現代アメリカに生きるヴァンパイアがインタビューに答えて自分の半生を語る、と言う、面白い発想の映画です。 主演がブラッド・ピット、助演がトム・クルーズで、二人ともいい味だしてます。 特にトム・クルーズ。 彼のシャープな顔ほど、ヴァンパイアに似合う顔は無い、と言いたくなるほどはまり役です。
映画は記者がヴァンパイアのルイ(ピット)にインタビューを申し込んで、ルイがそれを快諾するところから始まります。 ルイはアメリカがイギリスの植民地だった頃の移民で牧場主でしたが、妻に先立たれ、沈んだ毎日を過ごしていました。 そんな彼に近づいたのが、ヴァンパイアのレスタト(クルーズ)でした。 レスタトに噛まれてヴァンパイアとなったルイの新しい生活が始まります。 吸血して殺人を犯すことができずにつらい思いをしたり、母を亡くした少女をヴァンパイアにしてしまったり、様々な出来事をルイは語ります。
流れはゆっくりなのですが、画面から目が離せないのが不思議です。 セットや衣装は素人判断ですが良くできていると思います。 話が話なので気持ち悪いシーンもあるにはあるのですが、「血は絶対見たくない」と言う人以外ならたぶんだいたい大丈夫でしょう。
で、映画を見ていて思ったこと。 人にもよりますが、人間が年を重ねるうちに経験に裏打ちされた深い思考ができるようになると思うのですが、ヴァンパイアはそうではないそうです。 外見上変わらないと言うのはそれでよいのですが、精神的にも変化できないらしいと言うのは変な気がしました。 と言うのは、少女がヴァンパイアになるのですが、子供は限りない欲望があるのでヴァンパイアにしてはならないらしいのです。 つまり「見た目は子供、頭脳は大人」と言う例の探偵少年くんのようにはならないと言うことです。 これじゃ、ヴァンパイアの人生(?)って意外に面白くなさそうです。
是非一度見てみてください。 って言っても、もう見たことのある人の方が多いかもしれませんが。