あんな話こんな話

動物とはり灸治療

患者さんで猫が大好きな人がいます。捨てられた猫を見るとほっておけません。

おかげで20数匹の猫がいるそうです。その人が車にはねられた子猫を拾いました。

幸い骨折はしてなかったのですが、頭をやられて左半身麻痺でした。

獣医さんに連れていって一命は取り留めましたが、座れません。

おまけに癲癇のような痙攣発作があります。

獣医さんはこれ以上は無理だと言うそうです。

これを針灸でなんとかならないかとつれてきました。

わたしは猫は苦手だし、とてもよくなるとは思えないので、お断りしました。

ところが今度はその人のお母さんから電話で、なんとか頼むと言うのです。

とうとう断りきれなくなって、だめもとでやることになりました。

全体に小児鍼の要領で軽い鍼をして、手触りでここかなというところにお灸をしました。

治療?後猫はぐっすり眠ってしまいました。

翌日電話がかかってきて、おかげさまで座れるようになりました。

と言われて、こちらがびっくり。

だいぶ前のことですが、家で飼っていた犬が大怪我をしたことがあります。

獣医さんではだめで死ぬのを待つばかりでした。

黙ってみているわけにも行かないので、鍼をして、お灸をしました。

灸をすると体を摺り付けてきました。

あくる日になるとすっかり元気になって、びっくりしました。

もう一度お灸をし様としましたが、逃げて回ってやらせませんでした。

メニエル、めまいと家庭内暴力

<41歳の男性でした。メニエルの診断で入院先の病院から治療に来る人。

針灸の治療でずいぶん良くなり、もうすぐ退院ですねといっていると、

突然救急車で運ばれるようなひどい発作を起こします。

そんなことを数回繰り返し、こちらもわけがわかりません。

たまたま奥さんが腰が痛いので治療してくれと行ってきました。

いろいろと家庭の事を聞いているうちに、息子さんの話になりました。

成績も良いし、外ではとても良い子なのだそうです。

ところが中3になってから、家庭内で暴力を振るうようになり、

時には妹や母親にバットを振り回すそうです。

思い余って学校に相談に行くと、成績も良いし、いいお子さんじゃありませんかと

まるで取り合ってくれません。

警察に行っても、別に事件を起こしたわけじゃないからと言うそうです。

よくよく聞いてみると、お子さんの暴れた時期と、ご主人の発作が一致している。

これでやっとわけがわかりました。

幸いなことに、それからしばらくして、息子さんが希望の高校に合格しました。

それと同時に憑き物が落ちた様に息子さんが暴れなくなりました。

ご主人もそれからは順調に回復され、まもなく退院、社会復帰しました。

癌研で胃癌だといわれた婦人。

80歳女性。痩せた小柄な人で飄々とした性格。

私も症状を聞いたときは、胃癌だと思った。

掛かり付けの内科の先生も、そう思っていたらしく、

胃 にオデキがあるかもしれないといわれたという。

心配して付いてきた娘さんが、どうしたものでしょうというので

ただ心配しているよりどこか大きなところで診てもらったら、という。

早速癌研に行って診てもらうと、案の定胃癌だといわれた。

すぐに切りましょうと言われたが、本人は切りたくないと言う。

娘さんがノイローゼになりそうに心配するので、

癌研でそう言うのなら間違いはないと思うが、ひょっとと言う事もあるから

もう一箇所診てもらったらどうですと言う。

それで別の癌研に行ってみることになった。

そこでは、似ているがちょっと違うような気がすると言われた。

月に一度胃カメラを飲んで、切片をとって検査することになった。

毎月検査に行ってくると具合が悪くなる。

いろいろ治療をしてやっと具合がよくなってくるとまた検査

こんなことを小1年。

もう そろそろやめたらどうです、と言う。

そのあとも いろいろと多少の変化はあったが

その時々で はり灸治療をして、これと言う大わずらいはなかった。

この人が一昨年95歳でなくなった。

その間に、元気で病気しらずだったご主人が癌でなくなり、

心配していた娘さんは脳溢血でなくなり

結局一番心配していたひとが最後まで残った。

子供とはり灸治療

子供や赤ちゃんに鍼や灸をするというと、

え?と思う方もいるかもしれません。

関西では盛んで、小児専門の治療院もあると聞きます。

昔は全国で子供の虫きりとして普通にやったものです。

子供には よほどでない限り、大人と違って刺しません。

軽くなでるだけです。

見ているとおまじないのようですが、これで とてもよく効きます。

お灸も普通は背中に一箇所ごく小さくしてすえるだけです。

よほどお腹の弱い子には お臍の横にすえることもあります。

夜泣き、消化不良、喘息、百日咳、アトピー、風邪、

体質改善などなんにでも使います。

子供は神様が守ってくださると言いますが、

大人よりもずっと効果があります。

時には治療した私たちが信じられないくらいの効果を

あらわす事もあります。

実際の症例をいくつか治験例のページに書いておきました。



エアコンと病気

こんな患者さんがありました、

22歳女性、変な咳きが出てとまらない

心配になって病院で検査をしたが、特に異常はないといわれたという。

咳きの方は数回の治療で収まったが、

考えてみると今の会社に勤めるようになって

毎年夏になると こんな咳きが出るという。

会社の席の位置を聞いてみると、エアコンのまん前だという。

変な匂いがしませんかと聞くと、エアコンからいやなにおいがするという。

きっとエアコンと関係があると思うから 会社に言って席を替えてもらうか

せめてエアコンの掃除をしてもらうように言う。

エアコンを開けてみたら カビとホコリで真っ黒だったそうです。

こんな例だけでなくエアコンの風がもとで 体調を崩している人は多いものです。

特に職場では机の位置が決まると、体の同じ場所に風を受けますので

たいてい そこがやられます。

それがもとでひどい神経痛のようになる人も多いものです。

だいぶ前の事ですが

ネーム屋さんで、右の背中と腰だけが ひどく悪い人がいました

奥の方まで ひどく悪くなっていて なかなかよくなりません。

聞いてみると 家が狭いのでエアコンのまん前で仕事をするそうで

その風が左の背中にいつも もろにあたるそうです。

注意はしたのですが、部屋が狭いので

ミシンの位置を変えようがないといいます。

これではなかなか治りません。

知人で夏になるといつも背中や首がひどく張って、

脈は風邪のようになる人がいます

聞いてみると、住まいがマンションの南西の角の最上階だそうで

夜になっても部屋の温度が下がらないので

クーラーをバンバンかけるそうです。

本人に言わせると自分は暑がりだし、眠れないのでしかたがないといいます。

眠ると生体の防御反応が鈍りますので、体は無防備に近くなります。

寒いところで酔っ払って戸外で眠りこんだ人が凍死するのがよい例です。

皆さんにエアコンや扇風機の怖さを話すのですが 

なかなか解ってくれませんねー。2000.9.13.



