リトルダンサーはちょっと前の映画ですが、大きな映画館と言うよりも、独立系の映画館でやっているような感じの映画です。 あらすじは、イギリスの片田舎で、ダンスに興味を持ってしまった少年が家族の反対を受けながらも、ロンドンのロイヤルバレエに入団するというもの。 父親と兄が炭坑閉鎖に反対して行っているストライキの場面を織り交ぜながら、少年の価値観の変化を描いていきます。

主人公は「男らしくいたい」と言う価値観を強く持っているのですが、これが周りのせいでどんどんくずれていく過程がこの映画の醍醐味です。 まあ、本人が何故か女の子がやっているバレエに興味を持ってしまうところからして、元からその方向性はあったのでしょうが。 男友達が実は女装趣味(父親の影響)だったり、バレエの先生の娘に変な誘惑をされたり。 ある意味、ねじが一つか二つはずれてしまったような人が多いです。 まあ、それが面白いのですが。

特に面白いのが女装趣味の男友達のマイケル。 彼がいないとこの話は成立しません。 主人公の一番の友達で、まあ、なんというか、いろいろ「そっち」の気があると描かれています。 マイケルが露骨に女装したりするので、主人公は「女っぽいのは嫌いだ」みたいに言うのですが、それが「ダンスは女のやるもの」と言う事との間に生まれた矛盾が見所となっているわけです。

マイケルも最後まで夢を捨てなかったようで、主人公の初演にはしっかり黒人男性をお連れにして見に来ています。 これほどの見物はないみたいなことを言いながら。

これ、おすすめです。 見て「あ〜、映画だな〜」って思いました。