いやぁ、いろいろ変わりすぎで、まずはどこから話して良いやら。 「ガガーブ三部作」としての整合性もそうですが、シナリオ重厚化に伴って、年齢も変更されていますが、ここはあまり気にしないでプレイしていたので気にしないことにします。

アヴィン

一番変わらなかったのはアヴィンかもしれません。 とは言え、全般にやる気があるというか、積極性が増しました。 特にアイメル再会後に再び引き裂かれるわけですが、その後が非常に積極的です。 98版ではどちらかというと受け身で、何となく真実の島へ行った気がしますが、Win版では積極的に神託を受けようとしています。 この辺は「英雄」らしさが増したと言うことでしょうか。

しかし、もっともインパクトがあったのはなんと言ってもエンディングのルティスとの会話! 「アヴィンは鈍い」と言う偏見が崩れ去った(笑)のもそうですが、一人で旅立つルティスにあのセリフが言えるものですかねぇ。 ああ、やっぱりゲームの中のキャラクターだよ...と思わず思ってしまいました。 しかし、ああいう関係でいられる信頼感はどこかうらやましいですねぇ(笑)。

アイメル

アイメルです。 98版では非常に印象が薄く、せっかく会えたと思ったらすぐマドラムに殺されてしまい、後はエンディングまで出てこなかったわけです。

しかし!!!!

Win版での待遇は全く違います。 まず、ドゥルガーの娘と言う設定。 これは精霊神ドゥルガーの巫女という役柄ですが、これがオクトゥム復活を狙うオクトゥムの使徒達に狙われる原因ともなり、アイメルをむごいまでの運命に縛り付けます。

アイメル再会後のアヴィンとの会話。 はじめは巫女という運命を直視し、それと共に生きていく決心に満ちた語調です。 バロアをアヴィン・マイルと一緒に一通り散歩した後、コンロッド宅前でアヴィン一人にぽつりぽつりと話し出すアイメル。 さっきまでの彼女はあくまで空元気であることに気づかされます。 「うわああああああん!!」 と泣き出したときには、かなりぐっと来ました。 私には弟がいるわけですが、こんな妹なら一人ほしいと思ってしまったほどです。

後半のアイメルはさらわれてしまっていて、ほとんどでてこないので残念でした。 しかし、エンディングではしっかりブラコンぶりを発揮してくれています。(^^)

マイル

アヴィンの親友、マイルです。 プロローグでいきなりやってくれます。 閉じきっていたアヴィンにしつこいまでにつきまとい、ネフティスへの感謝のお祭りに何とか連れて行きました。 お祭りのメインイベントはお札を流してうまく流れていけば願いは叶う、というものですね。 アヴィンもアイメルへ会いたいと挑戦するのに、滅多に失敗しないはずが、お札は途中で沈んでしまう...。 「どうせもう会えないんだ」 と心を閉ざすアヴィンに対し、マイルがすかさずしたお願いは、「アヴィンがアイメルに会えますように!」でした。 いきなり私の涙腺を刺激しまくってくれました。

マイルと言えばシャノンですが、この構図はWin版でも大して変わっていません。 ただ、98版ではシャノンはマイルを生き長らえさせたいがために、オクトゥムにマイルの魂を売ってしまうわけですが、今回はマイルの死をしばらく知らずにいたようです。 かなり重要な役柄だったのに、今回はかなり薄れてしまいました。 まあ、シャノンだしいいか。(^^)

しっかし、ラストでくるのがまさかマイルとは。 ずっとミッシェルがいつ抜けるのか不安で仕方がなかったですね。 オクトゥムの使徒側がマイルを操って使う、というストーリーは想像していたので、銀髪の青年という単語がでてきた段階で「ああ、こりゃマイルだな」と思い、ラストパーティー参加も危惧していたのですが、まさに的中でした。

個人的に護りの鈴でマイルの意志が戻るというのはありきたりだなぁと思いました。 音で何とかなるというのは檻歌につながる部分かな、と思ってちょっとおもしろかったですが。

ルティス

一時期ヒロインをアイメルに奪われたと思ってしまったルティスですが、やはりヒロインはルティスでした。

序盤のルティスはオクトゥム側のメッセージの代弁者で、強がりにしか聞こえなかった98版と違って、かなり信じ込んでいるように聞こえます。 結局のところ、かなり短期間で考えを変えてしまうわけですが...。 最後までベリアスを様付けで呼ぶのはその点では良かったと思いました。