癌という病気 2000.9.20

癌はいまや国民病ともいえる病気です。

なにしろ三人に一人はは癌で死ぬんですから。

生活習慣病の一つだとか、免疫力の低下だとか、いろんなことを言われます。

実は私の母の家系も、昔風に言えば癌筋でして

母方の祖父も 叔父も 叔母も 母も 癌になりました。

叔母は膀胱癌で手術後10年、77歳、、

母は胃癌で手術後5年 85歳になります。

二人とも 漢方薬とはり灸治療をやっているせいか元気です。

先日こんな話を読みました。

あるお医者さんの話です。

その先生の患者さんで、

かなり進んだ胃癌の人がいたそうです。

癌とは いいにくいので、胃潰瘍だが性質が良くないので

手術しましょうといったのだそうです。

ところがその患者さんのいわく

自分はいま魚釣りがおもしろくて、入院なんかしている暇はない

潰瘍ぐらいなら内服薬で治してくれ。

いまさら 実は癌だともいえないので、奥さんを呼んで

説得してくれる様に頼んだそうです。

しかし本人は頑として承知せず、

そのうち病院にも来なくなったのだそうです。

それから2年ほどして、町を歩いていたら後ろから声をかけられて

振り返ると その人がすっかり元気そうにしていたそうです。

びっくりして はじめは幽霊かと思ったそうです。

いやがる本人を無理に説得して 検査だけさせてもらったところ

あんなにひどかった癌が跡形もなく消えていたそうです。

癌という病気は不思議な病気で、

生きている事が楽しくて、ありがたくてという心境になれると

癌が消えてしまったという話を 時々聞きます。



こんな例もあります。

患者さんの叔父さんになる人が 当時75歳くらいだったでしょうか、

見つかったときは前立腺癌で骨にまで達していて

手術もできない状態だったそうです。

それから数年して、その患者さんが、

叔父さんが 東京に遊びに来たいというのだが こちらで具合悪くなられてもなー

といいます。

まさかあの叔父さんじゃないでしょうというと

いやあの叔父さんだよといいます。

そのときは遊びに来てご機嫌で帰られたそうです。

もう10年ほどになりますが

いまでもお元気だそうです。

癌はどこに行ったのでしょうね。

ついでにもう一つ

もう20年近くにもなります。

患者さんの弟さんが鼻の癌で

余命3ヶ月と診断されたそうです。

ところが入院中にその人が経営していた会社が倒産して

借金取りが病院まで押しかけてくるので

ご本人は こんなことしてられないので退院して働くというのだが

あんた癌だからともいえずねー と、お姉さん。

ところが本人が

強引に退院して働き始めたのだそうです。

そうしたら元気が出てきて

それから7年くらいはお元気だったのは知っていました。

その患者さんが先日ほんとに久しぶりに見えて

娘さんが子宮癌で手術した話をなさるので

弟さんの事を思い出して聞いたら

いまも元気ですよの返事にびっくり。

癌がみんなこんな風だと良いのですが

なかには癌だと聞いたただけで寝こんでしまって

たいした癌でもないのに落ち込んでしまって亡くなる方もあるそうです。2000.9.20.

