電力/発電所
今日、電気はなくてはならないものになっている。
電力創業の頃は、市内の小規模火力発電所で、直流による近距離配電であった。
その後、交流による、大規模の発電所からの遠距離送電となってゆく。
発電所は、大規模な水力発電所となっていった。
その後、電力消費の拡大に伴い、大規模火力発電所が建設されてゆく。
現在では、定常電力の相当量を原子力発電によって発電し、不足分を火力で補い、ピーク時の余力として水力発電が行われる方式が主流となっている。
発電の種類
- 水力発電
水力発電は、高い所から落ちてくる水の勢いで水車を回し、その水車が回転する力で発電する。
水力発電の良いところは、雨水や雪どけ水を利用するので燃料がいらないこと、発電のときに二酸化炭素を出さないことだが、雨や雪の量が少ないと発電できないことや、ダムや発電所の建設にかかる費用が高いといった欠点もある。
高低差のある2つの貯水池の間に発電所を置き、夜間の電力消費の少ない時間帯にポンプでくみ上げ、日中の電力消費の激しい時間帯に発電する方式もある。
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- 火力発電
火力発電は、石炭・石油・天然ガスなどを燃やした熱で水を蒸気に変え、この蒸気の力でタービンを回して発電する。
また、一度使われた蒸気は、復水器の中の海水で冷やされて水にもどり、再利用されている。
火力発電の良いところは、電気をつくる量を調節しやすく、燃料を運んだり貯めておくことができる点である。
が、発電のときに二酸化炭素が出ることや、燃料のほとんどを外国からの輸入にたよらなければならないといった欠点もある。
我が国の火力発電所は、海岸ぞい建設されることが多い。
これは、ボイラーで熱した水を冷やすのに、海水を利用するためと、燃料に使う石油、LNGを船で運んでいるためである。
天然ガスを使用する発電機においては、ガスタービンと、排気熱による蒸気タービンの複合型もある。
非常用電源や、自家発電用には、ディーゼル発電が主流である。
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- 原子力発電
原子力発電は、火力発電と同じく蒸気の力でタービンを回して発電する。
また、一度使われた蒸気を復水器の中の海水で冷やし、再利用していることも同じ。
火力発電との違いは、使用する燃料と水の熱し方で、火力発電では燃料に石油・石炭・天然ガスを利用しているが、原子力発電では、燃料としてウランが使われている。
原子力発電は、ウランが核分裂するときに出す熱エネルギーを利用して蒸気をつくっている。
少ない燃料でたくさんの電気をつくることができ、燃料のウランはリサイクルができる点や、発電のときに二酸化炭素を出さないなどの長所もあるが、放射線に対する安全管理が必要である。
現在電力会社の発電量の3割を占めている。
- 太陽光発電
太陽から地球上に降りそそぐエネルギーは、人類が一年間に消費する全エネルギーに匹敵するほど膨大なものといわれており、このエネルギーを、太陽電池によって、直接電力に変えようとするのが太陽光発電。
太陽光発電は、エネルギー消費による枯渇の心配がなく、また、排出物を出さないクリーンエネルギーでもある。
が、太陽光発電は、コストや太陽電池の効率が未だ低いことや、天候に左右されることなどが問題で、普及に向けては、いっそうの技術開発が必要とされている。
- 風力発電
風力発電の原理は、風のエネルギーをプロペラで受けて、発電機を回すものである。
しかし、残念なことに風のエネルギーはたくわえることができないため、つねに風の強く吹く場所を選んで風力発電所は設置される。
風力発電もクリーンな発電システムでが、太陽光発電と同じように、季節・天候の影響を受けやすく、不安定であるという弱点もある。
風力発電を普及させるには、エネルギー変換効率のより高い風車の開発が必要であり、将来的には風のより強い海上に風力発電所を設置することも考えられる。
- 地熱発電
地球の奥深くたくわえられた熱エネルギー(地熱)の影響で、地下深くの岩石は高温になっており、ここに浸透した地下水は高温熱水となってたくわえられている。
その水を地表にくみ上げると、たちまち沸騰する。
この蒸気を利用してタービンを回すのが地熱発電で、原理は火力発電と同じだが、燃料を燃やして蒸気をつくる必要がないので、エネルギー源は無尽蔵である。
しかし、蒸気と同時に出る熱水の処理や、発電規模の限界などの制約がある。
また、立地条件のよい火山地帯が、日本では国立公園などに指定されている場合が多いなど、環境保護の制約もある。
- 燃料電池発電
燃料電池発電は発電効率が高く、排出物がクリーンであるなどの長所があり、また冷却水(海水)が必要ないため、消費地(都市)近くにも設置でき、ヒートポンプなどと組み合わせれば、排熱の利用もできるなどの利点もある。
現在は、各種の燃料電池のうち、リン酸型(リン酸を電解質とするもの)と呼ばれる電池の開発が最も進んでおり、この他にも、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型などの開発が進められている。
潜水艦や、車などへの利用も進んでいる。
- 波力発電
波のエネルギーは場所や季節によって異なるが、全国平均では海岸線1メートル幅あたり6キロワットで、最高は冬の日本海で17キロワットと計算されている。
こうした波の力を利用しようとするのが波力発電で、実用化されているのは、空気タービンを利用した方式のものである。
これは、防波堤に空気室を組み込み、波が下がった時に空気を室内に取り入れ、波が上がった時にその力で空気を圧縮する。そして、その空気の力でタービンを回して、発電する。
しかし、波の大きさは不安定なので、普及にあたっては、他の電源と組み合わせるなどして、安定した出力を確保する必要がある。
灯浮標などにも利用されている。
- 廃棄物発電
廃棄物発電とは、廃棄物の焼却熱を利用して発電する方法。
廃棄物エネルギーは、環境負荷が少ない新しいエネルギーであり、このほかにも焼却熱を熱源として利用する方法(廃棄物熱利用)がある。
廃棄物発電は、2001年度末現在で全国約1,900ヶ所の廃棄物処理施設のうち、263ヶ所で実際に発電している。
廃棄物を有効利用できるというメリットの一方で、小規模施設での経済性向上などの課題もある。
廃棄物発電の効率をあげるため、ガスタービンの排気熱で廃棄物焼却熱から発生した低温低圧蒸気を追い焚きし、発電効率の向上を図った「スーパーゴミ発電」もある。
- バイオマス発電
バイオマス(生物体)エネルギーとは、太陽エネルギーが植物により変換され生物体内に蓄えられた有機物を利用する再生可能なエネルギーで、これを発電に利用したものを「バイオマス発電」という。
バイオマスは、成長の過程で二酸化炭素を吸収する性質を持っている。
したがってバイオマスを利用しながら、同時にこれを育成することで、燃焼時に起きる大気中の二酸化炭素増加を抑制することができる。
バイオマスエネルギー源としては、その原料面から廃棄物系(黒液・廃材等)と植物(栽培作物)系に大別される。
日本の電力会社
- 東京電力
- 中部電力
- 関西電力
- 中国電力
- 東北電力
- 北陸電力
- 四国電力
- 九州電力
- 北海道電力
- 沖縄電力
- 電源開発
このほか、旧国鉄など、鉄道用の電力のため、自前の大規模な発電所を持っているところもある。
参考
港の施設(工業埠頭編)
電力/発電所
電力/送電
海洋発電
新規作成日:2005年6月14日/最終更新日:2006年6月3日