しかしルティスの本質はやはりエンディングにありますね。 いまだ残るオクトゥムの使徒の残党を説得する。 闇から光を見いだした云々、と言っていましたが、それは決して自信過剰なのではなく、確かにその通りなのだと思います。

そして、説得の旅を助けたいというアヴィンと、それを断るルティス。 さらに勢いに乗って「好きだ」と言いそうになるアヴィンと、それを制するルティス。 闇に生きるオクトゥムの使徒にとって、あなた(アヴィン)の様な人は妬みの対象でしかない。 そして、それを(好きだと)言われたら、あなたに頼ってしまうから...。 ああ、やっぱりヒロインですね。

今回のルティスは白魔法も使えるのでびっくりでした。 ストーリー上、ルティスが白魔法使えないと回復役の空白期間が出来てしまいますからね...。

シャノン

設定資料集の順で行くと次はシャノンですね。 でもマイルのところで書いたしいいや(^^)。 デザインが変わったのが印象的でした。

ガウェイン

いや〜、確かに力の賢者ですよ、ガウェインさん。 初登場でハーミットブーツつけさせたときは、彼の独り舞台という感じでした。

三賢者の中では唯一現役バリバリ(^^)の方ですね。 しかし賢者と言いながら未だいろいろと学ぶことのが多い方で、この辺はディナーケンに比べると親近度3倍(独自調査に基づく(^^)の理由でしょう。

98版ではミッシェルとは旧知の仲であったようですが、今回は真実の島で初めて会ったことになったようです。 また、マドラムとの絡みが結局ただの師弟という紹介のみだった気がします。 この辺はもうちょっと突っ込んでほしかったところですね。

マドラム

98版では生きていることを呪うがいい。嘆くがいい。しかし・・・生きていることは素晴らしい。だからこそ・・・生きているものが果たさなければならぬ事がある。という名ぜりふを残したマドラム。 Win版ではさらに暗殺者という肩書きもはずれ、むしろアヴィン達の味方のように行動しました。 と言うのも、マドラムの恋人、と言っていいのでしょうか、ドミニクも、アイメルと同じくドゥルガーの娘であり、マドラムとしては、これ以上誰もドゥルガーの娘の被害にあってほしくないから、のようです。 とはいえ、「俺はすでに修羅の道に身を投げた」の様なことを言っていたように思いますが、この辺をよく考えると、やはり修羅の道へは完全に入ることは出来なかったのでしょう。

しかし、マドラムが何のために行動していたのか、最後までよくわからなかったですね。 最期に犠牲となって死ぬのは、らしくない気がしました。 98版でアヴィンに破れ、十人目の正神殿の死者となる、という設定がこびりついているからでしょうか。 真紅の炎を使ったというのはなかなか意外でした。

ダグラス

今回、かなり印象に強いサブキャラクターなのがダグラス。 98版で感じていた雰囲気とずいぶん違うというか...「あんたそんなに強かったんかい!!」というのが本音ですね。 「迅雷のダグラス」なんて異名をとるとは、いやはや、すごい出世です(^^)。 人物的にも、まさにアヴィンの兄貴分、いいやつです。 しかもきちんと笑いもとっていて、自信過剰な筋肉バカでしかなく神剣ヒュペリオンのためだけにしか仲間にしなかったあのころとは大違いです。

Win版の戦闘の特徴と言えば技の導入がその一つにあげられますが、これはダグラスのため、と言ってもまあ過言ではないでしょう。 彼は魔法が使えない、と言う設定上、通常武器のみではどうしても不利です。 そのためか、ダグラスの固有技は他の人に比べて回数が多く設定されていたようです。

もう一つダグラスと言えばカストルから受け継いだ雷光剣。 なんだ、ヒュペリオンじゃないのか、とちょっと残念ではありましたが、結局ダグラスがパーティーの間は、これは使わないんですよね。 一時期、アヴィンに預けられていたときがあって、そのとき、なぜかアヴィンが装備できる(^^)。 攻撃力165と、ずば抜けて強いのですが、硬直が24なので、通常使うのは困難です。 さすがは剣聖の剣、使用者がそれなりのものでないと、使いこなせないと言うことですね。