未病(みびょう)を治す

最近 東洋医学の特徴は未病を治すことだという話をよく目にします。

未病を治すというのは 体調を崩してはいるのだが、

病気としてまだ現れないうちに、早く治療をして、病気の芽をつんでしまい 

発病させないようにする事を言います。

有名な話では、2000年ほど前に書かれた、史記という本に出てくる話です。

伝説の名医 扁鵲というひとが斉の国を訪れたときの事です。

斉の国の桓侯という王様にお目にかかった折、

「あなたにはご病気がありますが、

まだ皮膚の表面の浅いところにとどまっております。

治療されないとだんだんに深くなりましょう。」と申し上げました。

ところが桓侯は、「わしには病気はない」といい

扁鵲が退出すると、おそばにいた人たちに

「あの医者は、利益を貪るにもほどがある。病気でもないものを病人にしたてて

手がら顔をしようとする」と。

五日の後 扁鵲はまた、謁見して「王さまにはご病気があり、血脈の中にあります。

治療されないと、恐らくもっと深くに入るでしょう。」

と申し上げました。

桓侯はまた「わしには病気はない」といい、扁鵲が退出すると、

やはりご機嫌が悪くなりました。

さらに五日、扁鵲はまた謁見して「王さなにはご病気があり、胃腸の間にあります。

早く治療されないとさらに深くなりましょう。」と申し上げました。

桓侯はこれにも返事をせず、扁鵲が退出すると、いよいよ不興でした。

さらに五日の後、扁鵲はまた謁見しましたがこんどは、謁見しただけで

なにも言わず 黙って逃げ出しました。

桓侯もさすがに気になって、人をやってその理由を問わせると

「病気が皮膚にとどまっている間は、煎じ薬やあぶり薬で効き、

それが血脈にあるようになると金属や石の鍼でなければ効かず、

それが胃腸にあるようになると、まだ煎じ薬で効くのであるが、さらに深くなって

骨髄にあるようになってしまっては、手遅れでどうすることもできないのです。

侯の病は、今や骨髄に達しています。

それで私は治療などと言う事を言わなかったのです。」と。

はたして それから五日の後、桓侯はからだが痛み出しました。

ひとをやって扁鵲を召しましたが、扁鵲はすでに逃げ去ったあとでした。

桓侯はついに病死しました。

この話に出てくるように、ご本人が体になんの異常も感じないうちに

病気の芽を見つけて治してしまうのを、未病を治すといいます。

ガンの早期発見や、生活習慣病の予防的治療もそのうちにはいるでしょう。

漢方ではこの扁鵲の様に、顔を見ただけでわかるのを神の位、

話している声を聞いただけでわかるのを 聖人の位だといいます。

日本独自に発達した診察方である腹診によってもその人の体質や

不摂生をするとこうなりやすいということがわかります。

しかし残念な事に、このお話に出てくる桓侯という王様と同じように、

たいていの人は ご自分に自覚症状が出ないと、お話してもわかってくれません。

また こんな大げさな話しでなくとも、

病院に行っても何ともないといわれた。

近頃体力の衰えを感じる。

病後体調が戻らない。

疲れが取れにくくなった。

このような日常的な症状のときに、メンテナンスをして、

大きな病気につなげないことも、

未病を治すと言う事のひとつだといえるでしょう。

鍼の太さと深さ

鍼というと、皆さん縫い針を連想される方が多いようです。

あの太い鍼をずぶりと・・・

考えただけでも怖いと言う方も多いようです。

確かに私達が治療に使う鍼には、太いものも細いものもあります。

私の習った先生のなかに も太い まるでお線香ぐらいもある鍼を、 

えいっつ!と気合もろとも刺す先生もありました。

私も始めて見たときはびっくりしました。

ところがこの先生は大変お上手で ちっとも痛くないのです。

実際に刺してもらって2度びっくりでした。

また毛鍼と言う 髪の毛の様に細い鍼を 自在に使う先生もありました。

これもなれないうちは曲がってしまって なかなかうまく使えないものです。

私の場合は相性と言うのか、太い鍼にはなかなかなじめず

けっきょく細い鍼を使う先生に 師事して教えていただきました。

中国の漢の時代に書かれたと言われる、霊枢という本の根結編と言うところに

こんな話が載っています。

王公、大人の様に日ごろ肉のような 高カロリーのご馳走を食べている人たちと

普段アカザや豆のような粗末な食事をしている労働者と、

同じような鍼治療をすべきか?と言う質問に対して

岐伯と言う名医が答えていうには

「王公 大人のように 普段 高カロリーのご馳走ばかり食べている人たちは、

粗食をしている労働者に比べると 体が柔らかく脆く

筋肉も軟弱で 血気の流れが、速く軽いので、小さな細い鍼を使って、

浅く軽い治療をしなければならない。」 と。

今の日本人の生活を見てみると、昔に比べて ほとんどの人が 食べるもの

着るものなど 昔の王侯貴族のような生活をしているわけです。

実際に私のところでも、中には深い鍼を必要とする人もいますが

ほとんどは 皮膚に触れるだけの ごく浅い鍼をしなければいけない人が

増えています。

そればかりか、はり灸治療の項で触れた、

刺さないで こする鍼や、押さえる鍼を必要とする人がずいぶんいます。

気がついたら一月経っていたひどい便秘

57歳、女性。とても働き者で、才女である。

私は便秘だけは絶対しないように気をつけているという。

何かあったんですかと聞くと

数年前の事、

元日の朝、トイレに行きたくなって行ったんだが出ない。

そのうち気分が悪くなってきて、たまたまご主人がそばを通ったようなので

大声を出した。

ご主人がびっくりして救急車を呼んで病院に連れていった。

そこの先生が高圧浣腸をしてくれたが 便がカチカチになっていて液が入っていかない。

仕方なく先生が指で便を掻き出してくれた。

先生は元日早々こんな事をさせると怒るし、恥ずかしいし

散々んな目に会った。

しかし考えて見ると、忙しかったりなんかで12月になってトイレに行った覚えがない。

実に1ヶ月分たまっていたわけである。

肛門と言うものは二重構造になっていて、内側の括約筋は腸の刺激によって開き、

外側は自分の意志で開くと言う。

便が一定量たまると、その刺激で内側は開こうとするが、忙しいとか

ここでトイレに行きたくないとか(女性に多いが・・・)

