実践鍼灸「寿々の会」Top

実践鍼灸「寿々の会」Top

第20回トップ(15%).JPG
「実践鍼灸 寿々の会」は、その名の示すとおり、参加者が鍼灸臨床を実践することを目的としています。参加者の皆さんはテキストを見ながら、臨床中心の実技に、自分達で考え、自分達で治療し、解らないところはいろいろ質問するなど、毎回熱気があふれています。
階段の本15%.JPG
 一回の「寿々の会」を終えてまもなく、次の「寿々の会」の資料作りに取りかかります。現代医学・中国古典・日本古典・現代日本鍼灸の諸流派・現代中医学など多方面の書籍を参考にしながら資料を作っています。調べる書籍は平均で毎回40冊くらいになり、階段に積み上げられることになります。
「寿々の会」を、いろいろな治療法や治療システムを学びながら、参加される方々が自分なりの治療体系を構築するための「場」と考えていただければ幸いです。
 私が気に入っている言葉に、「2001年 宇宙の旅」の著者で、SF作家 アーサー・C・クラークに、「十分に進歩した技術は魔法と見分けがつかない」という言葉があります。
患者さんから、不思議! ミラクル!などと感激される技術を私自身も身につけたいし、会員の皆さんにも身につけていただきたいと願っています。

昔から優れた鍼技術は、「鍼妙」とか、神妙・霊妙といわれています。これも、「十分に進歩した技術は魔法と見分けがつかない」ということなのでしょう。
蛇足ながら、私自身の懐(おもい)を述べた漢詩を記しました。
「寿々の会」は私自身の錬磨の場でもあるのです。

              述 懐

それ百症の兪穴たる 心を用うを再三に
す なわち知んぬ玄裏の玄 始めて達す妙中の妙

佛 心 神 手 醫 眞 詮
随 手 見 功 知 奥 玄
應 鍼 取 効 達 霊 妙
願 極 精 微 対 聖 賢

仏の心と神の手は医のまことのさとり
手に随い功を見て奥玄を知り
鍼に応じて効を取れば霊妙に達すと
願わくば精微を極めて聖賢にこたえん

(注)平声先韻、拗体。明・高武の百症賦に「百症兪穴、再三用心、・・・随手見功、応鍼取効。方知玄裏之玄、始達妙中之妙。」とある。(2002年 自作)


第9回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:総復習・綜合臨床(1)

第9回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:総復習・綜合臨床(1)
平成21年6月20日(土) pm6;30~pm8;30  於:艸寿堂

IMG_1593.JPG体のゆがみと運動テスト
平成21年6月20日(土)午後6時30分~8時30分、定員20名のところ定員を超える22名の方が参加しました。「実践鍼灸 寿々の会」は、その名示すとおり参加者が鍼灸臨床を実践することに意義があります。参加者の皆さんはテキストを見ながら、臨床中心の実技に、自分達で考え、解らないところはいろいろ質問するなど、毎回熱気あふれる研究会になっています。

舌診法

舌診15%.JPG舌診法を指導しています
今回は2年間の総復習・綜合臨床がテーマで、まず身体全体の姿勢や運動テストの観察に始まり、頸部診、耳診、舌診、腹診、背候診など、あらゆる面から全身を観察します。

腹診法

腹診15%.JPG腹部の反応を探る
腹診法は、難経16難、木下式(木下晴都)総合腹診図、間中(間中喜雄)圧診点、メビウス圧診点を総合的に診ていきます。

背候診

背候診15%.JPG背部の反応を探る
背候診は脊柱のゆがみ、背部の筋緊張、切経などを診ていきます。

腓腹筋診断法

腓腹筋の緊張を診る15%.JPG腓腹筋の緊張を診る
腓腹筋診断法は、いろいろな診断法の中でも重要な診断法です。本来、四つ足の骨格である人間が二本足になった結果、バランスのくずれとして全身のいろいろなところに不具合が生じてきます。全身の不具合が一番現れるのが腓腹筋(ふくらはぎ)の緊張です。左右どちらの足に緊張が現れているか、内側に緊張が強いか、外側に緊張が強いかによって配穴が決まってきます。腓腹筋診断法は、『メビウス環上配経法』宮脇浩志・臼田裕子著、谷口書店発行に詳しく書かれています。

予診カルテに記入

予診カルテに記入15%.JPGモデルを予診した項目を確認しています
班ごとにモデルの診察して予診カルテに記入します。研修生や見学生の人を中心に、初めての参加者も皆一緒にやっていきます。

予診カルテ

予診カルテ15%.JPGカルテに記入
今回は総復習・綜合臨床なので予診カルテは26頁になりました。
すべての項目を記入した後、陽性反応点あるいは陽性反応を5点選んでチェックポイントとします。チェックポイントは手足要穴への刺針によって状態が改善したかどうかを確認するために行います。参加者の皆さんは1~2穴の刺針でチェックポイントが見事に改善されたのにビックリしたり、自信がついてとても嬉しそうでした。

第10回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:経筋治療

第10回実践鍼灸「寿々の会」テーマ:経筋治療
平成21年9月12日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

第10回 25%.JPG

 第10回「寿々の会」は平成21年9月12日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催され、参加者数は22名でした。「実践鍼灸 寿々の会」は、その名の示すとおり参加者が鍼灸臨床を実践することを目的としています。参加者の皆さんはテキストを見ながら、臨床中心の実技に、自分達で考え、解らないところはいろいろ質問するなど、毎回熱気あふれる研究会になっています。

体の歪み判定

骨盤の歪みをチェック15%.JPG骨盤の歪みをチェック
まず、立位の自然体で体の歪みを判定します。左右の肩の上がり下がりや転位、左右の骨盤の高さや転位、頚部のねじれなどを観察します。

運動テスト

腰部の回旋テスト15%.JPG腰部の回旋テスト
次に、頚部および腰部の運動テストを行います。テストは前後屈・左右屈・斜め前後屈・左右旋などを行います。腰部では指床間距離も測定します。

頚部の触診

頚部の反応点15%.JPG頚部の反応点
今回のテーマは「経筋治療」ですが、頚部に絞って取り組みました。
頚部の運動テストで出た筋肉のツッパリ感や痛み、こわばり感のある経穴部位を触診によって確認します。

病症経筋の特定

小腸経かな15%.JPG小腸経筋かな
病症経筋の特定は、手・肘・足・膝関節周囲の経筋診断穴に運動負荷をかけ、また顔面・頭部の経筋穴を押圧して決定します。

他の治療システムとの比較

メビウス背部診断点15%.JPGメビウス背部診断点
経筋システムの他に、経絡テスト・指根屈曲法・胸鎖乳突筋テスト・頚椎圧痛テスト・メビウス腓腹筋診断テストなどを行います。

どの治療システムが稼働するかを確認

指頭で軽く触れて頚を後屈15%.JPG指頭で軽く触れて頚を後屈
どの治療システムが稼働するかを確認するというのは、治療システムの優劣を比較するのではなく、患者さんの現在の状態にはどの治療システムが一番良いかを判定いたします。方法としては、各システムの代表治療穴を検者の中指頭で軽く触れて運動テストを行います。そして運動テストが一番軽減するシステムを決定します。
参加された方々は、指頭で軽く触れただけで運動テストが改善されたのに驚いていました。

予診カルテに記入

カルテに記入15%.JPGカルテに記入
今回のテキストは24頁になりました。
すべての項目を予診カルテに記入し、治療点を決定します。、

治療

燔針の代わりに線香灸15%.JPG燔針の代わりに線香灸を
今回の治療は、線香灸を用いて行いました。線香を皮膚に近づけていって、ギリギリ我慢できる灼熱感を覚えたら線香を少し遠ざけ、また近づけていきます。これを3回繰り返します。線香灸を用いた理由は、燔針に相似していること、他の治療システムと比較するときに検者の技法にバラツキがないことです。

お疲れさま

近くの居酒屋で乾杯!!15%.JPG近くの居酒屋で乾杯!!

