学力定着度調査 国語

 

T 結果の概要

「漢字」「言語事項」「文学的文章」「説明的文章」「作文」の5つの領域の中で、習熟基準を上回ったのは、1つです。

 習熟基準を上回ったのは、「言語事項」で、その中でも、修飾・被修飾の関係をとらえること、多義語を使い分けることがよくできています。

 一方、「漢字」「文学的文章」「説明的文章」「作文」が習熟基準を下回っています。「漢字」では、特に「漢字の書き」の力が弱いことがわかり、努力を要する結果となっています。また、「作文」では、特に「考えが明確になるように、段落相互の関係を考えること」「描く必要のある事柄を収集したり選択したりすること」の力をつけていくことが課題であることがわかりました。

 この結果を受けて、本年度の指導体制や指導を見直し、学習内容の確実な定着に向けて取り組んでいきます。

 

U 結果の分析と解説

 1漢字

@     漢字の読み

 

内容

習熟基準

正答率

@

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

80.0

55.6

A

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

90.0

94.4

B

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

95.0

88.9

C

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

80.0

50.0

D

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

65.0

77.8

E

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

80.0

77.8

F

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

75.0

55.6

G

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

90.0

94.4

H

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

70.0

72.2

I

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

70.0

50.0

 

平均

     79.5    

71.7

解説

   設問は、「第五学年までに配当されている漢字を読む」ですが、音読みの熟語が7問中5問で習熟基準を下回っています。訓読みの漢字は3問中2問で習熟基準を上回っています。繰り返しの練習(漢字カルタ等、意欲を持って取り組めるような工夫)が必要です。

 

A     漢字の書き

 

内容

習熟基準

正答率

@

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

85.0

38.9

A

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

75.0

66.7

B

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

60.0

38.9

C

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

80.0

44.4

D

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

70.0

44.4

E

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

50.0

0.0

F

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

80.0

50.0

G

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

85.0

61.1

H

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

75.0

83.3

I

学年別配当表の第5学年までに配当されている漢字

50.0

0.0

 

平均

71.0

42.3

解説

   習熟基準を下回っており、漢字の書きの定着度が低いことがわかります。今後も繰り返し指導、練習していくことが必要です。

 

2 言語事項

@文法に関する知識

 

内容

習熟基準

正答率

@

主語・述語の関係をとらえることができる

60.0

61.1

A

修飾・被修飾の関係をとらえることができる

70.0

88.9

B

接続語の働きをとらえることができる

90.0

   77.8

 

平均

73.3

75.9

解説

  全体的には習熟度に達成していますが、接続語の働きをとらえることが難しいようでした。この結果からは文の理解はできるが、文と文のつながりをとらえることに課題が見られます。

 

 A語句に関する知識

 

内容

習熟基準

正答率

@

ローマ字を理解し、読むことができる

55.0

55.6

A

類義語を使い分けることができる

90.0

94.4

B

多義語の意味がわかる

85.0

94.4

C

熟語の構成がわかる

75.0

61.1

D

国語辞典の使い方がわかる

60.0

61.1

 

平均

73.0

73.3

解説

   設問5問中4問で習熟基準を上回っています。類義語を使い分けることと多義語の意味が分かることはよい結果でした。しかし、今回も熟語の構成がわかることについては、基準値を下回りました。原因をはっきりさせて振り返る指導が必要です。

 

3 文学的な文章の読み取り

 

内容

習熟基準

正答率

@

叙述をもとに、場面の様子を読み取ることができる

90.0

77.8

A

叙述をもとに、登場人物の様子を読み取ることができる

85.0

72.2

B

叙述をもとに、場面の様子を読み取ることができる。

75.0

83.3

C

叙述をもとに、登場人物の様子を読み取ることができる

75.0

61.1

 

平均

81.3

73.6

解説

設問4問中3問で習熟基準を下回っています。全体的に叙述をもとに場面や登場人物の気持ちを読み取ることに課題が見られ、指導の改善が必要となっています。

 

4 説明的な文章の読み取り

 

