Netscapeに思うこと、第三段です。 Mozillaも順調にバージョンアップを重ね、とうとう0.9.4(執筆時点)までなりましたが、これがなかなか、良くできています。 折しもInternet Explorer 6もリリースされましたが、HTMLのレンダリング性能は、昔からそうでしたが、やはりMozilla/Netscape 6系統が勝っています。 この文章ではそのことについて書いてみたいと思います。 ちなみに、過去のNetscapeに思うこともあります。

なお、NetscapeとかInternet Explorerは各社の登録商標のはず、です。 Mozillaはぱっと見た感じではよくわかりませんでした。 ごめんなさい。


さて、みなさんは普段どのようなブラウザをお使いですか? 主要なものではやはりInternet Explorerでしょうか。 あるいはそのコンポーネントを使用した、DonutやBugBrowserなどもあるでしょうか。 私も普段はDonutを使っています。 軽快さと便利さを兼ね備えているからです。

しかし、最近非常に気になるのがMozillaブラウザです。 ご存じの方も多いでしょうが、MozillaブラウザはNetscape6.xの基となっているオープンソースのブラウザです。 これがどう気になるかというと、最近、CSS2のセレクタに対応していることに気がついたのです。 もしかすると、ずっと前からなのかもしれませんが、「まさか対応しているわけがない」と試していなかったのが失敗でした。 ある日ふと、ダメ元で試してみると...あれ、対応してる。 最近HTML書いていてもなんか不毛だったのですが、久々に感動(謎)しました。

CSS2のセレクタとは、例えば子供セレクタ。 p>em{font-size:200%;}などとすると、p要素の子供要素であるem要素にのみマッチします。 p要素の中にa要素があって、その中にem要素がある、と言うような場合にはマッチしません。 あるいは、隣接セレクタ。 h1+h2{margin-top:1ex;}では、h1要素の直後にあるh2要素にマッチします。 属性セレクタに対応しているのは以前から知っていましたが、これらについては驚きました。 あと、:before(と:after)疑似要素にも対応しているのにはおもわず「Mozillaすごい!!」と唸ってしまいました。

このあとOpera 5.12でも試してみたら、Operaはやはり対応していましたが、日本語が表示できないのでどうしようもありません。 その点、Mozillaはフォントさえあれば各国語が表示できるので素晴らしいです。 あと、Operaはレンダリングに明らかなバグがあるような気もしますが...?

で、対して2001年9月にリリースされたInternet Explorer 6(IE6)ですが、IE5とはあまり変わらない出来になっています。 目玉機能はP3P対応のCookie制御でしょうか。 しかしながら、P3Pと言うのはいまいちわかりにくい上に、P3Pによってプライバシーポリシーを記述しているサイトは極めて少ないと思われます。 むしろ、他のセキュリティ設定とCookieの設定を分離するようになったことの方がメリットでしょう。

個人的には期待感のあった「パーソナルバー」ですが、どうやらユーザーの反応が芳しくなく、削除されたもようです。 パーソナルバーのカスタムバーもサイドパーティーから提供されていたのに、いささか残念です。

しかも、CSS1への対応は広がったものの、CSS2についてはおそらくまだまだと言う感じです。 特に、上記の子供セレクタや隣接セレクタ、属性セレクタには是非対応してもらいたかったのですが、かないませんでした。 新しい規格に対応するよりも、既存規格の発展系への対応の方が楽だと思うのですが、そうではないのでしょうか。

さて、Mozilla/Netscape 6に話を戻すと、ずいぶん最適化も進んで、速くなってきたことが感じられます。 Netscape 6.0や6.01に比べると、6.1の起動は断然速いですし、同じことがMozillaにも言えて、特に、Windows起動時からトレイに常駐する機能は体感の起動速度を劇的に高めます。 Mozillaは特に0.9.4になって速くなったそうです(私にはよくわかりませんでしたが)。 Mozilla0.9.3でも0.8.xに比べればかなり高速化したと思いますが、プログラムの最適化はかなり進んでいるようです。

と、こうしてIEに対する不利なところがかなり軽減されてきたと思います。 私はやったことがないですが、Mozillaでは設定をいじることで邪魔なポップアップ広告を抑制することも可能なようです。 また、Cookieに関しても、以前からCookieマネージャが付属しており、サイトごとにCookieを受け入れる/受け入れない、と言うことくらいはできました。 他にぱっと思いつくことと言えば、ユーザースタイルシートの指定が(少なくともGUIでは)できないと言うことでしょうか。

と言うわけで、Mozillaも短期間でかなり進化してきており、これを標準のブラウザとして選択するかどうか、考える余地はありそうです。 特に、IEにおけるタブブラウザもいくつか開発されているようであり、今後が期待されます。 もちろん、IEも現在のシェアにおごることなく、(個人的にはCSS2やCSS3への対応などの)開発を進めていってもらいたいものです。 競争あってこそ、進歩していくわけですから。