第11回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:五兪穴

第11回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:五兪穴
平成21年12月5日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

寿々の会トップ20%.JPG

 第11回「寿々の会」は平成21年12月5日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
「実践鍼灸 寿々の会」は、その名の示すとおり参加者が鍼灸臨床を実践することを目的としています。参加者の皆さんはテキストを見ながら、臨床中心の実技に、自分達で考え、解らないところはいろいろ質問するなど、毎回熱気あふれる研究会になっています。

運動テスト

ラセーグテストラセーグテストKボンネットテスト15%.JPGKーボンネットテスト
今回の運動テストは、痛みやつっぱり感が出る部位の経絡(経筋)名と経穴(経筋穴)名を確認します。

募穴診

募穴診15%.JPG募穴診
募穴診は内臓系の病変があるかないかを確認します。このとき、膻中・巨闕・中脘・石門・関元・中極など正中線上にある募穴は、正中線上だけでなく左右への偏りの反応を確認します。左右への偏りは左右手足への配穴の指標になります。

乳腺の触診

乳房の触診15%.JPG乳腺の触診
女性陣はカーテンで仕切って、特別に乳腺の触診を練習しました。募穴診で膻中の傍に圧痛や腫れ感があると乳腺の張りやしこりがあることが多いので、確認しておくと良いのです。

経絡の機能失調

脈診の練習脈診の練習
経絡の機能失調は、問診の外、脈診でみます。肝胆経は弦脈、心小腸経は洪脈、脾胃経は浮緩脈、肺大腸経は浮脈、腎膀胱経は沈遅脈を呈します。

腓腹筋診断

腓腹筋診断の指導15%.JPG腓腹筋診断
腓腹筋診断による病症経を診ます。

配経配穴の決定

主証と治療側の決定15%.JPG主証と治療側の決定
運動テスト、経絡の機能失調、五兪穴診(井は心下満を主る・栄は身熱を主る・兪は体重節痛を主る・経は喘咳寒熱を主る・合は逆気して泄するを主る)、募穴診によって得られた情報を整理して配経配穴を決定します。
今回は運動テストを主軸に行い、腓腹筋診断は第4経目に設定しました。配経の原則は、右手に陽経を取れば右足は陰経を取り、左手は陰経を取って左足は陽経を取るように、左右の手足の陰陽経が交叉するように配経します。後は個人々々によって配穴が変わります。

治療

治療経の決定50%.JPG治療経の決定
運動テストは左の小腸経、経絡の機能失調は脾経、募穴診は右大腸、腓腹筋診断は右Ⅱ(-)で配経は左三焦経・左脾経、五兪穴診は兪穴症でした。
モデルの場合は、左小腸経ー左脾経、右大腸経ー右脾経の組み合わせが主になりそうです。ただ、頚部の小腸経は左旋時の屈曲性の反応になります。これが右旋時で伸展性の反応ですと左小腸経を取っても良いのですが、屈曲性の反応ですので小腸経の裏の心経または心包経を取った方が良いでしょう。そして、右手には大腸経、右足には脾経を配経します。また腓腹筋診断は上記と異なる結果が出てしましましたが、腓腹筋の診断に誤りがあるかも知れません。ただ今回は、腓腹筋に主にしませんでしたので腓腹筋の治療は除外しました。
左手の大陵に刺鍼15%.JPG左手の大陵に刺鍼
従って配穴は、心経の神門と心包経の大陵の硬結を比較すると、大陵の方が硬結感が強いので、左心包経の栄火穴である「労宮」を第1穴目にし、第2穴目を右脾経の兪穴である「太白」に、第3穴目を右大腸経の合穴である「曲池」となるでしょう。

もう一つの手だては、右天枢の反応を「大腸の募穴」としてとらえるのでなく、難経16による「肺」としてとらえると、右肺ー右胃(大腸の下合穴である上巨虚、あるいは胆・膀胱経)、左小腸(栄火穴である前谷、または大腸経の栄火穴である二間、或いは三焦経)ー左脾経(兪穴である太白)の組み合わせも考えられます。腓腹筋を中心にした場合は、むしろこの方がすっきりしています。前述した配穴とは全く逆転した処方になりますが、これも配経配穴法を学ぶ上でとっても良い訓練になります。
もう一つの手立て40%.JPGもう一つの手だて

お疲れさま

近くの居酒屋で乾杯!15%.JPG近くの居酒屋で乾杯!!近くの居酒屋で乾杯!!15%.JPG近くの居酒屋で乾杯!!

第12回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:奇経治療

第12回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:奇経治療
平成22年3月13日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

第12回トップ20%.JPG

 第12回「寿々の会」は平成22年3月13日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
「実践鍼灸 寿々の会」は、その名の示すとおり参加者が鍼灸臨床を実践することを目的としています。参加者の皆さんはテキストを見ながら、臨床中心の実技に、自分達で考え、解らないところはいろいろ質問するなど、毎回熱気あふれる研究会になっています。

問診

問診表の作成問診表の作成
予診カルテは問診表の作成から始まります。二人一組になってお互いに相手の病証奇経を確認します。奇経の病証は、『鍼灸聚英《巻二 トウ氏八穴》』(明・高武著)に準拠しました。

奇経圧診点1(座位)

前頚部の触診15%.JPG前頸部の圧診項肩部の圧診15%.JPG項肩部の圧診
座位では前頚部と項肩部、また下肢の圧診点を確認します。

奇経圧診点2(仰臥位)

腹部の触診1-15%.JPG胸腹部の圧診1腹部の触診2-15%.JPG腹部の圧診2
胸腹部の圧診、特に帯脈の圧診は肓兪・天枢・大横・帯脈穴のラインを帯脈の反応とする見方と帯脈穴・五枢・維道・居髎の胆経ラインを帯脈の反応とする見方があるので、ともに参考にします。

奇経圧診点2(腹臥位)

腰部の触診2-15%.JPG腰部の触診2腰部の触診1-15%.JPG腰部の触診1
背腰部などの圧診は、小指のMP関節の手拳で軽く叩打するとわかりやすい場合があります。

奇経圧診点一覧表

奇経圧診点一覧表奇経圧診点一覧表

体の歪みと運動テスト

運動テスト15%.JPG運動テスト
運動テストを行い、治療後に改善されているかどうかを確認します。運動テストについては、ホームペイジの「鍼灸治療(予診)、お体のゆがみと運動テスト」に掲載しています。

腓腹筋診断

腓腹筋診断腓腹筋診断
奇経治療は交差配穴法を用います。また治療側の決定は、腓腹筋診断によって行います。例えば、腓腹筋診断で右足の内側陰経に筋緊張があれば、治療側は左手の陽奇経と右足の陽奇経に、右足の外側陽経に筋緊張があれば、治療側は左手の陰奇経と右足の陰奇経に配穴します。また、奇経治療と腓腹筋診断法による配穴を組み合わせたり、奇経治療と腓腹筋診断法の配穴法との優劣を比較することもできます。
腓腹筋診断については、ホームペイジの「鍼灸治療(施術)、鍼灸治療の原則」に掲載しています。

