太刀が弧を描く。

 全てを巻き込み、全てを薙ぎ払う乱撃。

 

 

 轟という、爆発でも起きたような大きな音が建物内に響く。

 

 

 男の保護的役割、隠れ蓑である障害物を破壊。

 斬り上げられた小太刀によって、鉄製の扉は高々と宙を舞う。

 重力を無視するように、それは高く舞い上がった。

 それは、薄い紙製の扉ではないかと疑ってしまうほどだ。

 

 剣鬼は眼前の男を睨みつける。

 

 「ひっ!?」

 

 狭い個室に隠れていた男は、あまりの恐ろしさに声を挙げる。

 既に腰を抜かしていて、碌に立てない状態のようだ。

 その姿は情けないの一言に尽き、とてもじゃないがマフィアの幹部とは思えない。

 

 戦意など欠片もなく、男は最早どうすることも出来なかった。

 対処方法などは論外だ。

 思考能力も完全に低下していた。

 

 

 それほど剣鬼は人間離れをしていた。

 

 

 鉄製の扉を意図も容易く破壊し、男の仲間を軽く五十は殺害。

 更に、その身には傷一つ無く、全身には大量の返り血のみ。

 人間の戦闘レヴェルを完全に凌駕している。

 

 そして、その形相は人を喰らう羅刹のよう。

 人間離れ? 否!

 人間という領域を超えている!!

 

 

 「……な、何が望みだ? 金か?

  いくら積まれて儂らを殺しに来たか知らんが、儂はその倍出す!

  だから…………だから、儂だけは助けてくれ!!」

 

 「…………………………」

 

 腹の底から全てを搾り出すように叫んだ。

 煩く醜いくらい必死な懇願。

 そんな必死な命乞いにも関わらず、剣鬼は聞こえなかったのか、沈黙。

 その形相と殺気が凄味を増したのは気のせいだろうか。

 

 剣鬼が静かに動く。

 摺り足で両足の間隔を大きく広げ、腰を少し落とす。

 下半身は一般的な左半身構え。

 左腕は前方に突き出し、右腕は弓を射るように後方から肘を曲げるだけ。

 

 

 「……ぁ、あ……」

 

 絶対的な死。

 強烈な圧迫感で呼吸するのを忘れるくらい、息苦しく恐怖を感じる。

 巨大な闇に吸い込まれ、二度と帰って来れない。

 今いるのは、そんな絶対死空間。

 

 そう瞬時に感じ取った男は急いで口を開く。

 

 「ま、待て! 三倍出す!」

 「…………………………」

 

 「五倍!! いや、十倍出す!!」

 

 自分の身を護るためなら何でもする。

 その必死さが剣鬼まではっきりと伝わる。

 

 慌てて、大事に抱えていたアタッシュケースの中身を開け放つ。

 そこに入っていたのは、札束と白い粉。

 その顔は少し引き攣った笑顔。

 

 どうやら白い粉――――麻薬だろうが、それと札束があれば十倍はあると思っているらしい。

 この男、マフィアの会長に黙って独自のルートで儲けていてそれを自分の懐に入れていたのだ。

 剣鬼のことをマフィア内の誰かが依頼した暗殺者だと思っている。

 

 

 

 その見解自体が間違っていることも知らずに…。

 

 

 「私はね……」

 「……?」

 

 それらに興味ない、といった様子で静かに抑揚のない声。

 一旦、言葉を区切る。

 

 「……金目当てじゃないんだよ」

 「それじゃ――――――――ぎゃアぁァァ!?」

 

 男の言葉は最後まで紡がれなかった。

 疑問の声を挙げようとしたその瞬間、躯が焼けるように感じたからだ。

 それは鋭い鑢で思いっきり削られたような、熱い激痛。

 

 二刀の小太刀が繰り出す技によって、男は一瞬のうちに命を狩られた。

 

 

 ――小太刀二刀 御神流・裏――

   ――奥技之参 射抜――

 

 

 前頭部、喉、両肺への刺突と斬撃。

 超速での刺突を皮切りに、派生させて連撃を可能としている技。

 御神流でも特に速く、見切り難い奥技の一つ。

 剣鬼が最も得意とする技であり、流派最速奥技。

 

 

 

 「―――――あと、一人」

 

 袖で顔を拭う。

 

