★「ノー・ウォー横浜美術家の集い」が神奈川県庁記者クラブで「アピール」を発表することになった時に…。

な ん で ?
「美術家がなんで政治的発言をするのか?」
と学生に訊かれたという大学の教師をしている知人から、若い記者はこんな質問する かも知れないよと忠告があったので、
「だって、美術家である前に人間だもん。そんでもって日本人だから、戦争しないって 憲法もってるしぃー。なのに小泉首相ったらハイテク軍艦を遠い外国に出動させ、いつ でも戦争できるようにしてるんよ。これって違反でないかい? 違反はいかんよ、だれ だって!」
という答えも用意していたのだが無駄になった。今や世界は、「美術家はノンキに絵を 描いたり石を彫ってればいい」という状況ではないということを、若い記者たちも その上司も認識していると思える翌日の記事だった。

それまでに、「報復戦争に反対する会」(弓削 達、池田龍雄氏らが共同代表) が5万人の集会とデモ行進をしても、一般の新聞やテレビは無視して報道しな かったので、じつは私たち「美術家の集い」の記者会見が設定された時も、幾つの 社が来るかなと話題になった。
が、相手はどうであれ、こちらの人数に不足があってはならないと当日は自主的に 9人が集まった。記者の方はそれより少しだけ少なかったが、幹事社に訊くと 「大体ほとんど」ということだったので「まずは善し」となった。

★記者会見に至るまでの経過のあらまし。
9.11NYテロ後のアメリカによる報復アフガン戦争と、それに続く「イラク攻撃」の 日に日に緊迫してくる情勢に、世界各地で「戦争阻止」の大運動が起きはじめ、また 米国NY市民の大衆デモも報じられた。
日本国政府ははやばやと米軍を支援するためにイージス艦を差し向け、これを「日米 安保」に理由付けしているが、米国がイラクから攻撃されたわけでもないのにねぇ…。 この条約そのものが憲法違反であるとする説を持ち出すまでもなく、日本政府の 今していることは日本国民にも、世界人類にも不幸をもたらすに違いない。

そんな鬱積した気持ちを抱きながら何もしない、できない、良心の疼きを感じていた 美術家仲間は、年明けてすぐの1月12日、『チョムスキー 9.11 Power and Terror 』と いう映画の試写会があるのを知って集まり、映画の後に残った約十名は、「まず我々 が戦争・ノーと声を挙げよう」という意志を固めた。
直ぐに3項目の「アピール文」(詳細はここ)が練られ、 各人が知人に声を掛けたり、また同月下旬の私の個展「やかん・横浜」の10日間の間 にもそれへの賛同者を募り、2月3日に53名の賛同者の名簿を配って神奈川県庁記者 クラブで発表することになった。 (2003.2.24記)

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