奇経の鍼灸治療

奇経療法一覧 20%.JPG奇経療法一覧治療穴に磁石を貼る治療穴に磁石を貼る
奇経の鍼灸治療では下記のように異種金属或いは磁石、或いは通電やイオンパンピングを用いますが、今回は磁石(850ガウス)を用いました。
磁石のプラス・マイナスのどちらを貼るかについては、人体の場合、「陰はのぼり、陽は下る(挙手の状態ですべての陰経は上行性に、陽経は下行性の方向に走る)」という正経の原則があります。奇経の場合は、異常な逆転現象が起きていると考え、「陰は下り、陽は上る」と考えるとわかりやすい。
 奇経の場合でもう一つの逆転現象の考え方は、例えば督脈と陽蹻脈の場合、後谿は小腸経に属し、申脈は膀胱経に属します。正経の流注は「小腸→膀胱」ですが、奇経の場合は「膀胱→小腸」になると考えます。そして陽は上るため膀胱(金)→小腸(銀)となります。これは陽維脈と帯脈でも、陰維脈と衝脈でも一致しますが、任脈と陰蹻脈の場合が不適合になります。つまり、任脈の主治穴である「列欠」は肺経に属し、陰蹻脈の主治穴である「照海」は腎経に属します。正経では「肺(金)→腎(銀)」ですが、奇経では逆転するので、「腎(金)→肺(銀)」となって、間中説と食い違ってしまいます。任脈と陰蹻脈については、「列欠(金)→照海(銀)」で緩解しない場合は、「照海(金)→列欠(銀)」を試みてよいと考えています。

治療効果の確認

(1)問診による症状
(2)奇経の圧診点
(3)運動テスト
(4)腓腹筋の緊張
(5)改善しない場合は、奇経の問診に誤りがないかを確認する。磁石のプラス・マイナスを交換する。交差配穴をせず同側配穴をするなどを考えてみる。

お疲れさま

お疲れ様20%.JPG近くの居酒屋で乾杯!!

主な参考資料

(1)『難経』奇経八脈第三
(2)『鍼灸聚英 《巻二 竇(トウ)氏八穴》』(明・高武)
(3)『鍼術入門講座』間中喜雄著、医道の日本社、昭和29.12.15発行
(4)『経別・奇経・経筋療法』入江正著、昭和51.5.1発行
(5)『鍼灸治療学―正経と奇経の運用』山下詢著、医歯薬出版、昭和50.4.20発行
(6)『よくわかる奇経治療』宮脇和登著、たにぐち書店、平成21.6.27発行
(7)『PIAレーザー速効療法』伊藤修著、エンタプライズ社発行、1992年11月20日発行

第13回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:触診の感性を磨く

第13回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:触診の感性を磨く
平成22年6月19日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

第13回トップ20%.JPG

 第13回「寿々の会」は平成22年6月19日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
「実践鍼灸 寿々の会」は、その名の示すとおり参加者が鍼灸臨床を実践することを目的としています。参加者の皆さんはテキストを見ながら、臨床中心の実技に、自分達で考え、解らないところはいろいろ質問するなど、毎回熱気あふれる研究会になっています。

磁石による気功訓練

13慈石による気の体得15%.JPG磁石による気の体得
(1)両手の親指と中指で二つの磁石(850ガウス)を持ち、近づけたり遠ざけたりしながらプラスマイナスの磁気を感得します。
①左右とも(+)
磁石を1㎝まで近づけて反発感を確認します。次に反発感を感得しながらその距離を広げていきます。訓練を積むと両手を精一杯広げても磁力を感じることができるようになります。
②左右とも(-)
磁石を1㎝まで近づけて反発感を確認します。次に反発感を感得しながら、その距離を広げていきます。
③左手(-)、右手(+)
最初は、磁石の距離を10㎝にして、徐々にその距離を縮め吸引感を得たら、吸引感を失わないようにしながら、少しづつ距離を広げていきます。左手にマイナスを持つのは、左中指の極性はマイナス(右手中指の極性はプラス)なので、左中指にマイナスの極性を身につけたいからです。

磁石を使わず、素手で気を体得する

13回慈石を使わず素手で15%.JPG磁石を使わず素手で
両手掌の力を抜いた状態で両手の中指腹を近づけたり遠ざけたりして、気を体得する。
  (注)基本的な気の体得法は、両足を肩幅位に開いて、やや腰を落としながら立ち、労宮穴に意識を集中して行いますが、今回は中指腹に意識を集中するようにしました。

磁石のプラスマイナスを当てる

13慈石のプラスマイナスを当てる(練習)15%.JPG磁石のプラスマイナスを当てる(練習)13回慈石のプラスマイナスを当てる(本番)15%.JPG磁石のプラスマイナスを当てる(本番)
磁石をひっくり返しながら、磁石に指を触れずに左手の中指をかざしてプラスマイナスを当てます。磁石と中指との間隔は5~15㎜位の間を上下して磁気を感得します。二人一組で行う時は交互に検査役をします。検査役は相手に磁石が見えないようにブラインドにします。
10回やって7回以上正解すれば合格です。

自分の手を触る・人の手を触診する

13人の手を触診する15%.JPG人の手を触診する13回自分の手を触る15%.JPG自分の手を触る
(1)まず、自分の手や前腕部を、自分の指の中指腹でさすって、、皮膚の感触の違いを確認します。このとき圧を加えずに、筆で払うようにサッサと素早く擦ります。ゆっくりやると却って感触がわかりません。自分の指で触られた感触は、ザラザラ感、ツルツル感、鈍麻感、鈍痛感、ピリピリ感、硬結感、陥凹感など様々です。触診する部位は、手背の中手骨間、各指の橈側面と尺側面、中手指節関節の裂隙部と前腕部の肘から手首までの各経絡です。自分の手を触りながら虚性または実性の反応を確認します。
(2)次に、二人一組でペアを組んだ相手の手を触診します。自分の手指を軽擦して得た感触は、実はなぞられた感触(患者サイド)であって、なぞった感触(術者サイド)ではありません。何回も何回も繰り返して練習するうちに術者サイドの感触がわかるようになります。

運動テスト

13運動テスト15%.JPG運動テスト
頸、肩、肩関節、腰の運動テストを行い、陽性の反応を運動テスト表に記入します。

頚肩部の治療

13回爪楊枝で治療15%.JPG爪楊枝で治療
頸、肩、肩関節の運動テストと触診で得た情報をもとに、異常経絡と治療点を決め、相応しいと思われる前腕部から手指までの治療点に爪楊枝(鍉鍼の代用)で治療します。刺鍼は力を入れず3~5の捻旋で済ませます。捻旋した後、再び頚肩の運動テストを行い緩解を確認します。治療側決定の原則は、伸展痛は患側の陽経または反対側の手の陰経を用い、屈曲痛は患側の陰経または反対側の手の陽経を用います。

腰部の治療

13回腰部反応点に刺鍼15%.JPG腰部反応点に刺鍼
腰の運動テストと腰部の触診で治療点を決め、1寸1番鍼で2~7㎜以内の深さで、3~5回以内の雀啄捻旋で刺入します。刺鍼後、再び運動テストを行い緩解を確認します。
刺鍼がまだ出来ない人は、爪楊枝を使って治療します。

頚肩と腰の反応を一穴で治す

腓腹筋診断腓腹筋診断
頚肩部と腰部の反応を一穴だけで緩解するのには、腓腹筋診断法によって手または足の一穴を選定して治療します。参加者の何人かは一穴で頚肩部と腰部の反応を緩解できたようです。

お疲れさま

13回近くの居酒屋で乾杯!!15%.JPG近くの居酒屋で乾杯!!