 ペンキでも顔に塗ったかのように、それは濃く張り付いていた。

 間近で人の血管を斬ったので、大量の返り血を浴びてしまったのだ。

 血のシャワーでも浴びたような、全身真紅の躯。

 床には大量の血が大きな水溜りを造っている。

 それは一種の芸術作品のよう。

 

 

 血の池に佇む剣鬼。

 

 

 地獄。

 そんな表現以外考えられないほどの、惨状。

 これで剣鬼が血を美味しく啜るような表情でもしていれば、完璧だろう。

 今は誰がどう見ても、完全に無表情だが…。

 

 赤い水溜りに映る自分を見て、剣鬼は思う。

 自身に染み付いた血の匂いはもう消えぬだろう。

 それだけ多くの人を殺してきたのだから。

 嗅ぎ慣れた血の匂いは罪人の証。

 

 だが、彼女は決して後悔していない。

 自ら望んで『この世界』に入ったのだから。

 

 

 

 

 剣鬼は自分の為すべきことを思い出し、部屋を抜けて廊下へ出る。

 相変わらず、物音一つない静かな世界。

 闇に囲まれた完全無音の空間。

 この廃墟だけ、実世界から隔離された異質な世界のようにも思える。

 もしかしたら、此処は既に闇に飲み込まれていて、この廃墟は黄泉の世界の入り口かもしれない。

 

 黄泉の世界に来た剣鬼。

 閻魔大王にでも喧嘩を売りに行くのだろうか。

 

 そんな暗黒世界を、剣鬼はゆっくりとした速度で歩く。

 堅い靴音は鳴らず、代わりにピチャピチャと、水音。

 無音世界だからこそ余計に木霊する、水音。

 血の池を何事も無く、歩く。

 

 

 ――――――歩く、歩く、歩く。

 

 

 電気が流れてこないエレベーターなど、只の鉄箱に過ぎない。

 一階から階段を使い、一部屋ずつ廻っている彼女。

 この廃墟、東西の建物から成り立っているが階段は東館にしかない。

 階の移動にはたった一つの階段を使うしかないのだ。

 だが、彼女はそれを使って上へと向かっている。

 つまり、まだ残っている敵は下へ逃げることなど不可能。

 上の階に逃げるしかないのだ。

 

 外の非常口は既に破壊されている。

 飛び降りるにしても、外で数十人もの【ハイエナみはり】がいる。

 考えるだけ無駄なのだ。

 上限がある建物にいる限り、見つかるのは時間の無駄。

 

 

 ――――――歩く、歩く、歩く。

 

 

 最後の階段を上り終えて、ついに辿り着いた最上階。

 長かった鬼ごっこも、この階で漸く終幕を迎える。

 今までと同じように、一つ一つ部屋を調べて行く。

 

 彼女が歩く度に響く靴音は、死の宣告カウントダウンなのかもしれない。

 死地へと追い込まれた、最後の敵。

 それは、まさに一歩ずつ死刑台を登る囚人のよう。

 

 

 彼女が歩く度に、死が近づく。

 

 

 

 「……………………」

 

 ある部屋の前で、ピタリと止まる。

 ドアノブを握ることなく、理解した。

 

 

 ――――ここに、いる。

 

 

 

 トクン、トクン、トクン

 

 瞳を閉じ、ゆっくりと深呼吸。

 一回、二回、三回と繰り返す。

 

 

 トク、トク、トク

 

 心臓の鼓動が速くなる。

 徐々にその間隔が短くなり、激しくなる。

 

 

 スゥゥ―――

 

 

 腰を落とし、前傾姿勢を構える。

 まだ瞳は閉じたままだ。

 鼓動は激しさを増して、細胞が、血液が、より一層騒ぎ出す。

 それは予兆していたのかもしれない。

 

 

 ドクンッ!

 

 今までで一番大きな鼓動が、脳に届いた。

 刹那――――開眼。

 

 

 脳にスイッチが入る。

 

 途端に、視界がモノクロの世界に変わる。

 色が死んだ、そんな白黒の世界。

 時が止まる、そんな虚無の世界。

 御神の名が持つ、自分だけの世界。

 

 巨大ゼリーの中を掻き分けるように、ゆっくりと駆け出す。

 躯に圧し掛かる重圧に耐えながら、ゆらりとスローモーションのように走る。

 時の流れを完全無視した、動き。

 

 ドアノブに手を掛けて、勢いよく扉を開けて部屋の中に入る。

 

 拳銃を扉に向けたまま止まっている敵。

 顎鬚を生やしているが、その年齢は先ほどの男より若干若い。

 男は、まるで人形のように微塵も動かない。

 剣鬼が入って来たことに気付いた様子もなく、固まっている。

 

 否!