そんな意志が働くと、外側の括約筋にストップがかかってしまう。

そうこうしているうちに、括約筋は刺激になれやすいので

便意そのものがなくなってしまう。

落ちついて、さて行きましょうと思っても今度は、内側の括約筋が

前以上の刺激がないと開かない。

それに大腸で水分の再吸収をするので、時間と共に便がカチカチになる。

と こんな事情だった様です。

皆様もお気をつけください。

最近は便秘と大腸ガンの関係もうるさく言われています。

カチカチになった便は、腸や血管を圧迫して 痔にも悪い影響を与えます。

赤ちゃんの診断は難しい

知り合いの薬局の先生から聞いた話です。

そこの息子さんがまだ乳児のころの話です。多分戦前の・・・。

緑便になってどんどん弱っていくので、当時有名だった小児科に連れていったそうです。

そこの診断は 食べすぎ。

指示どおりに 授乳の回数を減らしてみたが,ますます弱っていくばかり。

ご実家に電話して 『うちの子はダメかもしれない』

『よい先生を知っているから往診してもらおう』

来てくださった先生は なんとも風采の上がらない先生。

その先生の診察の結果「この子は栄養失調ですよ」

有名小児科とまるで反対の診断。

『でもちゃんと母乳は出てますよ」

『乳を飲ませる前と 飲ませたあとの体重を 計ったことがありますか?』

早速計ってみると ほとんど増えていない。

乳首を押さえると母乳が出るので、てっきり十分に出ていると思いこんでいた。

当時は まだ粉ミルクが出ていなかったそうで、困っていたら、

幸いなことに たまたま、乳吸い器を買いに来たお客さんがいて

「余っているならうちの子にください」

その方が快く承知してくれたので 幸いにも無事に育ったそうです。

ところが 二番目のお子さんのときも 同じように

緑便になって、どんどん弱っていったそうです。

前のことがあるので、ちゃんと体重を計るとちゃんと増えている。

それでまた かの有名な小児科に連れていくと

診断はやっぱり食べすぎ。

授乳を減らしても やっぱりますます弱っていく。

しかたがないので 又前回の先生にお願いすると

やっぱり栄養失調だという診断。

「ちゃんと体重は増えていますよ』 というと

『母乳の成分を調べたことがありますか?』

さっそく調べてみると ほとんどビタミン類がはいっていない。

そのころ やっと発売されたばかりの粉ミルクに切り替えて 事無きを得たそうです。

昔 漢方では 小児科のことを唖科 といったそうです。

"おし" と同じで 何もいいませんから。

それと 先生の腕は 見かけや世間の評判とは 必ずしも一致しないと言うこと。

よく怒る恐い先生

最近医療ミスが新聞をにぎわわせることが多いようです。

医療ミスというほど大げさなことでなくとも、

たとえその先生に悪意がなくとも、お医者さんが原因で具合の悪くなることは、よく耳にします。

例えば白衣性高血圧なんて言うのもあります。

他の人に(例えば看護婦さんとか)計ってもらっても高くないのに

恐い先生が図ると決まって高いとか・・・

20年程前のことです。

NTTをまだ電電公社といった時代のこと、

ある支社で、そこの先生は大変えらい先生で、支社長より権限が在ったそうです。

もともと健康に自信のなかったKさんは、その先生から休職治療を命じられたらどうしようと

びくびくものでした。

ところがその先生に計ってもらうといつも血圧が高いのです。

うちで計ると、そんなことは無いのです。

それで、白衣性の高血圧の話をしましたら、やっと納得しました。

先日こんな話を読みました。

ある大学病院で漢方をやっている先生の話です。

そこの糖尿外来に来るようになってから、血糖値がどんどん上がってきた患者さんがいて、

主治医の先生には、食事のこと、運動のこと、いつも怒鳴られていて、

このままでは失明するか、透析するようになると言われ、食べるのを減らせ、もっと歩けと

いつも怒られている。

薬の量をふやしても一向によくならないという患者さんが、

あまりひどく怒られるので、とうとう主治医と喧嘩してしまって、

恐くない医者ということで、その先生のところに見えたそうです。

薬は今までどおりにして、歩くことが嫌いなら、他の運動でも、好きな運動をやってください。

と話をしたそうです。

そうすると、いままでとまるで同じ治療をしているのに、

4ヵ月後には血糖値は半分近くまで下がったそうです。

歩くことが嫌いな糖尿病の患者さんを無理に歩かせると、血糖値が高くなったり、

逆にダンスの好きな患者さんに、ダンスをさせると血糖値が下がったという報告もあり、

ストレスがかかると、血糖のコントロールが悪くなるのではないかと考えたのだそうです。

よく怒る医者から受けるストレスによる血糖悪化ではないかと考えて、

薬はわざと変えないで、患者さんを励まし、誉めるだけにしたのだそうです。

結果は予想以上で、先生の方がビックリなさったそうです。 こんな治療が全部の患者さんに当てはまるわけではありませんが・・・。

中には怒られた方が励みになるという患者さんもあるようです。

やはりその人にあった治療が必要なのでしょう。

お姑さんの声を聞くと蕁麻疹の出るお嫁さん

大きな子宮筋腫があって、どうしても切りたくないからと治療に来ている女性が、

先年なくなったお姑さんの法事の話から、

実は結婚して間もないころ、原因不明の蕁麻疹で悩まされたという。

ふと気がついてみると、お姑さんが旅行から帰ってくるとか、

何かお姑さんと関係したことで出るような気がする。

かかりつけの病院でその話しをすると、それは神経性の蕁麻疹ですよといわれた。

なんだ!そうだったのかと納得できたら、だんだんでなくなったという。

それで思い出した古い患者さんがいて、その女性はひどく体調を崩して、

実家に帰って養生している人でした。

治療してだいぶ体調が良くなったころ、

おかげさまで義母の声を聞いても蕁麻疹が出なくなりましたという。

今までそんな話は聞いたことがなかったので、ビックリして聞いたところ、

お義母さんとの中がうまくいかず、そのうちに声を聞いただけで蕁麻疹が出るようになり、

他にも体調を崩したこともあり、しばらく実家に帰って養生をしていたという。

治療をはじめて、このところだいぶ体調が良くなったので、久しぶりに婚家へ帰ってみたら、

お義母さんの声を聞いても、蕁麻疹が出なかったので、嬉しくってという。

その後も、時々体調維持のために治療に来ていた。

体がよくなるということは、こんなことにも効果をあらわすという例。

それにしても嫁姑の関係は、どちらがどうということではなく、難しい。

前述の子宮筋腫の女性は、かなり大きな筋腫なので、ちょっと特殊な漢方薬を併用してもらって、

このところだいぶ落ち着いてきた。

前立腺ガンだといわれた人

先日天皇陛下が前立腺ガンを手術されて、無事公務に復帰なさったそうですね。

十数年も前のことですが、80歳くらいのある男性が前立腺ガンといわれて、

すぐ手術しましょうと云といわれたんだそうです。

切りたくないので、ある大学病院でもう一度診てもらったところ、

教授が外国へ行って留守で、助教授の診察だったそうです。

助教授の話しでは、”99パーセント癌だと思いますから、手術しましょう”

やっぱり切りたくないので、教授の帰りを待って診てもらう事にしたんだそうです。

教授の御帰りまで一ヶ月半ほどあるので、その間鍼灸治療をして欲しいと言って見えました。

毎日熱心に治療に見えました。

一ヵ月半経って、教授が帰ってらして、やっぱり癌だと言われたら、・・・

悲壮な覚悟で診察を受けました。

教授は診察して、

"癌は無いよ”

とおっしゃったそうです。

鍼灸治療が効いたのか、もともと癌ではなかったのか???

乳首から血がでる婦人

50歳くらいの婦人。

乳首から血がで出して、近所の外科で診て貰ったら、乳癌だからすぐ切りましょうと言う診断。

切りたくないのでもう一軒、そこでも乳癌の診断。

やっぱり切りたくないので、もう一軒、そこでも乳がんの診断。

3軒の外科で乳癌だと言われたので、やっぱりそうかと思ったけど、もう一軒だけ行ってと思って、

最後に東大病院に行ったのだそうです。

これで乳癌だと言われたら切ろうと思って・・・

診断は”乳房の中に血のたまる袋が出来ているので、それを取れば大丈夫。”

手術後一ヶ月くらいとても痛かったそうですが、

ちょうど乳輪のところを上手に切ってあって、言われないと分からないくらいでした。

こんなこともあるんですねー。

今と違って乳癌と言えば全摘出で、肋骨が見えるくらいに削り取る時代でしたからね。

便が固くて、いきんだらお尻が変になった人。

75歳、女性、遠くに引っ越して、しばらく見えなかった人。

便が固くて、いきんだらお尻がおかしくなって、肛門に何か挟まってるようで、

出もしないし、引込みもしないし、気持ちが悪いとの電話。

便が固くて、いきんだらお尻が変になった人。

”強くいきんだのでイボジになったかな?

とにかく行きますから”と言うことになった。

お尻が変なので変な格好をして歩いたせいか腰まで痛くなったと言う。

診ると、下腹も変に張って、腰や足も弱っている。

全体を整えたあと、お尻を見せてごらんなさいと横向きになってもらう。

ちょうど肛門に栓をしたように、何か挟まっている。

びっくりしたことに、大きな柿の種のようなものに不消化の繊維質のものが絡んで、

肛門に栓をしたようにしっかり挟まっている。

”柿の種のようなものが、栓をしたように挟まってますねー”と言うと

”柿の種ですか?”

しばらく考えてから、

”そういえば先日干し柿をもらって食べたけど、種なんかありませんでしたよ”と言う。

そのとき飲み込んだ柿の種に他のものが絡んで、

糞隗といっしょになって大きくなったものが、

肛門に栓をしたように挟まったらしい。

肛門を傷つけないように、工夫して取ってあげる。

”こんなこともあるんですねー。

これは笑い話ですね、ずいぶん楽になった。”と言って帰られた。

今日だけでいいんです。

ミュージシャンだという若い男性。

今日はレコーディングだというのに、鼻が詰まって上手く声が出ない。

”今日だけでよいのです、鼻詰まりを何とかなりませんか”という。

”鼻詰まりもいろいろあって、

最悪の場合は、鼻茸と言って、鼻の中に良性の腫瘍が出来て、

手術するようになりますが、切ってもまた出てくるんですよ。

とにかく診ましょうか。”