主な参考資料

(1)『イメージトレーニングで触診の感性を磨く』高橋永寿著、医道MOOKシリーズ002鍼灸臨床のコツ、医道の日本社、2008年11月11日発行に共同執筆。

第14回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:問診法(1)

第14回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:問診法(1) 五臓・五兪穴・是動病・所生病・奇経八脈の病証
平成22年9月11日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

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 第14回「寿々の会」は平成22年9月11日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
今回から問診法に取り組み始めました。「寿々の会」で取り組む問診法は、症候分析を行えるような全身症状の問診表を作成して、治療にまで結びつけることを目標にしています。第14回は、難経16難(五臓の)・難経68難(五兪穴)・霊枢経脈篇(是動病、所生病)の病証と、鍼灸聚英(奇経八脈)の病証をから問診表を作成しました。

問診表の記入

14問診表の記入15%.JPG問診表の記入
問診表は2種類作成してあります。一つは、難経16難(五臓の)・難経68難(五兪穴)・霊枢経脈篇(是動病、所生病)の各病証まとめたもの、もう一つは鍼灸聚英の奇経八脈病証をまとめたものです。各病証を全身・体質、性質・精神、風邪・寒熱・汗、顔・頭、目、耳・鼻、口唇舌歯、項頚、胸脇心、肩背、腰・殿・股関節、咽喉・気管支・呼吸・声、食欲・胃腹、大便、小便、手足、生殖器・外の17項目に振り分けて一覧表を作成してありますので、該当項目を○で囲んでいきます。

問診表のまとめ

14問診表のまとめ15%.JPG問診表のまとめ
各自、問診表の該当する症状を○で囲んだ後、その中から一番つらい症状に◎、二番目に辛い症状に○、三番目に辛い症状に△を記します。問診表の各症状には該当する五臓や五兪穴、是動病・所生病、奇経八脈名が括弧書きで付記してあります。例えば、風邪・寒熱・汗の項目で、「寒気や寒熱往来がある」という症状には(肺、肺経金・大腸経火)と付記されていますが、これは五臓では肺の病証であり、五兪穴では肺の經金穴(大腸の経火穴)の病証の意味になります。また、「風寒に外感して汗が出る」と言う症状には(肺・所)と付記されていますが、これは肺の所生病という病証になります。さらに、奇経八脈の病証で、風邪・寒熱・汗の項目には、「盗汗(肺心・督/心・陽維)」と付記されていますが、これは正経では肺心の病証で奇経では督脈の病証、あるいは正経では心の病証で奇経では陽維脈の病証という意味になります。

体の歪みと運動テスト

14運動テスト15%.JPG運動テスト
体の歪みを確認した後、運動テストを行い、治療後に改善されているかどうかを確認します。運動テストについては、ホームペイジの「鍼灸治療(予診)、お体のゆがみと運動テスト」に掲載しています。上記の運動テストと問診表の臓腑・経絡・奇経八脈と一致するものを陽性所見とします。体の歪みと運動テストについては、ホームペイジの鍼灸治療(予診)を参照してください。

腹診

14腹診15%.JPG腹診五臓腹診図五臓腹診図木下総合腹診図木下総合腹診図
難経16難の五臓の腹診と六臓六腑の腹診(総合腹診図、木下晴都)によって腹診を行う。上記の腹診部位と問診表の病証と一致するかどうかを確認します。

全身のチェックポイントの設定

五臓腹診図五臓腹診図
問診症状と対応する反応点(経穴)を3点選んで、人体図に記入します。たとえば、頚の痛みで第三・第四頚椎棘突起間に圧痛があれば、人体図の第三・第四頚椎棘突起間部に印を付けます。また、胃痛で中脘に圧痛があれば、
人体図の中脘部に印を付けます。チェックポイントの圧痛の軽減を確認しながら手足の要穴に刺灸をしていきます。

指根および趾根屈曲法

14指根屈曲法15%.JPG指根屈曲法14趾根屈曲法15%.JPG趾根屈曲法
霊枢経脉篇の所生病で「指趾の動きの悪さ」は指根および趾根を屈曲して診ます。判定は(痛 硬、- ± + ++)で表します。また、胃経の所生病の異常は中趾でも診ます。上記の指根・趾根屈曲法と問診表の臓腑・経絡・奇経八脈と一致するものを陽性所見とします。

間中奇経・PIA奇経

上記の奇経と問診表の臓腑・経絡・奇経八脈と一致するものを陽性所見とします。奇経圧診点については、第12回「寿々の会」奇経治療を参照してください。

腓腹筋診断法

腓腹筋診断腓腹筋診断
上記の腓腹筋診断法と問診表の臓腑・経絡・奇経八脈と一致するものを陽性所見とします。但し、問診で腓腹筋の緊張がなくても腓腹筋診断で緊張があれば陽性とします。

治療―配経配穴

公孫に刺鍼公孫に刺鍼
(1)診察で得た情報を整理しながら左右手足の4経に割り当てる。
(2)右手を陽経に取ったら右足は陰経に取穴する。右手を陰経に取ったら右足は陽経を取る。左手足も同様になります。
(3)治療は鍉針または豪針(0番~2番、1寸~寸3)を用い、手足の経穴への刺入深度は1㎜以内とします。
(4)第一穴目に刺鍼したら、必ず反応点の緩解を確認する。第二穴以降も同様に緩解を確認してから次に進みます。
(5)腓腹筋診断法については、ホームペイジの鍼灸治療(予診)を参照してください。
①手足
右手―正経・奇経     脈  五兪穴(井 栄 兪 経 合、絡 原)      穴または      穴
右足―正経・奇経     脈  五兪穴(井 栄 兪 経 合、絡 原)      穴または      穴
左手 正経・奇経      脈  五兪穴(井 栄 兪 経 合、絡 原)      穴または      穴
左足 正経・奇経      脈  五兪穴(井 栄 兪 経 合、絡 原)      穴または      穴
②腹部      心(巨闕)  脾(水分)   肺(右天枢)   肝(左天枢)    腎(関元)
③背部      手足に配経した経脈と反対側に取穴する。

症例

(1)診察
①主症状:
◎目のかすみや目がシバシバする(肝・陽維)……[診察ポイント]眼球虚陥
○鼻水(大腸・所、胃・所)…………………………[診察ポイント]流涕
△咽喉閉塞(腎肺胃・督/胃・陰蹻)………………[診察ポイント]扶突圧痛
②その他の症状―体が重い(脾)。寒気や冷水や寒雨などが嫌い(腎合水、膀胱合土)。潔癖症(肝)。
自汗(三焦・所)。顔色白い(肺)。頭がくらくらして目が充血してチカチカする((腎合水、膀胱合土)。鼻がつまりやすい(心栄火、小腸栄水)。△口が渇いて湯水を飲みたがる(肺・所、心・是)。胸騒ぎがして動悸がする(心包・是)。腰殿などの膀胱経の疼痛(膀胱・所)。咽が乾燥する(肝・是)。目の充血や結膜炎(肝心・督)。腰背部のこわばりと痛み(膀胱・陽維)。
③運動テスト:腰(後屈+=腰椎部[膀胱・督]、左屈+=右腰部[膀胱・胆]、右屈+=左腰部[膀胱・胆])
④腹診(難経16難):左臍傍(肝)
⑤指趾根:右母指[肺](痛+)。左次指[大腸](硬±)
⑥間中奇経:右風池[陽維脈、陽蹻脈]
⑦腓腹筋:左Ⅰ(-)[右大腸経(遍歴または合谷)、右腎経(大鍾または太谿)]
(2)治療
右手―陽維(外関)            右足―肝経(曲泉または太衝)
左手―肺経(列欠または経渠)     左足―帯脈(臨泣)
(3)症候分析
主症状は、「目のかすみや目がシバシバする」ので肝虚証、奇経治療では陽維脈証とする。時に目の充血があるので、時により肝実(行間)、肝の虚火(太衝)になることもある。腹診も肝なので、本症例は肝虚証と診断できる。指趾根は肺大腸経で、腓腹筋も大腸腎経であるので、通常は右手の遍歴または合谷を取るが、右手は陽維脈として外関を用いるので、左手に大腸の裏として肺経の列欠を配穴する。患者は冷えに弱く、風邪気になりやすい。また足元が冷えると上実下虚となり、鼻塞・口渇・動悸などを起こしやすい。列欠または経渠は冷えを予防する。腰痛については腰部に刺針することなく左臨泣で緩解した。

お疲れさま

14お疲れ様15%.JPG近くの居酒屋で乾杯!!