 剣鬼以外の時間が全て止まっている。

 比喩ではなく、完全に刻がその働きを止めているのだ。

 

 そんな中も剣鬼は両の手に抜刀した小太刀を持ち、間合いを詰めている。

 

 

 

 

 そして、時が動き出す。

 

 剣鬼の視界にも、色が戻る。

 

 

 「――――!? ちぃ!!」

 

 男は突然のことに驚きつつも、しっかりと握り締めている拳銃の引鉄を引く。

 理由は解からないが危険だと察知し、咄嗟に引鉄を引いたのだろう。

 心の準備が出来ずに咄嗟の発砲。

 それは弾丸が発射された反動に負けることを意味する。

 

 後ろに体重が掛かり、思わず倒れそうになる。

 

 

 剣鬼は加速して、躯を捻り弾丸をやり過ごす。

 しっかりと狙いが定まらなかった弾丸の軌跡など、見切るのは容易い。

 紺の―――今は血の色をしている―――ジャケットの内側に手を入れる。

 

 御神流・暗器の一つ、飛針。

 

 手首のスナップだけで、手にしたそれを投げる。

 ダーツの要領で狙うは、銃口。

 

 ドォォォン!!

 

 爆発音と共に、拳銃が暴発する。

 硝煙が立ちこめ、視界が悪くなる。

 煙の中を猛進し、特攻する剣鬼。

 

 「―――――ハッ!」

 

 狙うは人体急所の数々。

 眼前の男を瞬殺する。

 

 

 ――小太刀二刀 御神流・裏――

   ――奥技之伍 花菱――

 

 

 小太刀と手足で、息も吐かぬ連撃。

 斬!打!薙!蹴!刺突!殴!裂!

 

 最後に側頭部へ。

 ―――――回し蹴り!

 

 

 

 軽くふっ飛び、地面に顔から叩き付けられる。

 威力からすれば文句のないくらい完璧な蹴り。

 

 だが、まだ男は辛うじて生きている。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――ヒュゥ、ヒュゥ

 

 

 

 乾いて掠れた、声。

 

 声帯を痛めたのか、満足に声も出せない様子。

 

 体中から止め処なく流れる、血。

 

 地に這い蹲り、逃げるように手足を動かす。

 

 

 それは鬼に怯える『虫』。

 

 

 

 

 

 

 ――――ゆらり

 

 足取りはゆっくりと…………

 

 

 ――――ゆらり

 

 振り降ろされた腕はゆっくりと…………

 

 

 

 

 

 

――――黄泉路へと誘う

 

 

 

 

 ザシュ!!

   クチュ!!

 

 

 闇夜に照らされた刃が『虫』を貫く。

 

 肉を引き裂く、音。

 痙攣を起こす、躯。

 最期に漏れる、声。

 

 終幕を迎える、命。

 

 

 

 ――――――――――――絶命

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 依頼された標的リストに目を通して、全員殺したことを確認する。

 

 軽い疲労を覚えつつも、足を進める。

 肉体と精神は休めと訴えているが、それを軽く無視。

 

 血を完全に拭き取った小太刀を鞘に納める。

 

 それは、敵がいなくなったことを示している。

 それでも、その表情は崩すことなく鋭いまま。

 常に周囲を配っているのか、それともこれが彼女の地なのか。

 

 

 ゆっくりと、歩く。

 上りに使った階段を、今度は下りる。

 一歩下りる度に揺れる髪。

 

 やがて一階へと辿り着き、廃墟を出る。

 出入り口で出迎えてくれたのは、毎回彼女に依頼を頼む代理人エージェント

 代理人を含めて何人もの人に今日の報告を済ませる。

 

 殲滅完了という報告を…。

 

 

 

 ふと、彼女は立ち止まって上を見上げる。

 何かを思ってのことではなく、本当に何気ないその行動。

 世界は既に深夜を迎えていて、少しばかり夜雲に隠れている月明かりが彼女を照らす。

 

 太陽のように強く激しくない、優しい光。

 愛しい人に見られているように、自然と表情が柔らかくなる。

 それに優しく微笑み返すそれは、天使の微笑み。

 剣鬼とは正反対の、表情。

 

 

 夜雲が過ぎ去り、月光が彼女全身を照らす。

 そこで、輝き返す物が一つ。

 