幸いそれほど悪性ではなく、全体を整えたあと、

迎香穴あたりに軽い欝血があるので、それを取ってあげた。

治療後”これでレコーディングできます”と、

喜んで帰って行った。

ストレス性難産。

女性の天皇の可否をめぐって議論されてるようですが、

昭和天皇の皇后の香淳皇后も最初女のお子さんばかり出産なさったそうです。

3番目のお子さんの出産のときのことです。

皇后陛下は前日の午後8時に産殿にはいられたのだが

産婦人科の専門医たちが手を尽くしているがいまだ生まれない。

このままでは母子ともに危険で、大騒ぎになったのだそうです。

この時、陛下の”田口を呼べ”とのご下命で、

田口健次郎という先生のところへ宮内庁からお迎えが来たのだそうです。

田口健次郎という人は漆芸の人間国宝だった松田権六という方の友人で、

名漢方医だったそうです。

侍従の説明をお聞きになった田口先生は,暫く黙然として考えて、

”まず天皇陛下にお目にかかりたい”とおっしゃったそうです。

侍従はあわてていたのか、産殿のほうへ案内したそうです。

産殿では上を下への大騒ぎ。

”皇后様ではなくて天皇陛下にお目にかかりたいと申したのですが”

改めて陛下の居られる吹き上げ御所へ案内されたそうです。

そこで天皇陛下にお目にかかり、耳打ちをしたそうです。

陛下はすぐに部屋を出られ、

長い廊下を渡って産殿への途中の踊り場のところで立ち止まられ、大きな声で

”お産はまだか”

”できればもう一人、女の子が欲しいものだ”

と おっしゃったそうです。

それから、陛下と一緒にコーヒーを飲んでいると、まもなく

オギャアオギャアと産声が上がり、

女官長が駆けつけて、

"只今、内親王殿下が無事ご誕生され、母子ともにご健康でございます。”

この時の田口先生のお話。

”あの方は女子ばかり続いて生んでおられる。

そうすると、

今度生まれるのも女の子かもしれない。

実は皇太子を生みたい。

また女の子だったらどうしようかと思い悩んでいると、

出そうで出ない。

生まれそうで生まれない。

それを安心させるのは、他人ではなく、天皇陛下に

もう一人女の子を、できれば欲しいものだ。

と言っていただく。

これが一番効き目があると考えた。”

薬一服、注射一本使わずに、陛下に一言云って頂くだけで、

さしもの難産をあっという間に解決したのですから、名医は違いますね。

実際このときに生まれたのは内親王で、その次に4番目に生まれたのが、

皇太子、すなわち現在の天皇陛下であります。

雲の上のやんごとなき方たちも大変ですね。

のどがつまる婦人。

前出の人間国宝の松田権六氏の息子さんが、漢方をやるお医者さんで、

お目にかかったことはありませんが、かなりの名医だろうと思います。

その先生のお話です。

35年ほど前、松田先生がニュージランドにいらっしゃったときのこと、

某大商社の支店長婦人で、そこへ来て数ヶ月後から、のどが詰まるようになった。

何かが引っかかってるようであるが、飲み込もうとしても飲み込めない。

吐き出そうとしても吐き出せない。

耳鼻咽喉科の専門医に見てもらったが、何も異常はない。

気のせいであると云われるばかりであった。

しかし服薬を続けても一向に良くならず、

むしろ悪くなるばかりであった。

医師からはノイローゼ扱いされるようになり、

何か欲求不満か心配事でもあるのかとたずねられる始末。

しかし、自分としては不満などまったくないし、

思い当たることもない。

そうこうしているうちに、

ますます息苦しくなるし、気分も落ち込むようになった。

こんなことでは帰国も考えざるを得ない。

彼女は、日本語で訴えられる医師が来たというので、

喜んで相談に来たのだそうです。

更に聴いてみると、

当地へ来るまでは、日本で狭い社宅に住み、

もちろん家事は何もかも自分でしていた。

それがこちらへ来てからは、

大きな社宅に住み、お手伝いさんがいて何もすることがない。

支店長婦人は家事労働は一切やらないというのだそうです。

漢方では、こういうときの特効薬があるのですが、

手元にその漢方薬はない。

何しろニュージランドですから。

そこで一計を案じて、

”お手伝いさんを辞めさせて、自分で家事労働をやるように”

と言い残して松田先生は帰国されたそうです。

半年ほどして、

松田先生の指示通りにしたらすっかり良くなったという礼状が届いたそうです。

歩けない婦人。


これも松田先生の思い出話。
50年ほど前、
松田先生がある大学の医局にお勤めになっていたときのお話だそうです。
患者は中肉中背の普通の婦人、両足が麻痺してまったく歩けない。
しかし、一ヶ月余りにわたる入院中の内科全般の検査でも、
神経学的な検査でもまったく異常が認められない。
当時日本における神経学の泰斗として、自他共に許す第一人者であるO教授は、
ヒステリー性の歩行障害と診断したのだそうです。
治療も当時としてはできるものはすべて試みられたが無効だったそうです。
O教授は”どこも悪くないのだから歩けるはずだ。
歩けないのは貴方が悪い”
と 回診のたびに責めるだけだったそうです。
受持ち医も熱心に患者を励まし、
本人も一生懸命に歩行訓練に努力する姿は、傍目にも気の毒なほどだったそうです。
しかし依然として効果はなく、一歩も歩けなかったそうです。
ついにO教授は機嫌を損ねて、
精神科の先生に診てもらうように指示したんだそうです。
受持ち医は精神科の医師に往診を依頼し、診て貰った所、
”ここにいては治らない、精神科に転科すれば何とかなるかもしれない”
とのことで、直ちに転科させたそうです。
それから十数日たったころ、この受持ち医が病院前の道を歩いていたところ、
一人の女性とすれ違ったのだそうです。
はじめは気がつかなかったが、なんと例の歩けなかった婦人だったそうです。
しかもぎこちないが自分の足で歩いてたんだそうです。
肝をつぶした受持ち医は、患者と話し、杖もなしに歩けるのを確認したそうです。
更に精神科を尋ね、その後どうなったのかをたずねたそうです。
患者は、精神科に転科してすぐU教授の回診を受けて、
教授は丁寧に診察したあとで、
”貴女の病気の悪いところが分かったよ”と言われたそうです。
患者は驚いて、どこが悪いかたずねたところ、
U教授は”実は脊髄が悪いことが分かった”と言われたそうです。
とたんに患者は泣き出してしまったそうです。
今まで内科で、”どこも悪くないから歩けるはずだ。
歩けないのは貴女が悪い”と責められるだけだったのに、
”自分は悪くないのだ、脊髄が悪いから歩けないのだ”と安心したのだそうです。
U教授は更に”悪いところが分かったのだから治してあげる。
脊髄にこれから毎日注射をする。
痛い注射だが、我慢すれば十日で治るよ”
優しく自信に満ちて語りかけたそうです。
さっそくその午後日から治療が始まったそうです。
患者の周りには物々しく屏風が張り巡らされ、他の患者の視線をさえぎる。
やがてガチャガチャと音を立てて器具が運ばれてくる。
患者は海老のように腰を曲げさせられ、看護婦が皮膚の消毒を始める。
物々しい舞台装置のわりには、実際に行ったのは、
生理食塩水のようなものをわずかに皮内注射しただけだったそうです。
これを毎日続けたところ、見事に十日後には歩けるようになったそうです。
これらの事実を、受持ち医は医局のセミナーで報告したそうです。
この席上O教授は不機嫌だったそうですが、
特別関心を示す発言はなかったそうです。