主な参考資料

(1)「難経集注」明・王九思等輯.台湾中華書局.中華民国62年10月
(2)「難経の研究」本間祥白.医道の日本社.昭和40年
(3)「鍼灸治療学ー正経と奇経の運用」山下詢.医歯薬出版社..昭和50年
(4)「霊枢白話解」中国人民衛生出版社.1962年6月
(5)「鍼灸聚英」明・高武.新亜出版社.中華民国56年4月

第15回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:問診法(2)

第15回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:問診法(2) 経絡治療における症候分析①
平成22年12月11日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

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 第15回「寿々の会」は平成22年12月11日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
今回は問診法(2)として、日本の経絡治療による問診法に取り組みました。「寿々の会」で取り組む問診法は、症候分析を行えるような全身症状の問診表を作成して、治療にまで結びつけることを目標にしています。今回は、「日本鍼灸医学」(経絡治療学会編)の第一章と第二章から問診項目を整理して問診表を作成しました。

問診表の記入

15問診表の記入15%.JPG問診表の記入
問診表は、各病証を全身・体質、性質・精神、風邪・寒熱・汗、顔・頭、目、耳・鼻、口唇舌歯、項頚、胸脇心、肩背、腰・殿・股関節、咽喉・気管支・呼吸・声、食欲・胃腹、大便、小便、手足、生殖器・外の17項目に振り分けて一覧表を作成してありますので、該当項目をで一番強い症状を◎、二番目を○、三番目を△で記します。
 たとえば、全身と手足の項目で、全身と手足の倦怠感(脾虚胃虚熱証)、飲食・食欲の項目で、調子が良いときは食欲旺盛だが、食べ過ぎては胃腸を悪くする(脾虚胃虚熱証)に◎がついていれば、脾虚胃虚熱証ということになります。
 各病証は下記の通りです。
1.肝虚熱証(胆熱・三焦経の熱・心熱・胃熱・肺熱・膀胱の熱)
2.肝虚寒証(胆脈虚・心脈強または不整脈・脾脈が沈、細、濇・肺脈強・膀胱脈虚)
3.脾虚熱証(陽明経実熱証・胃実熱証・胃虚熱証・+小腸熱・+胃実熱・+肺熱・+腎膀胱熱、脾虚肝実熱証・脾虚肝実瘀血証・脾虚肝実熱証+肺熱、脾虚肝実熱証+腎膀胱熱)
4.脾虚寒証(胆虚・小腸病証・胃寒・胃経熱・肺病証・腎陽気虚)
5.肺虚熱証(太陽経熱・陽明経熱)
6.肺虚寒証(小腸経虚寒・膀胱経虚寒・大腸経虚寒・少陰経虚寒)
7.腎虚熱証(心熱・脾胃熱・肺脈実・膀胱熱・肝実)
8.腎虚寒証(咽喉痛・太陽経虚寒)

五臓腹診と募穴診

15腹診15%.JPG腹診五臓腹診図五臓腹診図木下総合腹診図木下総合腹診図
難経16難の五臓の腹診と六臓六腑の腹診(総合腹診図、木下晴都)によって腹診を行う。上記の腹診部位と問診表の臓腑・経絡・奇経八脈と一致するものを陽性所見とします。

全身のチェックポイントの設定

カルテ人体図70(ネット用).JPG全身のチェックポイントの設定
問診症状と対応する反応点(経穴)を3点選んで、人体図に記入します。たとえば、頚の痛みで第三・第四頚椎棘突起間に圧痛があれば、人体図の第三・第四頚椎棘突起間部に印を付けます。また、胃痛で中脘に圧痛があれば、
人体図の中脘部に印を付けます。チェックポイントの圧痛の軽減を確認しながら手足の要穴に刺灸をしていきます。

体の歪みと運動テスト

15運動テスト15%.JPG運動テスト
体の歪みを確認した後、運動テストを行い、治療後に改善されているかどうかを確認します。運動テストについては、ホームペイジの「鍼灸治療(予診)、お体のゆがみと運動テスト」に掲載しています。

腓腹筋診断法

15腓腹筋診断15%.JPG腓腹筋診断
今回は経絡治療がテーマですので、腓腹筋診断はメビウス環上配経法をによる病位決定を行わず、腓腹筋の緊張が左右の内側にあるのか、外側にあるのかのみ診断します。これは取穴の原則が片側取穴になるためです。つまり、腓腹筋の緊張が右足の内側にあった場合は、左手は陽経を、左足は陰経、右手は陰経、右足は陽経を取穴するという原則に沿うためです。

治療―配経配穴

15公孫に刺鍼15%.JPG公孫に刺鍼
治療は、まず鍉鍼でテスト刺入を行い、腹診、全身のチェックポイントの緩解を確認してから毫鍼で本刺入します。
各証別の治療穴は次の通りです。
Ⅰ.肝虚熱証
基本穴:陰谷、曲泉の補法。熱が多ければ、大敦、湧泉の補法も加味する。
併用穴:
○胆の熱なら陽輔、臨泣、外丘などの瀉法。
○三焦経の熱なら外関、会宗などの瀉法。
○心熱なら然谷の補法。
○胃熱があれば隱白の補法、或いは足三里、厲兌の瀉法。
○肺熱があれば中封、復溜、魚際の補法。
○膀胱の熱があれば束骨、金門の瀉法。腎に熱が内攻していれば交信に深く刺す。
補助穴:期門、日月、中脘、天枢、石門、膈兪、肝兪、胆兪、腎兪を虚実に応じて補瀉する。
Ⅱ.肝虚寒証
基本穴:太谿、太衝、大鍾、蠡溝の補法。
併用穴:
○胆の脈が虚していれば丘墟、支溝、陽池などの補法。
○心の脈が他の部位より強いときや不整脈があれば臨泣の補法。
○脾の脈が沈、細、濇で胃腸に寒があれば衝陽、隱白の補法。
○肺の脈が他の部位より強いときは中封、復溜の補法。或いは魚際の補法を併用。
○膀胱の脈が虚していれば飛陽、跗陽、束骨の補法。
補助穴:関元、石門、中脘、章門、京門、肝兪、胆兪、三焦兪、腎兪などを虚実に応じて用いる。
Ⅲ.脾虚熱証―1
基本穴:
○陽明経実熱証と胃実熱証なら労宮、太都の補法。
○胃虚熱証なら大陵、太白の補法。
併用穴:
○陽明経実熱証なら厲兌、内定、梁丘の瀉法。
○小腸の熱なら支正、養老、後谿の瀉法。
○胃の実熱なら厲兌、内庭、梁丘、足三里、上巨虚、下巨虚、委中などの瀉法。陽明経実熱証なら
 居髎、膝眼なども用いる。
○肺の熱なら関使、商丘、魚際の補法。孔最か尺沢の瀉法。
○腎と膀胱の熱なら陰陵泉の補法。委中、束骨、金門などの瀉法。
補助穴:虚実ともに中府、中脘、天枢、関元、厥陰兪、膈兪、脾兪、胃兪、大腸兪、小腸兪などを虚
    実に応じて補瀉する
Ⅳ.脾虚熱証―2(脾虚肝実熱証)
基本穴:脾虚に対しては大陵、労宮、太都、太白の補法が原則。肝実熱証に対しては行間、臨泣、
   陽輔、外丘、外関、中渚などの瀉法。肝実瘀血証であれば曲泉、血海、三陰交などの瀉法。
併用穴:
○脾虚肝実熱証で肺熱があれば関使、商丘の補法。
○脾虚肝実熱証で腎、膀胱の熱があれば委中、交信に深く刺して陰を補う。
補助穴:脾虚肝実熱証及び脾虚肝実証は期門、日月、中脘、天枢、厥陰兪、膈兪、肝兪、胆兪、脾
     兪、胃兪、三焦兪、痞根などを虚実に応じて用いる。
Ⅴ.脾虚寒証
基本穴:大陵、太白、内関、公孫の補法。
併用穴:
○胆が虚していれば丘墟の補法。
○小腸の病証があれば腕骨の補法。
○胃に寒があるので衝陽、足三里、腕骨、陽谷などの補法。経に熱があれば内庭の瀉法。
○肺の病証があれば商丘の補法。腎の陽気が虚していれば陽池、太谿の補法。
補助穴:膻中、巨闕、中脘、章門、関元、厥陰兪、脾兪、胃兪、三焦兪などを補う。
Ⅵ.肺虚熱証
基本穴:商丘、経渠、太淵などの補法。初期の段階で悪寒が強ければ神門を補う。神門を補うのは
  少陰経の陽気を盛んにして陰気を押さえるためである。
併用穴:
○太陽経の熱なら少沢、養老、通谷、金門などの瀉法。
○陽明経の熱なら二間、温溜、内庭、厲兌の瀉法。
○急性熱病の病証がない肺虚熱証は肩凝りなどの筋肉の凝りが中心になっている。
     肺虚から起こっている肩凝りは気実が多いが、陽明経の凝りになると硬結(血実)もある。
補助穴:中脘、中府、肺兪、脾兪
Ⅶ.肺虚寒証
基本穴:太淵、太白、列欠、公孫、衝陽、陽池の補法。
併用穴:
○小腸経の虚寒があれば腕骨の補法。
○膀胱経の虚寒があれば京門、飛陽、跗陽の補法。
○大腸経の虚寒があれば曲池の補法。
○少陰経の虚寒があれば神門の補法。
補助穴:中脘、中府、関元、肺兪、厥陰兪、心兪、三焦兪などを補う。
Ⅷ.腎虚熱証
基本穴:尺沢、復溜の補法。熱が多ければ陰谷、湧泉の補法を併用する。
併用穴:
○心熱は陰谷の補法。郄門の瀉法。
○脾胃の熱があれば地機、足三里の灸頭鍼。
○肺の脈が実していれば復溜の補法、孔最または尺沢の瀉法。
○膀胱の熱は束骨、金門の瀉法。
○肝実は基本穴を補った後で行間や曲泉の瀉法。
補助穴:中極、関元、天枢、中脘、膻中、巨闕、肺兪、腎兪、関元兪、膀胱兪、大腸兪。肺虚肝実の
補助穴は膻中、中脘、天枢、期門、日月、石門、肺兪、肝兪、胆兪、腎兪、関元兪、大腸兪、痞根。
Ⅸ.腎虚寒証
基本穴:太淵、経渠、列欠、太谿、大鍾、復溜、衝陽、陽池などの補法。通常は太谿のみで良い。
併用穴:
○咽喉痛があれば照海を用いる。
○太陽経の虚寒があれば腕骨、小海、京骨、飛陽、跗陽などの補法。
補助穴:関元、石門、中脘、章門、肺兪、腎兪、三焦兪、膀胱兪、脾兪。