 彼女が唯一身に付けている貴金属。

 左薬指に光る、シンプルな銀の指輪。

 決して高価な物ではないが、彼女にとっては何よりも大切な物。

 

 

 「――――静馬さん、もう少しで【龍】に辿り着きます」

 

 

 その表情は、如何表現すればいいのか解からないくらい複雑。

 嬉しそうにも見えるが、逆に悲しそうにも見える。

 相反する感情が見事に混ざり合ったような、複情。

 

 だが、睨むように真剣な瞳には炎の如く決意があった。

 彼女の思念は誰にも止めることができない不屈の心。

 その心は折れずの刃。

 

 

 視線を月から前へと戻し、再び歩き出す。

 その顔は既に天使ではなく、全てを消滅させる――――剣鬼

 

 

 彼女が求めるのは金ではなく、情報。

 彼女から全てを奪った者たちの、情報。

 彼女が依頼を受ける理由が、情報。

 

 

 最終的に辿り着く場所に、【彼ら】はいる。

 

 彼女が刀を振るう、理由。

 彼女が生きている、意味。

 

 

 彼女の存在意義は、【彼ら】を消滅させることだけ。

 

 

 それは、全てを失った女。

 それは、復讐に生きる剣士。

 それは、絶望を届ける修羅。

 

 

 

 

 

 

 自室に帰った彼女は、浴室でシャワーを浴びる。

 

 

 温かいシャワーでも、彼女の寂しさは紛らわせない。

 

 

 どれだけ浴びようが、彼女の罪は洗い落とせない。

 

 

 浴室から出、着替えた彼女はそのままベッドに倒れる。

 

 

 心身ともに安らぎを求め――――――

 

 

 

 

 

 

 

―――――――意識が沈む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――すまねェな

 

 

 

 ――――――誰かの声が、聞こえる

 

 

 

 ――――――俺が逝っちまってサ

 

 

 

 ――――――何だろう、とても懐かしい、声。

 

 

 

 ――――――お前ばっか、辛い思いさせちまったな

 

 

 

 ――――――優しく掛けられる、声。

 

 

 

 ――――――けどよ、何もお前が罪を背負う必要はねェんだぜ

 

 

 

 ――――――何故か、無性に泣きたくなった

 

 

 

 ――――――やっぱよ、お前に刀は似合わねェって

 

 

 

 ――――――あぁ、段々とわかってきた

 

 

 

 ――――――だからな、もう刀を捨ててアイツの親として生きろ

 

 

 

 ――――――この声の主は、間違いない

 

 

 

 ――――――これは、俺の心からの願いだ

 

 

 

 ――――――兄さん

 

 

 


 

あとがき

 PC前のみなさん初めまして。
 SSというものを初めて書いてみました琉海です。

 とらハ3本編より少し前の話をテーマとして頑張ってみたつもりです。
 スポットライトを当てたのは、個人的にカッコいいと思うあの人。
 美由希・フィアッセ編で出て来る超重要人物です。

 この長さでも四苦八苦し、日を分けて執筆していたのでおかしいところがあるかもしれません。
 読み直しはきちんとしたつもりですが、それでもおかしいだろ、って思った方。
 スイマセン、それは完全に作者の力量不足です。
 ご容赦下さい。

 最後の会話(?)を自然な形にしたかったんですが、どうも上手くいきませんでした。
 投稿三日前までこの会話はなく、ダークで締めていたので急遽変更しました。

 誤字脱字は勿論、感想や技術的な指摘があれば遠慮なく言ってください。
 蛇足ですが、題名を考えるのに一番苦労しました。
 苦労の末できた題名が結構普通でゴメンナサイ。
 どうやら私はネーミングセンス零のようです。








管理人の感想


 何時も感想を書いてくださっている琉海さんからSSを頂きました。
 本編では一応ラスボスにあたる彼女の話。

 シリアスかつダークな話ですが、私はこういった話も好きですよ。
 嫌いなのは痛い系の話なのです。

 独特のテンポで、淡々と語るような感じ。
 彼女の心情が垣間見えるような話でした。
 自身も進む先は地獄と分かってるが、それでも進みつづけるしかない悲哀。
 友人が好きそうです。

 あの兄妹と戦うまで救われないのが悲しいですな。



感想は次の作品への原動力なので、送っていただけると作者の方も喜ばれると思いますよー。

感想はメールBBSまで。