40年ほど前のことです。
私も同じような話を聞きました。
聞かせてくれたのは、赤羽幸兵衛先生。
ご存知の方もあると思いますが、かの皮内針の発明者です。
ごく短い数ミリから1センチくらいの針を皮膚に貼る治療です。
こういう治療をしていた方はそれまでにもいたようですが、
こういう短い針を考案する人はいなかったようです。
まさしくコロンブスの卵的な発想です。
その先生の話です。
ある中年の婦人が、手足の関節が痛くてあらゆる治療をやったが治らない。
毎日痛い痛いと泣き叫ぶ声が近隣に響き渡って有名だったそうです。
先生が頼まれて行ってみると、真っ暗に締め切った部屋の中で泣き叫んでいる。
診察してみたが、これといって悪い様子はない。
見ると、部屋中に色々な神社のお札が所狭しと貼ってある。
ところが、ふと目に付いた仏壇がほこりだらけのままである。
そこで考えて、窓を全部開けさせて、
”貴女はご先祖に助けを求めたことがありますか?
ご先祖は貴女のことを助けてあげたくて待ってるのに、
あなたは色々な神様に頼むばかりでご先祖にお願いしない。”
と言ったのだそうです。
そこで、貼ってあったお札をみんなはがさせて、仏壇の掃除をさせて、
お水を上げさせたのだそうです。
それから、薄紙をはがすように良くなって、
まもなく全快したそうです。
柔らか頭の勝利ですね。

病名をつけて欲しかった人。

私が看板を出して間もないころのことです。
ある日,50才くらいでしょうか顔色がひどく悪く元気のない人が見えました。
聞くと体がだるくて仕様がない。
しかしどこの病院に行っても、精密検査をしてもどこも異常はないという。
脈もひどく悪く、しかしこれと言う特徴はない。
その男性は”私は病気ですよね”と言う。
はり灸で体を整えた後、
私は”顔色も脈もあまり良くないので、少し様子を見ましょう”と言う。
しかしそれっきり見えないので、心配していたら、
数ヶ月して突然”先日はどうも”といって現れる。
”どうしました?”と聞くと、
”病名がわかったんですよ”と嬉しそうに言う。
顔色も良くなり、脈も見違えるように良い。
”あの後A病院に行ったら、
貴方は血液中の糖分が少し足りないからと言って、
ブドウ糖の注射をしてくれたんですよ”
と嬉しそうに言う。
”それまではどこへ行っても異常はありませんと注射もしてくれなかったんですよ”
”イヤー、病名がわかって安心しました。”

ハムスターと漢方薬。

家内が飼ってるハムスターです。
先日から便が緩んで、下痢ほどではないのですが・・・
ハムスターにとっては大変なことだそうです。
家内が心配して近くの獣医さんに連れて行きました。
2種類の寄生虫が見つかったそうです。
一種類のほうは獣医さんの駆虫薬が効いて、すぐにいなくなりました。
もう一種類のほうはしつこくて、なかなか消えてくれません。
駆虫薬を飲ませてるうちに、
食欲もなくなり、毛の色艶も悪く元気もなくなりました。
犬なんかでも、弱ってるのに駆虫薬を飲ませると、
虫は死んだが、犬もだめだったなんてことがあります。
そこで駆虫薬をやめて、鍼をしました。
じっと大人しくしています。
こういう風におとなしくして鍼をさせるときはろくなことはありません。
漢方薬の六君子湯と言うのを飲ませてみましたが,
嫌がってなかなか飲みません。
そこで人参湯と言うのに変えてみました。
今度はそんなに嫌がらないで飲むようです。
段々に元気が出て、食欲も出て毛の色艶もよくなってきました。
便もだんだん良くなってきたようです。
ところがです。
元気になってきたら、鍼も嫌がる、薬も嫌がるようになって来ました。
現金なものです。

病気と宗教。

俗に新興宗教といわれる宗教の中には、

病気が良くなることを売り物にしているところもあるそうです。

確かに精神的要素の強い不安感から起こる病気では、

宗教にすがることで、安心できるとよくなることもあるようです。

こんな人がありました。

60歳、女性。

知性的で、教養もあり、真面目で、まさかこんな人がと思うような人でした。

長年のリウマチで、週一位の治療で小康状態を保っておりました。

あるとき、はがきを頂きました。

今回ある宗教に入信することになり、

そこの宗教では信心の力で病気を治すことが出来るということなので

もう治療には伺いませんという内容でした。

それから数年して、突然電話がありました。

最近になって、教祖さんが、

治療は治療でやったほうが良いとおっしゃったんだそうです。

自分の信心で治療するということだったので、どんなによくなったのかと思ってたら

これがすっかり悪くなっており、ビックリしました。

ずっと来てらっしゃればこんなにならなかったのに・・・・

思わず言ってしまいました。

ことの起こりは、妹さんがある有名女子高の先生で、

受け持ちの生徒さんに不登校の子がいて、手を焼いていたのだそうです。

知人が、ある宗教に入っていて、自分たちの信心の力で治して上げましょうと、

毎日お仲間の10人ほどの人たちが来てお清めをやってくれたそうです。

一月ほどしたら、それが効いたのか偶然なのか、

その子が学校へ来るようになったのだそうです。

それですっかり感激した妹さんの勧めで、ご姉妹で入信したのだそうです。

根が真面目な人たちですから、一旦信心をすると熱心なものなのです。

とにかくひどくなっていて、歩くのもママならない様子でした。

もともと特におしゃれな人だったのが、ハイヒールも履けず可愛そうでした。

悪いことに、治療に来る途中、ホームで若い人に激しく突き飛ばされて転び、

それがもとで身動きできなくなり、それから一年ほどで亡くなったそうです。

結婚しないわけ。

このところ中年で独身の人が何人か見えました。

結婚しなかったわけはそれぞれで、

A子さん、大変美人で52歳、学校の先生。

若い頃初めてお見合いをした相手が、とてもよいお話だったそうです。

乗ろうかと思ったのですが、何しろ初めてのお見合い。

”きっともっとステキなお話が来るに違いない”