ルキアス

ダグラスの妹弟子と言うのはどこかとってつけたような設定ですね。 「女剣士サフィー」にも、そんな話はなかったように思ったし...。 ああ、98版と比較してばかりだからこう感じてしまうんですね。 純粋に考えれば、よくありがちな設定かな、と思ったりします。 ダグラスに雷光剣を使わせないための演出としては妥当な線かと思いますが。 ちょっと引き延ばしすぎたかな、と言う気がしなくもありません。

しかしルキアスってまだ23歳なんですね。 この若さですでにかつての冒険が本になってエル・フィルディン中に広まり、各地に固定ファンがいる...。 いったい何歳から冒険者やっていたんだぁ(笑)。

アルチェム

15歳なのにやたら大人びた少女、アルチェムです。 「私、図々しいことを考えて...」ときちんと前振りをしておいて、後でルティスに譲る、いやぁ、大人です。 でもアヴィンって本当に鈍いなぁ、と歯ぎしりしたくなりますね。 もう頭の中はアイメルしかいないのか。(^^;;

後はそうですねぇ、ミーファですか。 あれは便利な動物だなぁ、くらいにしか感じませんね。 設定がいかにも、なので。 アルチェムはその便利な動物を使うための便利な仲間...。 うーん、こういうのって好きじゃないんですよ、私。

ミューズ

ええっと、本名何でしたっけ。 本名がえらく長いおてんばお姫様、ミューズです。

ミューズ以外に王の親族が出てこないところを見ると、どうやら彼女が次期王位継承者のようですが、「おいおい、いいの」ってくらい、最前線で戦いますね。 まあ、後ろで指図だけしている指揮官より、好感は持てますが。 お付き役のマーティとしてはとんでもないと言ったところでしょう。(^^)

戦闘での彼女は、と言うと、鞭は片手で射程もあり、硬直も少な目なので重宝しました。 精霊魔法は、と言うと、使わなくても勝てたのでほとんど使っていません(笑)。 私、基本的に力押し大好きですし。

マーティ

前回に比べておとぼけ度250%(推定値)のマーティです。 よく大臣試験通ったなぁ、と言うのが正直なところです。

前回はただの本の虫、でしたが、今回は魔法大学校出の秀才、冒険者としては先輩格、になりました。 前半はいいのですが、後半はむ〜〜、と言う感じです。 ジジキ洞窟突入のボス戦では、マーティだけ気絶していたし...(-_-;;

戦闘中も、攻撃はアヴィン以下、魔法も黒魔法でアヴィンとかぶっていて、技が属性付きの技なのはいいのですが、回数制限のせいでボスにしか使えないので有効でない、と。 ああ、マーティ、どうしてこんなにひどい扱いなんだ...。 ミューズのお付き役なんて、お払い箱としか思えない!(^^)

コンロッド

いつの間に男爵になって、きれいな奥さんまで手に入れてしまったコンロッドです。 バロア男爵なので地元を動けず、どうしても影が薄くなりがちと思いきや、アイメル保護という重大な役目を持っていたので存在感はかなりありますね。 しかもやたらに角が取れたというか、丸くなったという印象です。 しかし男爵さんも大変ですね。 あんなにひっきりなしに魔獣が現れて、過労死しないんでしょうか。

戦闘でのコンロッドは.....やはり記憶に薄いです。 精霊魔法も...考えれば一度も使わなかったように思います。 戦闘で印象に強いのは98版の海賊戦でアヴィン(私は地の精霊魔法でした)と同じエントを召還して、フリーズの原因になってくれたことでしょうか。 同時に召還されて、精霊も怒ったんですね〜。

ラエル

あー、ラエルです。 ほとんど98版と同じキャラでした。 でも、まだ魔法大学校の生徒でした。

いやー、しかしラエルのいたずらには毎度腹を立てていたので、(だいたい、生命の書を奪われたのはラエルのせいなんですよ!!)コロナで村人達に謝る時がありますが、わざわざ全員をまわって謝らせました(^^)。

そういえばラエルと言えばテレポートだったんですが...。 今回はアヴィン以外の黒魔法家はみなLvがあがれば使えたし、使うべきイベントもなかったので一度も見ずに終わりました。 戦闘もあまり印象的ではない...。 むしろ、ラエルのテーマと言ってもいいような、あのいたずらっぽいテーマが耳にこびりついています(笑)。