内容

習熟基準

正答率

@

細かい点に注意して文章を読むことができる

85.0

77.8

A

細かい点に注意して文章を読むことができる

80.0

72.2

B

内容を大きくまとめながら文章を読むことができる

75.0

72.2

C

内容を大きくまとめながら文章を読むことができる

85.0

83.3

D

中心となる語や文をとらえて、段落の要点をとらえることができる。

65.0

55.6

 

平均

78.0

72.2

解説

すべての設問で習熟基準を下回る結果になりました。特に、中心となる語や文をとらえて、段落の要点をとらえる力をつけることが課題になっています。大事な文を見つけたり、要点をとらえながら読むことの指導の改善が必要となっています。

 

5 作文

 

内容

習熟基準

正答率

@

相手や目的に応じて、適切に書くことができる

75.0

66.7

A

考えが明確になるように、段落相互の関係を考えることができる

65.0

44.4

B

書く必要のある事柄を収集したり選択したりすることができる(活用)

65.0

25.0

C

書く必要のある事柄を収集したり選択したりすることができる(活用)

75.0

61.1

 

平均

70.0

49.3

解説

  すべての設問で習熟基準を大幅に下回る結果になりました。特に、段落相互の関係を

考えることや、書く必要のある事柄を収集したり選択したりすることが課題となり、指導の

改善が必要となっています。

 

V 結果から明らかになった課題

 1 昨年度の取り組みと成果

  前年度の課題であった、「説明的な文章の読み書き」の力をつけられるように、国語の説明文の学習では、指示語が示す内容を捉え段落相互の関係を捉えられるように学習計画を立てました。しかし、文章を細かく読み取ることはまだ身についていません。

・物語文の読み取りでは、「叙述をもとに場面の様子を読み取る」力を付けられるように、ポイントを押さえて学習を進めました。低学年では、「@自分の立場をはっきりさせるA根拠を見つけるB意見を明確にする」、高学年では、「@登場人物の気持ちがわかる表現を見つける(根拠を見つける)A叙述をもとに心情や人柄を読み取り表現する」というように、段階を踏んで物語文を読み進める練習をしてきましたが、十分に身につけることができませんでした。

  前年度と同様に、3年生以上の教室に辞書を常備し、調べる活動を日常的に行ってきました。その結果、辞書の使い方や語句に関する興味・関心が高まって知識に結び付き、習熟基準を上回りました。今後も引き続き、辞書を使った指導を継続していきます。

  年間を通じて、朝読書の時間や図書の時間を確保することや、読書週間を設け、全校で帯作りや本の紹介をしたことで、本に触れる機会が増え、読書量が年度当初に比べ、2倍近く増えていることがわかりました。学年の年間目標である1000冊を超えることができました。「言語事項」の領域で、習熟基準を上回っており、読書量が増えたことによる効果もうかがえます。

  音読カードに評価の観点を示すことで、家庭学習では、保護者も観点を意識しながら親子で取り組むようになり、場面の様子を想像して気持ちをこめて読める児童が増えてきています。

 

 2 結果の考察

  漢字学習については、生活の中でよく使う漢字の読みは定着しています。しかし、そうでない漢字については、定着していないことが分かります。また、漢字の書きについては、習熟基準を下回っており、既習の漢字を作文で必ず用いたり、反復練習したりすることが必要で、今後の課題です。

  文法・語句に関する知識は、一定の定着が見られました。昨年度の課題であった主語・述語をとらえる問題の理解についても、定着が見られるようになってきました。

  文学的文章の読み取りでは、場面や登場人物の様子をとらえて読むことが身に付いておらず、文章中の言葉を手がかりに想像を広げながら読むことの指導が必要となっています

  説明的文章の読み取りでは、要点をとらえながら読むことが充分に身に付いていません。また、細かい点に注意しながら文章を読む力が弱く、読みの段階的な指導が必要となっています。

  作文では、段落相互の関係を考えることや、書く必要のある事柄を収集したり選択したりすることに課題があります。説明的な文章の読み取りの力をつけることと合わせて、指導の工夫が必要となっています。

 

 

 

 

 

 