と、欲張ってお断りしたら、それより良いお話が来なかった。

B男さん、自分のお姉さんと妹を見てたら女は怖くって・・・・

C雄さん、とても美男子で49歳、

若い頃大恋愛をして、それが壊れた後ショックでどんな話にも乗る気がしなかった。

そのうち、社内で”あいつは結婚しないんだって”と言う烙印を押されて、

誰もそういう話を持ってこなくなった。

D夫さん、お父さんが乱暴な人で、すぐにお母さんを蹴る殴るの暴力。

お母さんは、これまた強情な人で、決して夫の言うことを聞かない。

こんな家庭なら作りたくない、とずっと思っていた。

Eさん、64歳、若い頃付き合っていた女性に些細なことから喧嘩別れして、

後になって、その女性に対する罪悪感からどうしても結婚話に乗れなかった。

最近歳をとってみたら、この先も一人かと思うと寂しい。

皆さんいろいろ事情がおありなんですね。

人の運命。

阪神神戸の大震災から今日で12年。

あの時、佐賀の患者さんの娘で、結婚して神戸に住んでいた人が居りました。

正月で子供を連れて帰省して、ご主人は一足先に帰り、

娘さんたちも震災の前の日に帰るはずだったのですが、

子供が熱を出したので日延べして助かりました。

帰ってみたら部屋中箪笥が倒れたりして、

帰ってたら死なないまでも大怪我をしたろうということでした。

因みにご先に帰った主人も急な出張で難を逃れたとか。

無理をしてかえって難に遭った人もいると聞きます。

何が運命を分けるんでしょうね?

人の寿命。

テレビを見てたら、寿命というのは生きたいと願う力なんだという人がいました。

生きたいと願っても死んでいく人もあり、一概には言えませんが、

時によってはそうなんだろうなと思います。

もう20年近くも前のことですが、

一代で1000人ほどの会社を立ち上げた患者さんがありました。

良い意味の事業欲、活力の塊のような人でしたが、

事業上のトラブルストレスから軽い脳梗塞を起こしました。

私も何度も入院先に治療に伺いましたが、

だいぶ良くなり軽い散歩までできるようになりました。

お父さんの留守中、社長であった息子さんが我慢ができなくなって、

ある商社からお金を借りたようです。

お元気な時に”、絶対商社から借りるものではありませんよ”

という話をご本人から何度も聞いておりました。

早速商社から乗り込んできて、

”会長なんて言うものは無駄だからやめましょう”ということになったらしく、

自分が苦労して作り上げた会社から放り出されました。

そうしたら、生きたいという気力がまったくなくなって、

アッという間に亡くなりました。

恋煩い。

先日佐賀へ行く機内放送で落語の崇徳院をやっておりました。

セヲハヤミ〜・・・・と言うあれです。

話は両家の若旦那とお嬢さんが一目ぼれで恋煩いになるという話です。

もう40年以上も前のことです。

恋煩いになった知人がいました。

誰にでも優しいためか不思議に女性にもてる人でした。

その人のもうちょっと若かったときの話です。

お医者様でも草津の湯でもと言う厄介な病です。

お相手はご近所の娘さん。

告白するなんてとんでもない、誰にも言えず一人悶々としておりました。

養老猛司先生によれば、恋をしているときの脳は異常なんだそうで、

後で考えると、

どうしてあんな男や女に夢中に成れたのか理解できないものなんだそうです。

有名な”葉隠れ”の中にも恋の至極と言うものは、

つまり最高の恋というものは片思いだと言う話が出てきます。

あの人は今頃何をしてるだろう?

どんな着物を着て、どんなものを食べてるだろう?

頭の中でどんどんイメージを膨らませ、美化していくんですから・・・・。

彼も誰にも言えず悶々としているうちに、食べ物も咽を通らなくなったそうです。

ところが、その娘さんが結婚することになり、

お母さんに連れられてご近所にご挨拶に来たんだそうです。

もちろん娘さん初め誰も彼がその娘さんに恋焦がれてるなんて知りません。

痩せ細った彼は怖いもの見たさで、物陰からそっと覗いたんだそうです。

そのとき、娘さんが大層濃い化粧をしていたんだそうです。

今まで彼が頭の中で描いていた清純ですばらしい理想像とはかけ離れた姿を見て、

”なんだあんな女だったのか!”と思ったとたん、

急に食欲が出て来たんだそうです。

妻を娶らば。

妻を娶らば才長けて、見目麗しく情けある・・・という歌がありますね。

患者さんの友人の奥さんで、才色兼備を絵に描いた様な人がいるそうです。

美人で何でもできて、しかもいつもシャッとしてるんだそうです。

”すごいですね”といったら、

”でもあいつかわいそうなんだよ”とおっしゃるんです。

”あいつ、かみさんの前じゃきっとおならもできないよ。

夫婦というもの。

夫婦というものは不思議なものです。

考えてみればもともと赤の他人であった二人が一緒になって、

運命共同体を作るわけです。

中には結婚式の時に初めて顔を合わせたなんてカップルもいるわけです。

それでも上手くいって数十年も続くカップルもいれば、

5年も6年も付き合った末に一緒になったのに、

結婚して半年もしないで分かれるカップルもいます。

いろいろと事情があって別れた後も、

”今でも私はあの人に惚れてる”といった人もいます。

命がけで恋の逃避行をしたのに、相手の奥さんが亡くなってプロポーズされたら、

"いやだよあんなおじいさん"といった人もいました。

赤い糸で結ばれていたのか、結ばれてると思ったのが幻想だったのか・・・・

六十年も連れ添ったご主人が亡くなって、

いくらも経たない頃に"、お寂しいですね"と言ったら、

"私は今が一番幸せです"とのたもうた老婦人もありました。

"いや〜せいせいしてね”とおっしゃった方もいました。

そうかと思うと、飲む打つ買うの三拍子そろったご主人が亡くなって、

ご近所の方が”奥さんさぞせいせいしたろうね”とうわさしてたら、

後追い心中しかねない様子で、

ご近所が交代で見張りに行ったという人もおりました。

一見仲の良さそうなご夫婦でも、"私主人のこと大嫌いなんです”といった奥さんも。

ほんとに男と女、不思議なものです。

NHKの朝の連ドラで、"芋たこ南京"と言うのをやっていた時に、

ご主人が癌で亡くなるシーンで、奥さんが、

"生まれ変わってもあなたと一緒になりたいから、私を探してね”

というシーンがありました。

うちに見える方で、とても仲が良さそうでご主人も温厚な方に、

"お宅は仲が良さそうだから生まれ変わってもまた一緒になりたいですか”

と聞いたら、

"同じ過ちを2度繰り返したくありません”

