望めば叶う (3)

NO WAR on IRAQ ! 3・15大集会  小雨に傘を差して家を出たが、有楽町駅に降りた時にはそれが要らなくなっていた。誰か一緒に行か ないかと幾人かに声を掛けてみたのだが、今回はみな不都合で連れはいない。しかしこういうものは実際 にその場に行って自分の目で見てみたら、美術もそうだけど、テレビや写真と違う何かがあるんじゃない かなと思いながら。(加藤義郎)
 
写真左は日比谷野外音楽堂の舞台前で、右は外堀通りのパレード。

主催者が「緩やかな連帯」というように、呼びかけ人の顔ぶれも井上ひさし、梅原猛、なだ いなだ、 三木睦子、湯川れい子氏など28名が名を連ねている。舞台の上にはその中の数人も椅子に掛けていて、 他にも大勢の知らない人たちが並んでいる。テレビでよく見かける国会議員も一人いて短い挨拶を した。女性歌手が美空ひばりの歌を歌ったがそれが「愛 燦々」だったか「川の流れのように」 だったか憶えていないほど、色々な人が話しをしたり、大きく伸ばしたイラクの人の写真を見せ ながら「イラクの人々は親日家の良い人ばかり」と写真家が話したり、フランス、スイス、カナダ人 からなる反戦平和活動家の一団が、戦争をやめさせようという世界中の人々との連帯と、ブッシュ 大統領への抗議をフランス語で述べたり…と、まだある。

 舞台に登場する人たちに、主催者の意向か特に若い人が目立った。「全国高校生平和 大集会に来てください」という制服組あり、反戦平和の歌を合唱するあり、ニューヨーク で売られていたという鳩の足形の「ピースマーク」のパンを日本のパン屋に注文して作 らせ、棒の先に掲げて立つ若い女性たちは「このパンを食べて、平和な世界に」と訴え たり。
 旗やプラカードを見ると、職人組合、労働組合、政党などのちゃんと染め抜いたり印刷 した物もいつもの様にあるが、色々なグループや個人がそれぞれに手作りした物もある。 また派手な色のマントを作って着ている若者たちから、団扇にマジックインクで「イラ クの子どもを殺すな! 」とか「大人も殺すな!」と書いた簡単な物から、ブッシュとビン ラディンの顔写真を並べて「テロリスト達」と書いてあったり、それぞれに戦争を阻止 したい気持ちを表していて、一つの表現の場になっている。

 集会のプログラムは真宗大谷派住職の話の後に、米国大統領と日本国首相に抗議と 要求をする決議を読み上げて、銀座へ行進することになった。その日の参加者数は約1万 人、集まったカンパが札だけで120万、コインは集計中だが合わせて200万円か?と、銀座 パレードを待機している時に主催者から放送があった。わたしも焼きそばとビールをやめ てその金を袋に入れたが、平均額を計算してみると1人200円。なるほどと納得し、また 考えさせるものでもある。
 パレードが外堀通りから東京駅に向かう途中で行列に加わる人も多く見かけたが、わた しは横浜市民ギャラリーでの友人たちのグループ展の幕開けに立ち会うという用事があり、 銀座四丁目からひとり列を離れて駅に向かった。

 電車のなかで考えた。
 わが日本国政府は「アメリカ追随の戦争加担」との批判を「世論は誤る事がある」と言 い抜け、「アメリカはやると言ったらやる」と何もしないでイラク攻撃を傍観あるいは 内心アメリカを応援しているような評論家たちがテレビに登場しているが、つい先刻あ の舞台に立って話した人たちは、「戦争は悪だ、やめろーっ」と声を挙げている。「人間には 二種類ある」との元暴走族ケンタウロス・ボスの言葉を思い出してしまった。
 因みにその2種類とは「オートバイに乗る人間と、乗らない人間」 Click here!意味が大分違いますが…。
   あ、そういえば、池田龍雄さんが共同代表の1人になっている「報復戦争に反対する 会」には多くの大学教授、弁護士などが名を連ねているが、今日の集会の「呼びかけ人」 の中に1人も入っていないな、と気がついた。(2003年3月16日)


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