お疲れさま

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主な参考資料

(1)「日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)」経絡治療学会.2001年6月

第16回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:問診法(3)

第16回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:問診法(3) 経絡治療における症候分析②
平成23年3月5日(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

16トップ20%.JPG
 第16回「寿々の会」は平成23年3月5日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
今回は問診法(3)として、前回に引き続き日本の経絡治療による問診法に取り組みました。「寿々の会」で取り組む問診法は、症候分析を行えるような全身症状の問診表を作成して、治療にまで結びつけることを目標にしています。今回は、「難経」16難(五臓)、「難経」68難(五兪穴)、「霊枢」経脈篇第十(是動病・所生病)、「鍼灸聚英」巻二竇氏八穴(奇経八脈)、「日本鍼灸医学」(経絡治療学会編)の第1章~第8章までの問診項目を整理して問診表を作成しました。問診表は20頁に及び、今回の資料は問診表~診察~治療まで総てで38頁になりました。

問診表の記入

16問診表の記入15%.JPG問診表の記入
 問診表は、各病証を体格・体質、性質・精神、皮膚、姿勢・仕事・労働・筋肉、季節・時間、血圧、睡眠、風邪・寒熱、冷え・のぼせ、頭痛、毛髪、顔、眩暈、眼、耳、鼻、歯・顎関節、口唇舌、項頚、肩腕、腰背、股関節、手足、下肢、膝関節、咽喉、咳・呼吸、胸脇、動悸・不整脈、食欲・胃腹、肝臓・胆嚢、飲酒、代謝・内分泌、大便、小便、産婦人科、生殖機能、肛門など49項目に分類されています。
 該当する項目の中で一番強い症状に◎、二番目に○、三番目を△で記します。たとえば、「手足や身体が重く倦怠感(脾兪土) 」と「手足に力が無く座りたがる(脾虚寒証)」と「花粉症(心榮火)」の3つに◎が、「体が重い(脾・脾是)」と「全身倦怠感(脾虚寒証)」と「思い悩む(脾)」と「思案が多い(脾虚寒証)」と「ニキビ(脾虚寒証)」と「眼が霞んだりチラチラしてはっきりしない(肺是)」の6つに○を、また、「よく欠伸をする(胃是・腎)」に△つけました。これらの症状から、病証は脾虚寒証が中心になることがわかります。

体の歪みと運動テスト

体の歪みと運動テスト体の歪みと運動テスト
体の歪みを確認した後、運動テストを行い、治療後に改善されているかどうかを確認します。運動テストについては、ホームペイジの「鍼灸治療(予診)、お体のゆがみと運動テスト」に掲載しています。

五臓腹診・募穴診

難経16難の五臓の腹診と募穴(木下晴都「鍼灸学原論」医道の日本社)によって腹診を行う。
腹診(五臓・募穴)腹診(五臓・募穴)五臓腹診図五臓腹診図募穴募穴




全身のチェックポイントの設定

第15回の「全身のチェックポイントの設定」お同じように、問診症状と対応する反応点(経穴)を3点選んで、人体図に記入します。今回は、運動テストで腰部に痛みを訴えたので腰部の圧痛点を確認しています。
腰部の圧痛点の確認腰部の圧痛点の確認

腓腹筋診断法

16腓腹筋診断15%.JPG腓腹筋診断
今回は経絡治療がテーマですので、腓腹筋診断はメビウス環上配経法をによる病位決定を行わず、腓腹筋の緊張が左右の内側にあるのか、外側にあるのかのみ診断します。これは取穴の原則が片側取穴になるためです。つまり、腓腹筋の緊張が右足の内側にあった場合は、左手は陽経を、左足は陰経、右手は陰経、右足は陽経を取穴するという原則に沿うためです。

治療―配経配穴

16左偏歴に刺鍼15%.JPG左偏歴に刺鍼16FNSをチェックして背部兪穴で改善15%.JPGFNSテスト陽性を背部兪穴で改善
配経配穴に関しては、難経16難の「五臓の症状」に対しては原穴または絡穴を、「五兪穴」の症状に対しては井・榮・兪・経・合の五兪穴を、「是動病・所生病」の症状に対しては原穴または絡穴を、「奇経八脈」の症状に対しては八総穴を、「経絡病証」の症状にたいしては、経絡治療の配経配穴法を用います。たとえば、経絡治療で脾虚寒証、奇経治療で帯脈-陽維脈になり、左腓腹筋の内側に筋緊張があった場合は、右足の太白または公孫、左手の肺経或いは心包経の要穴を、右手には陽池ー左足に臨泣を配置します。背部は左脾兪・右肺兪または厥陰兪・左三焦兪・右胆兪の配穴になります。
 治療は、まず鍉鍼でテスト刺入を行い、全身のチェックポイントの緩解を確認してから毫鍼で本刺入します。

お疲れさま

16外は寒いけどビールが美味しい15%.JPG外は寒いけどビールが美味しい

主な参考資料

(1)『難経』16難(五臓)、68難(五兪穴)
(2)『霊枢』経脈篇第十(是動病・所生病)
(3)『鍼灸聚英』巻二竇氏八穴(奇経八脈)
(4)「日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)」経絡治療学会

第17回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:総復習・総合臨床(2)