とおっしゃいました。

知人で結婚式の一週間前になって破談になった人がいました。

もちろん式場も予約して、案内状も出しています。

驚いたことにどこをどう探したのか、ちゃんと当日に結婚式を挙げました。

来客は、お嫁さんの名前が違ってるので驚いたことでしょう。

それでも数十年、うまく行ってるようです。


私は九州の生まれで、

私が子供の頃は夫婦であっても、

男女が手をつないで歩くなんてことはありませんでした。

それなのに親戚のオバサン夫婦は大変仲がよく

夕方になると二人が手をつないで連れ立って散歩に行っておりました。

ところがその二人が突然に離婚しました。

詳しい事情は知りませんが、子供心にも不思議でなりませんでした。

なんでも結婚のときの条件と違っていたとか・・・・

しかし離婚した後も二人は仲好しでした。


ある患者さんの妹さんのご主人という人が、

女好き博打好きでいつも泣かされてるという話でした。

あるとき、”妹の主人が癌でもう助からないそうです。

きっと妹がほっとするでしょう"と言う話。

ところが二年ほど経って

"妹の主人が癌で、死んだら妹がほっとするでしょう”という話。

他の妹さんかと思ったら、奇跡的に命を取りとめたのだそうです。

ところがまた2年ほど経って、

"妹の主人が癌で、今度は助からないから妹がほっとするでしょう”という話。

2度目も奇跡的に助かったのだそうですが、3度目はほんとにだめでした。

どこのお生まれか知りませんが、

その方のお国ではお葬式の時に来てくれた人にお金を撒くのだそうです。

その妹さんが

"あの人のためならいくらでも撒きたいけど、きりがないから100万円にしといた”

不思議な歯痛止め。

私の家内はよく歯の手入れをするのですが、

先日、久しぶりに歯の検診に行って来たら、

前歯が歯周病になっていて、

かなり悪いので歯の一部を切り取る手術をしたそうです

ところが麻酔が切れたらそこが痛くて、

貰ってきた鎮痛剤を飲んでも痛みが止まらないと言います。

鍼をしようかと思ったのですが、

奥歯の痛みは止めやすいのですが、前歯の痛みは止まりにくいのです。

どうしようかと思っていたら、先日読んだ本にあった漢方薬の事を思い出し、

試してみることにしました。

いつも歯の痛みに使う漢方薬でもある程度は効くのですが、

その本によれば、虫歯の痛みに即効があり、

”煎じて、痛むところに含むようにして飲むと、たちどころに止む”と。

話半分にしても、身内のことで、それから鍼をしても好いと思い、

材料を探したら、ちょうどあるではありませんか。

早速煎じて飲ませましたら、なんと不思議!

胃に届くか届かないうちに痛みが消えたそうです。

数時間たって、また少し痛み出したので、

もう一口飲んだら、今度もあっという間に痛みが消えたそうです。

それっきり痛みは止まってしまいました。

不思議な薬もあるものです。

ほめ殺し。

ひところ”ほめ殺し"と言う言葉が流行りましたね。

ある患者さんの話。

"人間って、ほめられると、嬉しくってついもっとやってあげようと思うでしょ。

今考えると、うちのお姑さんって、上手かったな・・・。

直接も有ったけど、親戚に行って私のことほめるのよ。

それが間接的に私の耳に入ってくるでしょ。

最近になって、あれはお姑さんの作戦だったんだなって思うのよ。

それでもほめられると嬉しくって、もっとやってあげようって思うのよね。”

こういうのもほめ殺しと言うのでしょうか・・・・

多重人格。

二重人格というとあまりよい意味には使われないようですが、

最近多重人格というのが問題になってるようです。

医学的には解離性同一性障害と言うそうで、

一人の人間の中に、まるで違った人間が住むようになるんだそうです。

お互いに自分の中にそういう人格が存在することを知りません。

交代で二人またはもっと大勢の人格が表れるんだそうです。

先日テレビでやっていて、思い出したのですが、

だいぶ前に治療した人で、今思えばそういう人だったのではないかと思います。

20代の男性でしたが、癲癇の持病を持っている人でした。

普段は若い人には珍しいくらい丁寧な物言いをする人でした。

ちょうど治療中に癲癇の発作を起こしました。

引付が収まったと思ったら、急に目がぎらぎらしだして、

まるでヤクザのようなくちぶりの物言いになりびっくりしました。

それが数分続いたと思ったら、急に黙ってしまって、

それからしばらくして、"私何か変なことを申しましたでしょうか?”

まるでお芝居かなんか見てるようで、それには2度びっくり。

今思えば、まるで別の人格にすりかわってしまっていたんだろうなと思います。

初めて蚊に食われたと言う人。

いつも見える方が、"私初めて蚊に食われたんですよ”とおっしゃる。
びっくりして”えっ”
"私は貧血で、他人より体温も低かったせいか、
今まで子供の頃から蚊に食われた覚えがないんですよ”
眩暈や、不正出血が続いたので、はり灸の治療後、
キュウキキョウガイトウ,という漢方薬をしばら煎じてく飲んでもらっているのです。
それで貧血が改善されて、体温も少し上がったのではないでしょうか。 こんなこともあるんですね。

プラセボ(偽薬)の話


”口に苦い”偽薬は効く、”辛い=良薬と錯覚?


薬の効果を判定するために、プラセボ(偽薬)と言う何の効果も副作用もない物質を

混ぜて使うことがあります。

慶応のO教授の話で、新聞にこれについて面白い話が載っておりました。

"良薬は口に苦し"と言う故事があります。

これはもちろん、よい話は自分のためになるが、

それだけに耳に痛い内容のことが多く、聞くのがつらいと言う意味ですが、

この言葉を文字通りに読むとプラセボ効果の意味に理解できなくもない。

薬を飲んだ時に、少し苦かったり飲みにくかったりするほうが、

いかにも良い薬を飲んでいるような気になって、

それが効果に繋がることが多いからだ。

こうした効果は、精神疾患の薬でも報告されている。

プラセボの1種に、アクティブ・プラセボといわれるものが有る。

単なるプラセボが何の効果も副作用もない物質なのに対して、

アクティブ・プラセボでは、効果はまったくないが、

副作用だけは本当の薬と同じようにあらわれる。

効果の判定をしている本当の薬と同じように、

吐き気や立ちくらみなどの副作用が出るようになっているのだ。

アクティブ・プラセボをうつ状態の患者に飲んでもらうと、

驚くことに単なるプラセボ以上の効果、

本当の抗うつ薬に近い効果が出ることも有る。

副作用を感じた患者が、本当の薬に違いないと思う分、効果が上乗せされるのだ。

こういう調査結果を見ると、私たちの心の複雑さを感じる。

脳の動きと働きについての研は究随分進んできたが、

まだまだ分ってないことがたくさん残っている。

漢方では、昔からこれを積極的に活用した"移精変気”と言う治療法があります