エレノア

いつの間にやら魔法大学校の教師になっていたエレノアです。 しかも美人度250%だそうです(エレノア比)。

とにかく先生になっていたのが印象的です。 ラエルという悪ガキ相手に奮闘しているのには思わずエールを送ってしまいました。

Win版では精霊使いは戦闘ではやはり影が薄いという感じですね。 エレノアは攻撃技が貧弱なので水の精霊は使いましたが。 やはり、固有技の追加は魔法の存在感を薄めますねぇ。

そういえば初期版初期設定ではエレノアはエル・フィルディン第一王女と言う設定のようですね。 えらい変わり様ですね。

ミッシェル

ガガーブ三部作制覇の大魔導士ミッシェル・ド・ラップ・ヘブンです。 その割に98版では大した魔法も使えず、どこが大魔導士なんだと思っていましたが、Win版ではかなり強力な魔法が使えるようになりました。 なんと言っても、リーン・カルナシオン。 ミッシェルしか使えない、と言う設定には驚かされました(実はマイルも使えたわけですが)。 そしてその上位版ブルー・アセンション。 これは本当にミッシェルだけ。 ファルコムは大魔導士としての実力をこの辺に持ってきたようです。

ミッシェルの初登場は真実の島で、いきなり並外れた魔力の持ち主と言うことを示してくれます。 彼の役割はどちらかというと「困ったときのミッシェル様」だったのですが、今回はどちらかというと「困ったときのマドラム」だったので、二回目の登場はずっと後になってしまいました。 しかし、ミッシェルが溺れるというのはどうも合点がいかない...。 オクトゥムの結界があることをミッシェルほどの使い手がわからなかったというのでしょうか。 アヴィンでさえ(それがどれほどのものとは気づいていなかったですが)、何かがあると言うことがわかっていたのに。 個人的にはもっと颯爽と登場してほしかったですね。

その後のエピソードで興味深かったのがアイトン洞窟だったかでの真紅の炎探し。 英雄伝説IIIでは白き魔女がネガル島の人々に真紅の炎づくりを教えたことになっていますが、オルテガがゲルドに入れ知恵したんでしょうかねぇ。 ちなみに真紅の炎って全部でいくつ見つかるんでしょう。 私はどうしても4つしか見つかりませんでした(もらえたのは聖槌フリュステン)。 きっとくれるものが変わるんでしょうが...。

そしてラストに近づくにつれて、いつまでミッシェルがパーティーにいるのかだんだん不安になりました。 話の流れ上、エル・フィルディン人が決着をつけるべきだと思っていたので、ミッシェルが離れるのは確実だったのですが...。 まさか、まさかのマイルだったんですねぇ。 まあ、半分予想はしていましたが。

トーマス

この人もガガーブ三部作制覇です。 Vはただのキザ男に成り下がってしまったわけですが、IIIではさらにギャンブル好きのじいさんになってしまいます...。 もっとも落ちぶれたのはトーマスだろうなぁ(笑)。

トーマスの非情性を表すイベントがあります。 初めてバロアに着いたあとに魔獣が襲ってきたときのトーマスのセリフです。 戦いに行く、と言うアヴィン達に対して「ふぅむ・・・・・・まあ気をつけて行って来てくれよ」。 これはないだろトーマス!!

ベリアス

実はベリアスも真実の島で啓示を受けていたんですね。 彼は半世紀ほど後のラウアールの波について知ったようです。 それに人間が対応するには体の砕け散ったバルドゥスではなく、単に封印されているだけのオクトゥムの力を使おうとしたようです。 バルドゥスとオクトゥム、双方の存在についてわかったとき、ベリアスの願いは決して叶うものではないとわかるわけですが、しかしその動機はしっかりと描写されています。 私は何でも善悪を決めてしまうのは基本的に嫌いですし、悪と言われるものにもそれなりに原因があってそうなっている場合が多いと思います。 98版でもそうでしたが、ベリアスは単純に破壊を好むわけではなく、オクトゥムの持つ可能性に賭けようとしていたわけです。

まあ、大きな犠牲を回避するための小さな犠牲、と言う考え方は難しいことではありますね。 私ならばどうするだろう。 本当に、難しい。

ボルゲイド

トップがまともな目的を持っていたとしても部下は必ずしもそうではないと言う一例です。 ボルゲイドは本当にベリアスの真の目的を理解していたんですかねぇ。 ま、よくありがちな構図ではありますが。

そういえば98版に「ボルゲリング」というアイテムがありましたが、関連あるのかな...?

バスター

秘められたルティスへの想い。 バスターもまた、時代の激流に飲み込まれて死んでいった人です。


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