人間も自然の一部

人間も自然の一部

人間も昔は自然と共に生きていました。不便な生活といえば不便ですが、日の出と共に起き、日没と共に寝ていました。食料もまた自然の物を食べていました。運動も今みたいにスポーツではなく、家事そのものが労働であり運動になっていました。文化や文明が発達するとともに自然な生活から遠く離れ、便利さの名のもとに人工的な生活に慣れてしまってきています。健康的な生活と健康的な肉体を取り戻すためには、人間も自然の一部という認識を持つ必要があるのでしょう。

四季の養生

四季のうつろいは私達の目を楽しませてくれますが、反面体調をくずしやすくなります。人間も自然の一部ですから、自然の変化に合わせた養生が必要です。
春.jpg
春は冬眠から目覚めて活動を始める時です。冬に睡眠を十分にとっていないと春になっても体がだるく眠くてついウトウトしてしまいます。柔軟体操をして、冬の間に硬く縮こまっていた体をほぐしましょう。
尾瀬 水芭蕉.jpg
梅雨の時期は長雨の影響で、体も湿気を帯び体が重くなったり、節々が痛みやすくなります。長時間も雨に濡れないように注意しましょう。特にリウマチや関節炎・神経痛がある方は、寝室に除湿器を置きましょう。
夏 海.jpg
夏は薄着になる上、冷たいものを飲み過ぎ、暑くて布団をはだけてしまうので寝冷えしやすく、体の中から外からもらお腹を冷やしてしまいます。お腹を冷やすと夏バテの原因になります。冷たい飲みものを避け、夜寝るときは腹巻きをして寝ましょう。
秋.jpg
秋は食欲の秋、スポーツの秋です。夏にお腹を冷やしすぎると、食欲の秋を満喫できないばかりか、スポーツの秋に体を鍛えることができません。
晩秋.jpg
晩秋から初冬にかけては空気が乾燥します。うがいをして咽を潤し、乾布摩擦をして皮膚を鍛えて寒い冬に備えましょう。冬になっても風邪を引かないようになります。風邪を引きやすい方は、寝室に加湿器を置きましょう。
尾瀬 冬2.jpg
冬は冬眠の時期です。足元を温かくして睡眠を十分にとり、過食を避けましょう。
このように体は前の或いはその前の季節の養生に左右されます。季節にあった養生を心がけましょう。

人間は四つ足動物

人間は四つ足動物

 人間の遠い祖先は四つ足動物でした。知能が増すにつれ二本足で立つようになりましたが、基本的な骨格は四つ足動物と変わりありません。その時から人間としての宿命の病気が始まったのです。
手足の動きは左右交差する
猿6.jpg
 四つ足の動物は前足と後ろ足を左右交差して動き回ります。右前足と左後ろ足、左前足と右後ろ足が対になって、左右交差しています。人間は二本足で歩きますが、手を振って歩くときの原理は四つ足の動物と同じです。最近は両手を大きく振って歩く人を見かけなくなりましたが、両手を大きく振りながら歩くことで軽やかで力強いステップになります。
 手を大きく振って歩くと、実際に足が軽くなることを証明してみましょう。まず椅子に腰掛けてください。次に、そのままの姿勢で左右の腿を交互に10センチほど持ち上げてみて、左右どちらの足が重いかを比べてください。例えば、左右の足の重さを比べて右足の方が重かったとします。次に、重い方の足と反対側の腕を、肘を曲げた状態で前後に勢いよく10回~20回ほど振ります。そうした後、重かった右足を上げてみると右足が軽くなっています。このように、人間の手足は左右交差して連動し、体全体の動作をスムーズにしているのです。
ウオーキングする時も両手を大きく振って歩きましょう。そうすると足も力強く、また軽やかに歩けるようになります。
 鍼灸治療では、例えば右足の神経痛や右膝の痛みがある場合は、反対側の左手のツボ(経穴)に鍼灸をします。そうして、体全体のバランスを整えた後に、患側の右足の神経痛や右膝の治療をいたします。
左右の腿を交互に上げると右足が重い左右の腿を交互に上げると右足が重い右足が重い場合は左手を前後に勢いよく10~20回ほど振る右足が重い場合は左手を前後に勢いよく10~20回ほど振るその後で右腿を上げると右足が軽くなっているその後で右腿を上げると右足が軽くなっている

内臓はパン食い競争のパン

pankui-090926-s.jpg
 人間も基本的には四つ足動物であることはお話ししました。「内蔵はパン食い競争のパン」というのは、四つ足の姿勢になった状態でパンをつけた紐を結ぶ「棒」は「背骨」に相当し、「紐」は内蔵を動かす「迷走神経」に相当します。「パン」はもちろん「内臓」です。人間が四つ足であったら、内臓は健康で、「内臓下垂」という病気はないでしょう。また、「内臓脂肪」もつきにくいでしょう。実際に四つんばいになって歩く「アニマルウオーキング」という健康法もあります。
 針灸治療では、内臓が弱かったり内臓が悪い患者さんには、腰背部にある内臓の名前がついた肺兪・心兪・肝兪・脾兪・腎兪などの「兪穴」に鍼灸を行って、迷走神経や内臓の働きを良くしていきます。


二本足歩行による宿命の病気

二本足歩行による宿命の病気

キュウーピ-1-50%.JPG
四つ足の骨格を持った人間が二本足歩行になった結果、内臓下垂だけでなく、脳血流の低下による脳貧血や立ちくらみなどを発症し、直立になったことで頭痛・肩こり・腰痛などを起こし、また肛門部の鬱血による痔などは人間の宿命の病気になりました。





人間は操り人形

6610707.jpg
人間が直立しているというのは、実は大変なことなのです。ニュートンの法則を持ち出すまでもなく、上にあるものは下に落ちるのは当然のことなのですから。脳の血液が下に落ちずに、人間がシャキット立ってられるのは、自律神経の働きによるものです。自律神経はよく操り人形の糸に例えられます。糸がほどよく張っていると機敏な動作ができますが、緩みすぎると人形はダラーとして崩れ、逆に糸が緊張しすぎると人形の体は引き攣れてしまいます。このように人間が直立できるのは自律神経の働きによるのです。

足は第二の心臓

jpeg 足裏.JPG
心臓は新鮮な血液を全身に送っています。全身に送られた血液は、老廃物を回収してまた心臓に戻ります。新鮮な血液を送る力は心臓がポンプの役目を果たしますが、老廃物を回収した血液を再び心臓に戻す力は心臓にはありません。特に足の血液を心臓に送り返す力は土踏まずの筋肉が心臓のポンプの役目を果たすのです。土踏まずにギュット力を入れたときに血管を収縮させ、血液を上に持ち上げるのです。静脈の血管には弁があって、いったん持ち上がった血液が下がらないようになっています。そして、土踏まずの筋肉が収縮するたびに上がって心臓に戻っていくのです。そのようなことから足は第二の心臓といわれるのです。