第17回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:総復習・総合臨床(2) 
平成23年6月4(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

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 第17回「寿々の会」は平成23年6月4日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
今回は総復習・総合臨床(2)として、艸寿堂のカルテを基に取り組みました。総復習・総合臨床(1)は平成21年6月20日に行われましたので2年振りの総括になります。
 艸寿堂のカルテはB5版8頁立てになっています。
 1頁目は罫線用紙で、患者さんの氏名・住所・電話番号などと、主症状・副症状、現病歴、既往歴を問診しながら記入しま。す
 2頁目は、体格・体質・性質・顔色・血圧・睡眠・頭・目・耳鼻・口唇舌・咽喉気管支・項肩腕・胸脇肩甲部・心肺・胃腸・大便・小便・腰下肢・膝関節・生理・嗜好スポーツ・健診・家族癧などの項目に分かれて全身症状を項目別に確認します。
 3頁目は経絡治療における体質および病証分類で、肝実証・肝虚熱証・肝虚寒証・脾虚熱証・脾虚寒証・肺虚熱証・肺虚気滯・肺虚寒証・腎虚熱証・腎虚寒証などの症状が証別に記載されています。
 4頁目は体の歪みと頚・腰・肩関節の運動テス表、触診による硬結や圧痛点を記入する人体図、頚部触診図、頚肩腕の整形外科的テスト項目が記載されています。
 5頁目は腰・股関節・下肢や肩関節・膝関節の整形外科的テスト項目が記載されています。
 6頁は募穴・間中圧診点・メビウス圧診点などの胸腹部図、背部兪穴図、指力テスト・指根屈曲テスト・井穴診、脈診、舌診、奇経診断法、メビウス腓腹筋診断法などの項目があります。
 7頁と8頁は罫線用紙で来院月日やその時々の症状などを記入します。
また、9頁から28頁は資料として各テストや診察法の解説が記載されています。

問診表の記入

問診表の記入問診表の記入
今回は、カルテ作りの第一歩として主訴や副症状・現病歴・既往癧の聞き取りと記入から始めました。2頁目は全身状態の確認で、該当する症状を○で囲みます。

体の歪みと運動テスト

体の歪みと運動テスト15%.JPG体の歪みと運動テスト
体の歪みを確認した後、運動テストを行い、治療後に改善されているかどうかを確認します。体の歪みと運動テストについては、艸寿堂ホームペイジの「鍼灸治療(予診)、お体のゆがみと運動テスト」に掲載しています。

頚部診

頚部診図15%.JPG頚部診頚部診15%.JPG頚部診
頚部診は仰臥位で行います。頚椎棘突起、棘突起間、胸鎖乳突筋、督脈・膀胱経・胆経などの圧痛や硬結を探ります。頚部診図の肺熱・心熱・肝熱・脾熱・腎熱は「変動経絡検索法(VANFIT)の診断点です。胸鎖乳突筋(経絡治療)、メビウス頚部圧診点(メビウス環上配経法)、頚入穴(VANFIT)などの反応点を比較して、奏功する治療システムを判別することができます。

五臓腹診、募穴・間中圧診点・メビウス圧診点

腹診(五臓・募穴)腹診(五臓・募穴)五臓腹診図五臓腹診図
難経16難の五臓の腹診と募穴・間中腹部圧診点・メビウス腹部圧診点によって腹診を行います。艸寿堂ホームペイジ「鍼灸治療(予診)」をご参照ください。

指力・指根屈曲法・井穴診

指力・指根・井穴診15%.JPG指力・指根・井穴診
指力テストはO-リングテストと同じ要領で、左右の拇指ー次指、拇指ー中指、拇指ー環指、拇指ー小指の指力を比較します。例えば、右の拇指ー環指の指力が弱ければ、右の三焦経の異常を考えます。指根屈曲法は中手指節関節を術者の手で屈曲して、屈曲痛や関節の硬さを診ます。例えば、第1指は肺経、頚椎7番。第2指は大腸経、頚椎6番。第3指は心包経・膈兪経(赤羽氏法)、頚椎5番。第4指は三焦経、頚椎3・4番。第5指は心経・小腸経、頚椎第1・2番の反応と診ます。
井穴診は爪甲根部の井穴を揉揑して圧痛や鈍麻を比較して経絡の虚実を診ます。

腓腹筋診断法

腓腹筋診断15%.JPG腓腹筋診断
腓腹筋診断はメビウス環上配経法による病位決定と配経システムです。配経配穴については、艸寿堂ホームペイジ鍼灸治療(予診)を参照してください。

治療―配経配穴

左太白に刺鍼
モデル患者は、問診による経絡弁証で脾虚寒証と想定されました。五臓腹診でも臍中に抵抗と動気があり脾虚証、また中脘部に軽度の索状の抵抗がありました。腓腹筋診断では右脾部の内側(Ⅱ-)に緊張がありましたので、やはり脾虚証と診断できました。治療は左太白に鍉鍼を用い、足冷が強かったので施灸を加えました。そして腹部症状の緩解を確認しました。

お疲れさま

お疲れさま15%.JPGお疲れさま


第18回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:中医学における弁証施治(1)

第18回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:中医学における弁証施治(1) 
平成23年9月10(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

第18回トップ15%.JPG

 第18回「寿々の会」は平成23年9月10日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
今回は中医学における弁証施治(1)に取り組みました。八綱弁証(表裏、寒熱、虚実、陰陽)、六淫弁証(風、寒、暑、湿、燥、火)、気血弁証(気、血、気血同病、衛気営血)、臓腑弁証(心・小腸、肺・大腸、脾・胃、肝・胆、腎・膀胱、臓腑相関)、経絡弁証(肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、心包経、三焦経、胆経、肝経)、奇経八脈弁証(督脈、任脈、衝脈、帯脈、陽維脈、陰維脈、陽蹻脈、陰蹻脈)、六経弁証(太陽経、陽明経、少陽経、太陰経、少陰経、厥陰経)
などの臨床所見の一覧表から適合する症状を選んで弁証に取り組みました。
 治療の前に、体の歪みと運動テスト、腹診、舌診、腓腹筋診断や全身各部の硬結や圧痛を確認します。

治療―配経配穴

 例えば、胃脘部がシクシク痛み、寒冷刺激により憎悪し、温めると軽減する。四肢の冷えがあり、食後に疼痛は軽減する。舌質淡、舌苔白、脈遅などがあれば「胃寒証」で、治法は温胃散寒止痛法を用い、治療穴は足陽明経、任脈経穴を主に取ると記されています。
 腹診では胃の募穴である中脘に圧痛があり、また大腸の募穴である右天枢に抵抗があります。腓腹筋診断で左Ⅰの(-)に緊張があったとすると、腓腹筋診断では肺ー腎の組み合わせになり、配穴は右偏歴または合谷、右大鍾または太溪ということになります。
 従って、総合的な配穴は、右偏歴ー右大鍾または太溪(或いは復溜、照海)、左列欠(任脈の八総穴)ー左豊隆または衝陽(或いは足三里)となります。腓腹筋診断で肺ー腎が適応する場合は、風邪を引きやすく体質的に冷え症の傾向が見受けられます。
 施術後に中脘や天枢の圧痛が緩解していることを確認します。背部の配穴は手足の配穴と反対側、すなわち左大腸兪、左腎兪、右肺兪、右胃兪になります。
 また、体質的な冷えがあまりなく、胃部の冷えだけの場合は、腓腹筋診断でⅡの位置(三焦ー腗、心包ー胃)の組み合わせになる場合が多いようです。

主な参考資料

(1)『針灸学[基礎編]』天津中医学院+学校法人後藤学園、1991年5月1日発行、東洋学術出版社
(2)『針灸学(二)霊枢』経脈篇第十(是動病・所生病)
(3)『鍼灸聚英』巻二竇氏八穴(奇経八脈)
(4)「日本鍼灸医学(経絡治療・臨床編)」経絡治療学会

