みなさんは「黒い家」と言う映画をご存じですか? ご存じなければそれで十分です。 知っている必要性は感じられませんね。 まあ、駄作です。
元々私はホラーというジャンルが好きではないですが、友達がホラーを一緒に見ようと言うので無理矢理見せられてしまいました。 しかし、ぜーんぜん面白くなかったです。
まず、これは怖いと言うより、陰惨なだけです。 中盤くらいまでは怖くてわなわなすることもある程度可能でしたが、ラストに行くに従ってダメになっていきます。 単に目を背けたくなるだけです。 R指定はついていなかったように思いますが、こんなの間違って子供に見せてしまったら親は一生悔やむことになるでしょう。 これだけですでに見る価値がありません。
次に、ありがちなのですが、出てくる科学知識が非常にうさんくさいです。 って言うか、もはや忘れましたが、見た瞬間「嘘言うな」って感じでした。 こちらを暗示にかけたいなら、もう少しうまくやらないとダメです。
そして、これが極めつけの欠点なのですが、ストーリーがあまりに不自然です。 主人公が犯罪者に巻き込まれていくわけですが、私には主人公が敢えて巻き込まれようとしているように見えました。 「逃れようとしても襲いかかってくる恐怖」を描きたかったのだと思いますが、まったくそう言う風には感じられません。 恐怖におびえる被害者ならば、自分で解決しようとせずに警察などに頼るのが普通かと思いますが、この主人公は何故かそうしません。 意味不明です。
あと、時間的に不自然だったりとか、まーもう変な話です。 所々の挿入的なシーンもよくわかりません。
脚本家だか監督だか知りませんが、全体を通して何を言いたいのか、さっぱり理解できません。 単に恐怖を描きたかったのか? それならもっと怖くする方法はあったと思いますね。 映画シロウトの私がそう思うんだから、間違いないでしょう。
親友のCarmineさんがボロクソかつ理論的に批判されていますが、私も同じように思いますね。 そもそも、この映画を見て自分の欲望が満たされる人間なんて皆無かと思いますし、良識があれば、もう一度見る気なぞ起こりようがない程度の内容です。 陰惨さを見せつけることによってそれを自制させようとするにしても、やり過ぎもいいところですし、映画自体はなんの救いにもなっていないので、万が一「黒い家」の犯罪者のような考え方をしてしまう人がいたとしても、映画が自制にはなり得ないと思います。
興味本位で見ることは絶対におすすめしません。 ビデオ店で「今、売れています」とか「店長おすすめ」と書いてあってもそれは嘘です。 在庫が残っているからそうやっているとしか思えない程度の映画です。 地上波のテレビでやることはまずないでしょうが、やったとしても放映したテレビ局の理性を疑いましょう。 いや、もう、本当です。
えらいボロクソですね。 まーしかし、私がホラー嫌いなのを差し引いても余りある映画です。