ノー・ウォー美術家の集い横浜 事務局/2017年6月20日
[声明]
国民の心を監視し犯罪者に仕立てる悪法

「共謀罪」の廃止を求めます

安倍自公政権は6月15日未明、国民の多数が徹底審議を求め中、参議院法務委員会の審議を 途中でやめ、本会議での「中間報告」を強行採決する暴挙で「共謀罪」成立させました。
「共謀罪」はオリンピックのテロ対策を掲げて提案されたものの当初案には「テロ対策」の言葉も 入っておらず、野党の追及の中で対象犯罪が277にも及ぶことが明らかになり、全ての国民を犯 罪者集団に仕立て上げ、戦前の治安維持法の時代を復活させることができる法案であることが 明らかになりました。
国連のプライバシー関連特別委員会からも「プライバシーや表現の自由が侵される危険」が指摘 されるなど国内外の厳しい批判、疑問が突き付けられました。これに対して安倍政権はまともな 説明ができず、ウソとゴマカシ、去勢を張った脅迫まがいの反論で開き直るところにまで追い詰 められた中での議席数に頼った強行採決でした。マスコミ各種メディアがこの暴挙を一斉に批判 したのは当然です。
美術界の歴史を振り返ると、戦前の治安維持法の時代、麻生三郎、井上長三郎、松本俊介など が戦時下で作った美術団体・新人会の展覧会を、私服の警察が来て見て回り“人の大勢いる絵 はプロレタリア芸術”“わからない絵はシュールレアリズム”と決めつけ、弾圧の口実にしたため 画家たちが自主規制して無難な絵を並べた、と言う悲しい事実もありました。私たちはこのよう な時代に逆戻りさせる動きを許すわけにはいきません。

6月16日、通常国会は終了しましたが、今国会は安倍首相の事実隠し、開き直りが繰り返され、 これに倣って閣僚らのウソ答弁、問題発言が続き、恥知らずな問題行動も相次ぎました。森友、 加計学園への首相や夫人、閣僚や官僚らの関与(疑惑)も明らかになり、国民の安倍政権への 怒りや疑問が広がりました。「共謀罪」強行採決はこうした政権の行きづまりから出た暴挙とも言 われていますが、この暴挙を許したままにしていたら、日本の民主主義は崩壊し、自公政権の目指す 「戦争できる国」に逆戻りするのは明らかです。

私たち表現者は監視社会の中には生きられません。ウソと詭弁、暴言がまかり通り、民主主義 が蹂躙される安倍一強支配をこれ以上許すわけにいかないと、強く思っているところです。
先ずは、国民の心を監視し犯罪者に仕立てる「共謀罪」を廃止させましょう。
みんなの力を集めて、国会で乱暴狼藉を繰り返す安倍政権を打倒し、憲法を守る大きなうねりを つくるために、手をつなぎましょう。