追記

 今まで、「寿々の会」の報告は写真や図を豊富に使っておりましたが、ホーム頁が少し重くなってきましたので、写真や図を最小限にさせていただきます。診察法や治療法については今までの」の報告文をご参照いただければ幸甚です。

第19回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:中医学における弁証施治(2)

第19回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:中医学における弁証施治(2) 
平成23年12月10(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

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 第19回「寿々の会」は平成23年12月10日(土)〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
前回は、八綱弁証、六淫弁証、衛気営血弁証、臓腑弁証、経絡弁証、奇経八脈弁証、六経弁証などの基礎的な弁証を行いましたが、今回は臨床症状からアプローチしました。参考資料は針灸学[臨床編]天津中医学院+後藤学園編を用いました。
 1頁は艸寿堂カルテの全身症状の問診表です。該当する項目に○をして主訴や全身症状を把握します。次に、針灸学[臨床編]の各症状の中から該当する病証を選びます。針灸学[臨床編]の各症状には、病因病機・治法・選穴が記されています。例えば、不眠の場合は下記の表の通りです。
入眠困難で夢を見ることが多く、目が覚めやすい場合は、心脾両虚による不眠になります。治法は補気養血、選穴は脾兪・胃兪・神門・三陰交が記されています。
胃痛の弁証、治法と選穴胃痛の弁証、治法と選穴

 今回は、慢性症状を中心に選びましたので、補的治療を中心に行います。まず、左右の神門と三陰交の圧痛を比較します。例えば、左三陰交の圧痛が一番強ければ、右の三陰交が施鍼部位になります。「寿々の会」方式では左右手足を交差して配穴しますので、右の三陰交を取穴した場合は左の神門に取穴します。まず右の三陰交に施術して左の三陰交の圧痛が軽減することを確認します。左の三陰交の圧痛が軽減しない場合は、三陰交の取穴部位が間違っているか、刺鍼技術が良くないことを示しています。
 残る右手と左足には、右手の陽経と左足の陽経に配穴します。背部兪穴には胃兪が配穴されていますので、左足には胃経の足三里または内庭を配穴します。右手にに何を配経するかについては、手の少陰心経の表裏関係から小腸経(腕骨または支正)、或いは足の陽明胃経の陽明関係から手の陽明大腸経(偏歴または合谷)、或いは腓腹筋診断などで選別します。
 また、背部の配穴は手足と反対側に配穴しますので、左脾兪、右胃兪が配穴されます。
基本的な配穴は以上の通りですが、大事なことは不眠反応が全身のどこに出ているかをチェックポイントとして確認することです。頭部をはじめ頚肩部、胸部(膻中の圧痛)、季肋・腹部(胸脇苦満、心下支結など)などの異常を確認し、上記の手足への施術によりチェックポイントの異常が軽減することを確認します。そうすることによって、自分の打った鍼がどのように効いているかを体現できるのです。

第20回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:交会穴の診断と治療

第20回 実践鍼灸「寿々の会」 テーマ:交会穴の診断と治療 
平成24年3月10(土) pm6;30~pm8:30 於:艸寿堂

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第20回「寿々の会」は平成24年3月10日(土))〈午後6時30分~8時30分〉に開催されました。
今回は、「交会穴の診断と治療」に取り組みました。「交会穴」は『霊枢 経脈篇』の経脈の分布中に他の正経や奇経と交会する経穴になります。
 これは丁度、河川の本流と支流の分岐点や鉄道の幹線と支線のターミナル駅、道路の幹線と支線の交差点に相当します。交会穴を念頭に入れておくと肝経の行間や太衝で百会の圧痛を解消することもできますし、脾経の公孫などで肝経の期門や肺経の中府の反応を解消することができます。また、奇経八脈は正経を横断していますので、奇経との交会穴は奇経治療の診断点としても応用できます。
「霊枢」経脈篇の十二経脈の分布から交会穴の一覧表を作成し、また、臨床に即応できるように、頭・顔面・頚肩・背腰・胸腹脇・上肢・下肢などの部位別の交会穴一覧図を作成しました。

〔1〕圧痛著明な交会穴
 まず、全身各部位の交会穴の圧診を行います。このとき、左右の交会穴の圧痛を比較します。そして、圧痛著明な交会穴を下記に記します。 
     ①       経 左 右     穴、     ②        経 左 右      穴、   
     ③       経 左 右     穴、     ④        経 左 右      穴、
〔2〕病経の決定
 上記の交会穴の中で、圧痛の強いものから順に、主病経と副病経を決定します。また、正経だけでなく奇経との交会穴に圧痛が強い場合は、奇経治療も考えると良いでしょう。
1.正経
    ①主病経                      ②副病経                                                    
2.奇経
    ①主病経                      ②副病経                    
〔3〕治療側・治療穴の決定
1.正経の治療側の決定
①例えば、主病経が肺経(金経)で副病経が胃経(土経)であれば、まず肺経の土穴である太淵を取穴する。太淵を取穴して胃経との交会穴である天枢(或いは、肺経の表である大腸経と胃経の交会穴である迎香・上巨虚)、中府・中脘・肺兪・胃兪などの兪募穴の圧痛の緩解を確認する。この時、左右どちらの太淵を取穴したら良いかを判断するために磁石を用い、さらに磁石のプラス・マイナスのどちらを用いたら良いかを選択する。左の太淵に磁石のプラス面を当てた方が圧痛点の軽減があれば、磁石をテープで固定する。
 次に、左の胃経の金穴である解溪に磁石を当てる。プラス・マイナスのどちらを用いたら良いかについては、実際にプラス・マイナス面を当てて天枢・迎香・上巨虚、中府・中脘・肺兪・胃兪などの圧痛の再現がないことを確認しながら決定する。
②肺経と胃経の組み合わせで反応点の緩解が思わしくない場合は、解溪の磁石を取り外し、胃経の裏経である脾経の金穴である右足の商丘を配穴し、反応点の軽減を確認する。
③次に磁石を取り外し、豪針を用いて磁石のプラスマイナスと同じように補瀉を考えながら刺鍼する。補瀉手技が適合すれば同じように反応点の圧痛は緩解する。もし圧痛が再現するようであれば手技が良くないことを示している。
④補助治療として、顔面・頭部・頚肩部・背腰部・胸腹部などの交会穴を施鍼する。
⑤主病経が肺経(金経)で副病経が腎経(水経)であれば、肺経の水穴である尺沢(虚状が強ければ太淵や列欠)と腎経の金穴である復溜を取穴する(尺沢が左手であれば、復溜は右足)に取穴する。
⑥交会穴を直接取穴して、交会する他経を治することもできるが、個々で学習してください。
2.奇経の治療側の決定
 正経治療が左手-左足であれば、奇経治療は右手―右足を用いる。正経治療が左手-右足であれば、奇経治療は右手―左足を用いる。配経の原則は、正経治療が左手(陰経)-左足(陽経)であれば、奇経治療は右手(陽経)―右足(陰経)を用いる。正経治療が左手(陰経)-右足(陰経)であれば、奇経治療は右手(陽経)―左足(陽経)を用いる。
なお、奇経治療の配穴は下記の通りです。
   督脈-後谿~陽蹻脈-申脈   陽維脈-外関~帯脈-臨泣
   任脈-列欠~陰蹻脈-照海   陰維脈-内関~衝脈-公孫
3.治療穴の決定 
   ①右手     穴  ②右足     穴  ③左手     穴  ④左足     穴
   ⑤募穴 左 右     穴          ⑥兪穴 左 右    

次回予定

  第21回 実践鍼灸「寿々の会」 
  日 時:平成24年6月  日(土) 午後6時30分~8時30分
  テーマ:未定
  会 場:艸寿堂
  (寿々の会は、毎年3月、6月、9月、12月の年4回開催しています)
                    (現在、若干の空席があります)