 3 課題

  以上のような結果の考察から、本校の児童の国語科で課題をまとめると次の3点に絞られます。

@    文章の読み取りの力を育てること、

A    主語・述語の関係や指示語が示す内容を捉え、段落相互の関係に気をつけながら読んだり書いたりすること

B    漢字学習は、読みと書きを対応させて確実に書く力をつけること

 

 

W 今後の改善・対策

 1 目標

  全設問のうち、4分の3以上の設問で習熟基準を超えること。

 
 

 

 


 2 改善・対策 

  @ 改善の視点

  年間を通じ校内研究で、学力の向上のため、文章の読みとりや文法の指導を強化する。

  漢字の習得については、モジュールの時間を使って、身に付けるまでやりとげる反復学習の徹底を図る。

  小中連携の中で中学から要求され、学習課題となっている「敬語の習得」にも丁寧な指導を取り入れていくことに努める。

 

A    対策

○漢字・言語事項

  漢字の「読みや書き」の定着を図るため、漢字ステージ・ドリルを用いてスモールステップで小テストを行い、間違えたところを繰り返し練習させる。

  同学年が同じ規格のノートを使用させ、「ノートの使い方の手引き(漢字学習)」を用いて漢字学習の仕方を指導し、定着を図る。

  漢字ステージを年間2回繰り返し学習し、漢字の定着を図る。(1学期:読み、2学期:書き、3学期:作文)

  言葉や漢字を自ら調べ、日常的に使えるよう2年生以上の教室には辞書を常備し、活用させるようにする。また、個人持ちの辞書もあわせて使用する。

  単元の最初に、辞書を使った漢字や言葉調べの時間を設定し、言語の定着を図る。

  主語・述語などの文の構成、敬語、ことわざ、慣用句や指示語の内容理解の力を付けるために、既習の言語・文法事項を月に1時間指導する。また、プリントなどを使い、モジュールの時間や家庭学習などでくり返し学習する。

・ 朝の学習の時間に、既習の言語事項を確認する時間を設定したり敬語に関する指導を取り入れたりし、言語事項の定着をはかる。

・ 当該学年の漢字・ローマ字一覧表を教室に掲示し、見通しをもたせる。

○ 読むこと

  音読カード・読書カードを用いて学校と家庭で音読・読書を行い、読書の習慣化を図るため、必ず教師が評価する。

  児童が様々な種類の本に親しめるようにするために、図書の時間の中で、図書館司書と協力して資料を用意したり掲示を工夫したりして読書指導を行う。

  読書の習慣を身に付けられるようにするために、毎週金曜日の朝の学習の時間に15分程度の音読を行う時間を設定する。

  読書に親しむために、本校の特色である朝読書、地域ボランティアや保護者ボランティアによる読み聞かせ(1年生から6年生は月に1度、3組は月に2度)、各学期の読書週間を継続していく。

  読書の幅を広げさせるため図書室に、「本の紹介コーナー」を作り、いろいろな種類の読み物に系統的・計画的に触れさせる。

・ 児童につけさせたい力として、全教員間で「読解力の育成」を共通認識し、校内研究の主題を「読んで考える児童の育成」として、低・中・高・特に分かれ発達段階に合わせた研究を進めていき、系統だった指導のあり方や指導の工夫をまとめていく。

○ 書くこと

・ 日記や作文では、低、中、高学年で、それぞれの重点について次のことを中心にして指導を行う。

    (低学年)事柄の順序を考えながら、文と文との続き方に注意して文章を書くことができる。

(中学年)はじめ・中・終わりを考え、伝えたいことを明確にし、段落を意識して文章を書くことができる。

(高学年)目的や意図に応じて、事実と意見を分けて文章を書くことができる。

(全学年)習った漢字を使って書くことができる。

  ・ ノートの取り方、まとめ方の定着を図るために、同学年が同じ規格のノートを使用し、「ノートの使い方の手引き(国語)」を用いて発達段階に応じて系統立って指導する。

 

 

X 学力の検証方法

  年度の初めと終わりに全学年でCRTテストを実施し、学力の定着度を調査、考察し、課題を明らかにして、その解決に重点をおいた指導をする。その結果などについて保護者会で説明する。

  保護者会、学年・学級便りにおいて、学力向上のための取り組みとその達成状況を報告する。